COMPASS

真の理解のためのシンプルな数学のノート

数式を枠からはみ出さずに表示するためには, 画面を横に傾けてください(532 ピクセル以上推奨).

円周の方程式

定理≪円周の方程式≫

 点 $(a,b)$ を中心とする半径 $r$ の円周の方程式は, \[ (x-a)^2+(y-b)^2 = r^2\] である.

円の接線

定理≪円の接線≫

 点 $(a,b)$ を中心とする半径 $r$ の円の周上の点 $(x_0,y_0)$ における接線の方程式は, \[ (x_0-a)(x-a)+(y_0-b)(y-b) = r^2\] である.

問題≪円の極線≫

 原点を中心とする半径 $r$ の円を $C$ とし, 円 $C$ の外部の点 $(p,q)$ から円 $C$ に引いた $2$ 本の接線の接点を $\mathrm T_1,$ $\mathrm T_2$ とおく.
(1)
直線 $\mathrm T_1\mathrm T_2$ の方程式は \[ px+qy = r^2\] であることを示せ.
(2)
直線 $\mathrm T_1\mathrm T_2$ 上にある円 $C$ の外部の点 $(p',q')$ から円 $C$ に引いた $2$ 本の接線の接点 $\mathrm T'_1,$ $\mathrm T'_2$ を通る直線は点 $(p,q)$ を通ることを示せ.

解答例

(1)
$\mathrm T_1(x_1,y_1),$ $\mathrm T_2(x_2,y_2)$ とおく. このとき, 点 $\mathrm T_1,$ $\mathrm T_2$ における接線の方程式は, \[ x_1x+y_1y = r^2, \quad x_2x+y_2y = r^2\] である. これらの直線は点 $(p,q)$ を通るから, \[ px_1+qy_1 = r^2, \quad px_2+qy_2 = r^2\] が成り立つ. これは, 点 $\mathrm T_1,$ $\mathrm T_2$ が直線 $px+qy = r^2$ の上にあることを意味している. ゆえに, 直線 $\mathrm T_1\mathrm T_2$ の方程式は, \[ px+qy = r^2\] である.
(2)
(1) の結果から, 直線 $\mathrm T'_1\mathrm T'_2$ の方程式は $p'x+q'y = r^2$ である. 点 $(p',q')$ は直線 $\mathrm T_1\mathrm T_2,$ つまり $px+qy = r^2$ 上にあるから,
$pp'+qq' = r^2$ つまり $p'p+q'q = r^2$
が成り立つ. これは, 点 $(p,q)$ が直線 $\mathrm T'_1\mathrm T'_2$ 上にあることを意味している.

背景

 直線 $\mathrm T_1\mathrm T_2$ を点 $(p,q)$ に関する円の極線(polar line, polar)と呼び, 点 $(p,q)$ をその(pole)と呼ぶ.

問題≪$2$ 円の根軸≫

 $p_1,$ $p_2,$ $q_1,$ $q_2$ を実数, $r_1,$ $r_2$ を正の数として, $x,$ $y$ の多項式 \begin{align*} f_1(x,y) &= (x-p_1)^2+(y-q_1)^2-r_1{}^2, \\ f_2(x,y) &= (x-p_2)^2+(y-q_2)^2-r_2{}^2 \end{align*} を考える. 円周 $C_1:f_1(x,y) = 0,$ $C_2:f_2(x,y) = 0$ と直線 $l:f_1(x,y)-f_2(x,y) = 0$ について, 次のことを示せ.
(1)
$C_1,$ $C_2$ が $2$ 点 $\mathrm A,$ $\mathrm B$ で交わるとき, $l$ は直線 $\mathrm{AB}$ に一致する.
(2)
$C_1,$ $C_2$ が $1$ 点 $\mathrm A$ で接するとき, $l$ は点 $\mathrm A$ における $C_1,$ $C_2$ の共通の接線である.
(3)
$C_1,$ $C_2$ が共有点をもたないとき, $l$ は $C_1,$ $C_2$ に引いた接線の長さが等しい点の軌跡である.

解答例

 $\mathrm O_1(p_1,q_1),$ $\mathrm O_2(p_2,q_2)$ とおく.
(1)
$C_1,$ $C_2$ が $2$ 点 $\mathrm A,$ $\mathrm B$ で交わるとする.
このとき, 連立方程式 $f_1(x,y) = 0,$ $f_2(x,y) = 0$ は $2$ つの実数解を持つ.
それらの解は $f_1(x,y)-f_2(x,y) = 0$ を満たすから, $\mathrm A,$ $\mathrm B$ は $l$ 上にある.
ゆえに, $l$ は直線 $\mathrm{AB}$ に一致する.
(2)
$C_1,$ $C_2$ が $1$ 点 $\mathrm A$ で接するとする.
このとき, 連立方程式 $f_1(x,y) = 0,$ $f_2(x,y) = 0$ は $1$ つの実数解を持つ.
その解は $f_1(x,y)-f_2(x,y) = 0$ を満たすから, $\mathrm A$ は $l$ 上にある.
また, $l$ 上の点 $\mathrm P$ から $C_1$ に下ろした $l$ でない方の接線の接点を $\mathrm T_1$ とおくと, $\mathrm O_1\mathrm A = \mathrm O_1\mathrm T_1 = r_1,$ $\mathrm{AP} = \mathrm T_1\mathrm P$ から $\triangle\mathrm O_1\mathrm{AP} \equiv \triangle\mathrm O_1\mathrm T_1\mathrm P$ となり, $\angle\mathrm O_1\mathrm{AP} = \angle\mathrm O_1\mathrm T_1\mathrm P = 90^\circ$ となる.
よって, $l$ は $C_1$ の接線である.
同様に, $l$ は $C_2$ の接線であるから, $l$ は点 $\mathrm A$ における $C_1,$ $C_2$ の共通の接線である.
(3)
$C_1,$ $C_2$ が共有点を持たないとする.
点 $\mathrm P(x,y)$ から $C_1,$ $C_2$ に下ろした接線の接点を $\mathrm T_1,$ $\mathrm T_2$ とおくと, \begin{align*} &\mathrm P \in l \\ \iff &f_1(x,y)-f_2(x,y) = 0 \\ \iff &f_1(x,y) = f_2(x,y) \\ \iff &(x-p_1)^2+(y-q_1)^2-r_1{}^2 \\ &\quad = (x-p_2)^2+(y-q_2)^2-r_2{}^2 \\ \iff &\mathrm O_1\mathrm P^2-r_1{}^2 = \mathrm O_2\mathrm P^2-r_2{}^2 \\ \iff &\mathrm{PT}_1{}^2 = \mathrm{PT}_2{}^2 \\ \iff &\mathrm{PT}_1{} = \mathrm{PT}_2 \end{align*} となるから, $l$ は $C_1,$ $C_2$ に引いた接線の長さが等しい点の軌跡である.

背景

 $l$ を $C_1,$ $C_2$ の「根軸」(radical axis)と呼ぶ.

問題≪$3$ 円の根心≫

 $a_k,$ $b_k,$ $c_k$ $(k = 1,\ 2,\ 3)$ を実数として, $x,$ $y$ の多項式 \begin{align*} f_1(x,y) &= x^2+y^2+a_1x+b_1y+c_1, \\ f_2(x,y) &= x^2+y^2+a_2x+b_2y+c_2, \\ f_3(x,y) &= x^2+y^2+a_3x+b_3y+c_3 \end{align*} を考える. 方程式 $f_1(x,y) = 0,$ $f_2(x,y) = 0,$ $f_3(x,y) = 0$ がそれぞれ円周 $C_1,$ $C_2,$ $C_3$ を表すとして, 直線 $f_1(x,y)-f_2(x,y) = 0,$ $f_2(x,y)-f_3(x,y) = 0,$ $f_3(x,y)-f_1(x,y) = 0$ をそれぞれ $l_{12},$ $l_{23},$ $l_{31}$ とおく. 次のことを示せ.
(1)
$l_{12},$ $l_{23}$ が点 $\mathrm A$ で交わるとき, $l_{12},$ $l_{23},$ $l_{31}$ は $1$ 点 $\mathrm A$ で交わる.
(2)
$l_{12},$ $l_{23}$ が平行なとき, $l_{12},$ $l_{23},$ $l_{31}$ は互いに平行である.

解答例

(1)
$l_{12},$ $l_{23}$ が点 $\mathrm A(x,y)$ で交わるとする.
このとき, $f_1(x,y)-f_2(x,y) = 0,$ $f_2(x,y)-f_3(x,y) = 0$ であるから, \begin{align*} &f_1(x,y)-f_3(x,y) \\ &= \{ f_1(x,y)-f_2(x,y)\} +\{ f_2(x,y)-f_3(x,y)\} = 0 \end{align*} が成り立つ. よって, $f_3(x,y)-f_1(x,y) = 0$ であるから, $\mathrm A$ は $l_{31}$ 上にある.
ゆえに, $l_{12},$ $l_{23},$ $l_{31}$ は $1$ 点 $\mathrm A$ で交わる.
(2)
$l_{12},$ $l_{23},$ $l_{31}$ の方程式はそれぞれ \begin{align*} (a_1-a_2)x+(b_1-b_2)y+c_1-c_2 &= 0, \\ (a_2-a_3)x+(b_2-b_3)y+c_2-c_3 &= 0, \\ (a_3-a_1)x+(b_3-b_1)y+c_3-c_1 &= 0 \end{align*} であるから, \begin{align*} &l_{12}\,/\!/\,l_{23} \\ \iff &(a_1-a_2)(b_2-b_3)-(b_1-b_2)(a_2-a_3) = 0 \\ \iff &a_1b_2-a_1b_3+a_2b_3-a_2b_1+a_3b_1-a_3b_2 = 0 \\ \iff &a_1b_3-a_1b_2+a_2b_1-a_2b_3+a_3b_2-a_3b_1 = 0 \\ \iff &(a_1-a_2)(b_3-b_1)-(b_1-b_2)(a_3-a_1) = 0 \\ \iff &l_{12}\,/\!/\, l_{31} \end{align*} が成り立つ. ゆえに, $l_{12},$ $l_{23}$ が平行なとき, $l_{12},$ $l_{23},$ $l_{31}$ は互いに平行である.

背景

 $C_1,$ $C_2,$ $C_3$ の $3$ 本の「根軸」が $1$ 点で交わるとき, その交点を $C_1,$ $C_2,$ $C_3$ の「根心」(radical center)と呼ぶ.

問題≪円に外接して放物線に内接する三角形≫

 原点を中心とする半径 $1$ の円周 $C$ と放物線 $D:y = x^2-2$ について, 次の問いに答えよ.
(A)
$D$ の頂点 $\mathrm R(0,-2)$ から $C$ に引いた接線と $D$ の交点で $\mathrm R$ と異なるものを $\mathrm P,$ $\mathrm Q$ とおく. このとき, 直線 $\mathrm{PQ}$ も $C$ に接することを示せ.
(B)
$D$ 上の相異なる $3$ 点 $\mathrm P(p,p^2-2),$ $\mathrm Q(q,q^2-2),$ $\mathrm R(r,r^2-2)$ に対して, 直線 $\mathrm{PR},$ $\mathrm{QR}$ が原点を中心とする半径 $1$ の円 $C$ に接するならば, 直線 $\mathrm{PQ}$ も円 $C$ に接することを示せ.
[1988 名古屋大*]

解答例

(A)
点 $\mathrm R$ から $C$ に引いた接線の接点の座標を $(x_0,y_0)$ とおく. この接線は, \[ x_0x+y_0y = 1\] という方程式で表され, 点 $\mathrm R(0,-2)$ を通るから,
$-2y_0 = 1$ つまり $y_0 = -\dfrac{1}{2}$
である. 一方, 点 $(x_0,y_0)$ は $C$ 上にあり, $x_0{}^2+y_0{}^2 = 1$ を満たすから, \[ x_0 = \pm\frac{\sqrt 3}{2}\] である. よって, 接線 $\mathrm{PR},$ $\mathrm{QR}$ の方程式は,
$\pm\dfrac{\sqrt 3}{2}x-\dfrac{1}{2}y = 1$ つまり $y = \pm\sqrt 3x-2$
である. これらの接線と $D$ の交点の $x$ 座標は
$x^2-2 = \pm\sqrt 3x-2$ つまり $x(x\mp \sqrt 3) = 0$
の解 $x = \pm\sqrt 3$ であるから, 交点の $y$ 座標は \[ y = (\pm\sqrt 3)^2-2 = 1\] である. よって, 接線 $\mathrm{PQ}$ は, 直線 $y = 1$ であるから, $C$ に接する.
(B)
直線 $\mathrm{PR}$ の方程式は \[ y-p^2+2 = \frac{(r^2-2)-(p^2-2)}{r-p}(x-p)\] つまり \[ (p+r)x-y-pr-2 = 0\] であるから, 直線 $\mathrm{PR}$ が円 $C$ に接する条件は \[\frac{|-pr-2|}{\sqrt{(p+r)^2+1}} = 1\] つまり \[ (pr+2)^2 = (p+r)^2+1 \quad \cdots [1]\] である.
同様に, 直線 $\mathrm{QR}$ が円 $C$ に接する条件は \[ (qr+2)^2 = (q+r)^2+1 \quad \cdots [2]\] である. $[1],$ $[2]$ が成り立つとき, $p,q$ は $x$ の $2$ 次方程式 \[ (rx+2)^2 = (x+r)^2+1\] つまり \[ (r^2-1)x^2+2rx+3-r^2 = 0\] の解であるから, 解と係数の関係により \[ p+q = -\frac{2r}{r^2-1}, \quad pq = \frac{3-r^2}{r^2-1}\] が成り立つ. このとき, \begin{align*} (p+q)^2+1 &= \frac{4r^2}{(r^2-1)^2}+1 = \frac{4r^2+(r^2-1)^2}{(r^2-1)^2} \\ &= \frac{r^4+2r^2+1}{(r^2-1)^2} = \frac{(r^2+1)^2}{(r^2-1)^2} \\ &= \left(\frac{r^2+1}{r^2-1}\right) ^2 = \left(\frac{3-r^2}{r^2-1}+2\right) ^2 \\ &= (pq+2)^2 \end{align*} となるから, 上記の議論の逆をたどることにより, 直線 $\mathrm{PQ}$ は $C$ に接することがわかる.

背景

 本問は, 次の「ポンスレの閉形定理」(Poncelet's closure theorem)を背景としている: $2$ 次曲線 $C,$ $D$ に対して, $C$ に外接し, $D$ に内接する $n$ 角形が $1$ つでも存在するならば, $D$ 上の任意の点 $\mathrm P_1$ を $1$ つの頂点とし, $C$ に外接し, $D$ に内接する $n$ 角形が存在する. つまり, 点 $\mathrm P_k$ から $C$ に引いた接線と $D$ の交点($\neq \mathrm P_k$)を $\mathrm P_{k+1}$ とおくことで点 $\mathrm P_2$ $\cdots,$ $\mathrm P_n,$ $\mathrm P_{n+1}$ を順次定めると, $\mathrm P_{n+1} = \mathrm P_1$ となり, $C$ に外接し, $D$ に内接する $n$ 角形 $\mathrm P_1\mathrm P_2\cdots \mathrm P_n$ が得られる.
 $C$ が円, $D$ が放物線で, $n = 3$ である場合に限っても, 一般論を述べるには複雑な計算を要するため, 本問ではその一例を示した.