COMPASS

真の理解のためのシンプルな数学のノート

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円周の方程式

定理≪円周の方程式≫

 点 $(a,b)$ を中心とする半径 $r$ の円周の方程式は, \[ (x-a)^2+(y-b)^2 = r^2\] である.

円と直線

問題≪ピタゴラス数の公式の幾何的証明≫

 点 $\mathrm A(-1,0)$ を通る傾き $t$ の直線と単位円の交点 $\mathrm P(x,y)$ について, 次の問いに答えよ.
(1)
$t$ を用いて $x,$ $y,$ $\dfrac{1-x}{1+x}$ を表せ.
(2)
$x,$ $y$ が有理数のとき, $t$ は有理数であることを示せ.
(3)
$t$ が正の有理数のとき, $x,$ $y$ は互いに素なある正の整数 $m,$ $n$ を用いて \[ x = \frac{m^2-n^2}{m^2+n^2}, \quad y = \frac{2mn}{m^2+n^2} \quad \cdots [\text A]\] と表されることを示せ.
 また, 互いに素な整数 $a,$ $b,$ $c$ が $a^2+b^2 = c^2$ を満たすとき, 次のことを示せ.
(4)
$a,$ $b$ の偶奇は異なる.
(5)
$a$ が奇数のとき, $a,$ $b,$ $c$ は互いに素で偶奇の異なる正の整数 $m,$ $n\ (m > n)$ を用いて \[ a = m^2-n^2, \quad b = 2mn, \quad c = m^2+n^2 \quad \cdots [\text B]\] と表される.

解答例

(1)
点 $\mathrm A(-1,\ 0)$ を通る傾き $t$ の直線の方程式は \[ y = t(x+1) \quad \cdots [1],\] 単位円の方程式は \[ x^2+y^2 = 1 \quad \cdots [2]\] である.
点 $\mathrm P(x,\ y)$ はこれらの交点であるから, $[1]$ を $[2]$ に代入すると \[ (1+t^2)x^2+2t^2x+(t^2-1) = 0\] となる. $x,$ $-1$ はこの方程式の解であるから, 解と係数の関係により \[ x-1 = -\frac{2t^2}{1+t^2}\] が成り立つ. よって, \begin{align*} x &= 1-\frac{2t^2}{1+t^2} = \frac{1-t^2}{1+t^2} \quad \cdots [3], \\ y &= t\left(\frac{1-t^2}{1+t^2}+1\right) = \frac{2t}{1+t^2} \quad \cdots [4], \\ \frac{1-x}{1+x} &= \frac{1\!-\!\dfrac{1\!-\!t^2}{1\!+\!t^2}}{1\!+\!\dfrac{1\!-\!t^2}{1\!+\!t^2}} \!=\! \frac{(1\!+\!t^2)\!-\!(1\!-\!t^2)}{(1\!+\!t^2)\!+\!(1\!-\!t^2)} \!=\! t^2 \quad \cdots [5] \end{align*} が得られる.
(2)
仮定から $x$ は有理数なので, $[5]$ から $t^2$ は有理数である.
さらに, $y$ も有理数なので, $[4]$ から $t = \dfrac{1+t^2}{2}y$ も有理数である.
(3)
互いに素な正の整数 $m,$ $n$ を用いて $t = \dfrac{n}{m}$ とおくと, $[3],$ $[4]$ から \begin{align*} x &= \frac{1-\dfrac{n^2}{m^2}}{1+\dfrac{n^2}{m^2}} = \frac{m^2-n^2}{m^2+n^2}, \\ y &= \frac{2\cdot\dfrac{n}{m}}{1+\dfrac{n^2}{m^2}} = \frac{2mn}{m^2+n^2} \end{align*} となる.
(4)
$a,$ $b$ の偶奇が一致するとして, 矛盾を導く.
(i)
$a,$ $b$ が偶数であるとき, $a^2+b^2 = c^2$ は偶数となり, よって $c$ は偶数となるが, これは $a,$ $b,$ $c$ が互いに素であることに反する.
(ii)
$a,$ $b$ が奇数であるとき, 各整数 $d$ に対して \[ (2d+1)^2 = 4(d^2+d)+1\] を $4$ で割った余りは $1$ であることから, $a^2+b^2 = c^2$ を $4$ で割った余りは $1+1 = 2$ となるが, これは $c^2$ を $4$ で割った余りが $0$ または $1$ であることに反する.
(i), (ii) から, $a,$ $b$ の偶奇は異なる.
(5)
$(x,y) = \left(\dfrac{a}{c},\dfrac{b}{c}\right)$ は $x^2+y^2 = 1$ の正の有理数解であるから, (3) の結果から $x,$ $y$ は互いに素な正の整数 $m,$ $n\ (m > n)$ を用いて $[\text A]$ のように表せる. よって, \[ a:b:c = (m^2-n^2):2mn:(m^2+n^2)\] であるので, $a,$ $b,$ $c$ が互いに素であることから, ある正の整数 $k$ に対して \[ ka = m^2-n^2, \quad kb = 2mn, \quad kc = m^2+n^2\] となる. \[ k(c+a) = 2m^2, \quad k(c-a) = 2n^2\] から $k$ は $2m^2,$ $2n^2$ の公約数であるが, $m,$ $n$ は互いに素であるから, $k = 1$ または $k = 2$ である.
$m,$ $n$ がともに奇数であるとすると, $mn = k\cdot\dfrac{b}{2}$ は奇数となるから, $k = 1$ となり, $a = m^2-n^2$ となって, $a$ は偶数となるが, これは $a$ が奇数であることに反する.
よって, $m,$ $n$ の偶奇は異なる. これから $ka = m^2-n^2$ は奇数であることが言えて, $k = 1$ が言える. これで, 求める表示 $[\text B]$ が得られた.

背景

 三平方の定理に現れる方程式 $a^2+b^2 = c^2$ を「ピタゴラスの方程式」と呼び, その正の整数解 $(a,b,c)$ を「ピタゴラス数」(Pythagorean triple)と呼ぶ. これは, $3$ 辺の長さがすべて整数であるような直角三角形の辺の長さの組に他ならない. このような直角三角形は「ピタゴラスの三角形」(Pythagorean triangle)と呼ばれ, 古くから直角の計測に利用されていたと考えられている. 本問では, すべての「ピタゴラス数」を表す公式 $[\text B]$ を求めた.

円の接線

定理≪円の接線≫

 点 $(a,b)$ を中心とする半径 $r$ の円の周上の点 $(x_0,y_0)$ における接線の方程式は, \[ (x_0-a)(x-a)+(y_0-b)(y-b) = r^2\] である.

問題≪円の極線≫

 原点を中心とする半径 $r$ の円を $C$ とし, 円 $C$ の外部の点 $(p,q)$ から円 $C$ に引いた $2$ 本の接線の接点を $\mathrm T_1,$ $\mathrm T_2$ とおく.
(1)
直線 $\mathrm T_1\mathrm T_2$ の方程式は \[ px+qy = r^2\] であることを示せ.
(2)
直線 $\mathrm T_1\mathrm T_2$ 上にある円 $C$ の外部の点 $(p',q')$ から円 $C$ に引いた $2$ 本の接線の接点 $\mathrm T'_1,$ $\mathrm T'_2$ を通る直線は点 $(p,q)$ を通ることを示せ.

解答例

(1)
$\mathrm T_1(x_1,y_1),$ $\mathrm T_2(x_2,y_2)$ とおく. このとき, 点 $\mathrm T_1,$ $\mathrm T_2$ における接線の方程式は, \[ x_1x+y_1y = r^2, \quad x_2x+y_2y = r^2\] である. これらの直線は点 $(p,q)$ を通るから, \[ px_1+qy_1 = r^2, \quad px_2+qy_2 = r^2\] が成り立つ. これは, 点 $\mathrm T_1,$ $\mathrm T_2$ が直線 $px+qy = r^2$ の上にあることを意味している. ゆえに, 直線 $\mathrm T_1\mathrm T_2$ の方程式は, \[ px+qy = r^2\] である.
(2)
(1) の結果から, 直線 $\mathrm T'_1\mathrm T'_2$ の方程式は $p'x+q'y = r^2$ である. 点 $(p',q')$ は直線 $\mathrm T_1\mathrm T_2,$ つまり $px+qy = r^2$ 上にあるから,
$pp'+qq' = r^2$ つまり $p'p+q'q = r^2$
が成り立つ. これは, 点 $(p,q)$ が直線 $\mathrm T'_1\mathrm T'_2$ 上にあることを意味している.

背景

 直線 $\mathrm T_1\mathrm T_2$ を点 $(p,q)$ に関する円の極線(polar line, polar)と呼び, 点 $(p,q)$ をその(pole)と呼ぶ.

問題≪ポンスレの閉形定理にまつわる問題≫

 原点を中心とする半径 $1$ の円周 $C$ と放物線 $D:y = x^2-2$ について, 次の問いに答えよ.
(A)
$D$ の頂点 $\mathrm R(0,-2)$ から $C$ に引いた接線と $D$ の交点で $\mathrm R$ と異なるものを $\mathrm P,$ $\mathrm Q$ とおく. このとき, 直線 $\mathrm{PQ}$ も $C$ に接することを示せ.
(B)
$D$ 上の相異なる $3$ 点 $\mathrm P(p,p^2-2),$ $\mathrm Q(q,q^2-2),$ $\mathrm R(r,r^2-2)$ に対して, 直線 $\mathrm{PR},$ $\mathrm{QR}$ が原点を中心とする半径 $1$ の円 $C$ に接するならば, 直線 $\mathrm{PQ}$ も円 $C$ に接することを示せ.
[1988 名古屋大*]

解答例

(A)
点 $\mathrm R$ から $C$ に引いた接線の接点の座標を $(x_0,y_0)$ とおく. この接線は, \[ x_0x+y_0y = 1\] という方程式で表され, 点 $\mathrm R(0,-2)$ を通るから,
$-2y_0 = 1$ つまり $y_0 = -\dfrac{1}{2}$
である. 一方, 点 $(x_0,y_0)$ は $C$ 上にあり, $x_0{}^2+y_0{}^2 = 1$ を満たすから, \[ x_0 = \pm\frac{\sqrt 3}{2}\] である. よって, 接線 $\mathrm{PR},$ $\mathrm{QR}$ の方程式は,
$\pm\dfrac{\sqrt 3}{2}x-\dfrac{1}{2}y = 1$ つまり $y = \pm\sqrt 3x-2$
である. これらの接線と $D$ の交点の $x$ 座標は
$x^2-2 = \pm\sqrt 3x-2$ つまり $x(x\mp \sqrt 3) = 0$
の解 $x = \pm\sqrt 3$ であるから, 交点の $y$ 座標は \[ y = (\pm\sqrt 3)^2-2 = 1\] である. よって, 接線 $\mathrm{PQ}$ は, 直線 $y = 1$ であるから, $C$ に接する.
(B)
直線 $\mathrm{PR}$ の方程式は \[ y-p^2+2 = \frac{(r^2-2)-(p^2-2)}{r-p}(x-p)\] つまり \[ (p+r)x-y-pr-2 = 0\] であるから, 直線 $\mathrm{PR}$ が円 $C$ に接する条件は \[\frac{|-pr-2|}{\sqrt{(p+r)^2+1}} = 1\] つまり \[ (pr+2)^2 = (p+r)^2+1 \quad \cdots [1]\] である.
同様に, 直線 $\mathrm{QR}$ が円 $C$ に接する条件は \[ (qr+2)^2 = (q+r)^2+1 \quad \cdots [2]\] である. $[1],$ $[2]$ が成り立つとき, $p,q$ は $x$ の $2$ 次方程式 \[ (rx+2)^2 = (x+r)^2+1\] つまり \[ (r^2-1)x^2+2rx+3-r^2 = 0\] の解であるから, 解と係数の関係により \[ p+q = -\frac{2r}{r^2-1}, \quad pq = \frac{3-r^2}{r^2-1}\] が成り立つ. このとき, \begin{align*} (p+q)^2+1 &= \frac{4r^2}{(r^2-1)^2}+1 = \frac{4r^2+(r^2-1)^2}{(r^2-1)^2} \\ &= \frac{r^4+2r^2+1}{(r^2-1)^2} = \frac{(r^2+1)^2}{(r^2-1)^2} \\ &= \left(\frac{r^2+1}{r^2-1}\right) ^2 = \left(\frac{3-r^2}{r^2-1}+2\right) ^2 \\ &= (pq+2)^2 \end{align*} となるから, 上記の議論の逆をたどることにより, 直線 $\mathrm{PQ}$ は $C$ に接することがわかる.

背景

 本問は, 次の「ポンスレの閉形定理」(Poncelet's closure theorem)を背景としている: $2$ 次曲線 $C,$ $D$ に対して, $C$ に外接し, $D$ に内接する $n$ 角形が $1$ つでも存在するならば, $D$ 上の任意の点 $\mathrm P_1$ を $1$ つの頂点とし, $C$ に外接し, $D$ に内接する $n$ 角形が存在する. つまり, 点 $\mathrm P_k$ から $C$ に引いた接線と $D$ の交点($\neq \mathrm P_k$)を $\mathrm P_{k+1}$ とおくことで点 $\mathrm P_2$ $\cdots,$ $\mathrm P_n,$ $\mathrm P_{n+1}$ を順次定めると, $\mathrm P_{n+1} = \mathrm P_1$ となり, $C$ に外接し, $D$ に内接する $n$ 角形 $\mathrm P_1\mathrm P_2\cdots \mathrm P_n$ が得られる.
 $C$ が円, $D$ が放物線で, $n = 3$ である場合に限っても, 一般論を述べるには複雑な計算を要するため, 本問ではその一例を示した.

円の根軸と根心

問題≪$2$ 円の根軸≫

 $p_1,$ $p_2,$ $q_1,$ $q_2$ を実数, $r_1,$ $r_2$ を正の数として, $x,$ $y$ の多項式 \begin{align*} f_1(x,y) &= (x-p_1)^2+(y-q_1)^2-r_1{}^2, \\ f_2(x,y) &= (x-p_2)^2+(y-q_2)^2-r_2{}^2 \end{align*} を考える. 円周 $C_1:f_1(x,y) = 0,$ $C_2:f_2(x,y) = 0$ と直線 $l:f_1(x,y)-f_2(x,y) = 0$ について, 次のことを示せ.
(1)
$C_1,$ $C_2$ が $2$ 点 $\mathrm A,$ $\mathrm B$ で交わるとき, $l$ は直線 $\mathrm{AB}$ に一致する.
(2)
$C_1,$ $C_2$ が $1$ 点 $\mathrm A$ で接するとき, $l$ は点 $\mathrm A$ における $C_1,$ $C_2$ の共通の接線である.
(3)
$C_1,$ $C_2$ が共有点をもたないとき, $l$ は $C_1,$ $C_2$ に引いた接線の長さが等しい点の軌跡である.

解答例

 $\mathrm O_1(p_1,q_1),$ $\mathrm O_2(p_2,q_2)$ とおく.
(1)
$C_1,$ $C_2$ が $2$ 点 $\mathrm A,$ $\mathrm B$ で交わるとする.
このとき, 連立方程式 $f_1(x,y) = 0,$ $f_2(x,y) = 0$ は $2$ つの実数解を持つ.
それらの解は $f_1(x,y)-f_2(x,y) = 0$ を満たすから, $\mathrm A,$ $\mathrm B$ は $l$ 上にある.
ゆえに, $l$ は直線 $\mathrm{AB}$ に一致する.
(2)
$C_1,$ $C_2$ が $1$ 点 $\mathrm A$ で接するとする.
このとき, 連立方程式 $f_1(x,y) = 0,$ $f_2(x,y) = 0$ は $1$ つの実数解を持つ.
その解は $f_1(x,y)-f_2(x,y) = 0$ を満たすから, $\mathrm A$ は $l$ 上にある.
また, $l$ 上の点 $\mathrm P$ から $C_1$ に下ろした $l$ でない方の接線の接点を $\mathrm T_1$ とおくと, $\mathrm O_1\mathrm A = \mathrm O_1\mathrm T_1 = r_1,$ $\mathrm{AP} = \mathrm T_1\mathrm P$ から $\triangle\mathrm O_1\mathrm{AP} \equiv \triangle\mathrm O_1\mathrm T_1\mathrm P$ となり, $\angle\mathrm O_1\mathrm{AP} = \angle\mathrm O_1\mathrm T_1\mathrm P = 90^\circ$ となる.
よって, $l$ は $C_1$ の接線である.
同様に, $l$ は $C_2$ の接線であるから, $l$ は点 $\mathrm A$ における $C_1,$ $C_2$ の共通の接線である.
(3)
$C_1,$ $C_2$ が共有点を持たないとする.
点 $\mathrm P(x,y)$ から $C_1,$ $C_2$ に下ろした接線の接点を $\mathrm T_1,$ $\mathrm T_2$ とおくと, \begin{align*} &\mathrm P \in l \\ \iff &f_1(x,y)-f_2(x,y) = 0 \\ \iff &f_1(x,y) = f_2(x,y) \\ \iff &(x-p_1)^2+(y-q_1)^2-r_1{}^2 \\ &\quad = (x-p_2)^2+(y-q_2)^2-r_2{}^2 \\ \iff &\mathrm O_1\mathrm P^2-r_1{}^2 = \mathrm O_2\mathrm P^2-r_2{}^2 \\ \iff &\mathrm{PT}_1{}^2 = \mathrm{PT}_2{}^2 \\ \iff &\mathrm{PT}_1{} = \mathrm{PT}_2 \end{align*} となるから, $l$ は $C_1,$ $C_2$ に引いた接線の長さが等しい点の軌跡である.

背景

 $l$ を $C_1,$ $C_2$ の「根軸」(radical axis)と呼ぶ.

問題≪$3$ 円の根心≫

 $a_k,$ $b_k,$ $c_k$ $(k = 1,\ 2,\ 3)$ を実数として, $x,$ $y$ の多項式 \begin{align*} f_1(x,y) &= x^2+y^2+a_1x+b_1y+c_1, \\ f_2(x,y) &= x^2+y^2+a_2x+b_2y+c_2, \\ f_3(x,y) &= x^2+y^2+a_3x+b_3y+c_3 \end{align*} を考える. 方程式 $f_1(x,y) = 0,$ $f_2(x,y) = 0,$ $f_3(x,y) = 0$ がそれぞれ円周 $C_1,$ $C_2,$ $C_3$ を表すとして, 直線 $f_1(x,y)-f_2(x,y) = 0,$ $f_2(x,y)-f_3(x,y) = 0,$ $f_3(x,y)-f_1(x,y) = 0$ をそれぞれ $l_{12},$ $l_{23},$ $l_{31}$ とおく. 次のことを示せ.
(1)
$l_{12},$ $l_{23}$ が点 $\mathrm A$ で交わるとき, $l_{12},$ $l_{23},$ $l_{31}$ は $1$ 点 $\mathrm A$ で交わる.
(2)
$l_{12},$ $l_{23}$ が平行なとき, $l_{12},$ $l_{23},$ $l_{31}$ は互いに平行である.

解答例

(1)
$l_{12},$ $l_{23}$ が点 $\mathrm A(x,y)$ で交わるとする.
このとき, $f_1(x,y)-f_2(x,y) = 0,$ $f_2(x,y)-f_3(x,y) = 0$ であるから, \begin{align*} &f_1(x,y)-f_3(x,y) \\ &= \{ f_1(x,y)-f_2(x,y)\} +\{ f_2(x,y)-f_3(x,y)\} = 0 \end{align*} が成り立つ. よって, $f_3(x,y)-f_1(x,y) = 0$ であるから, $\mathrm A$ は $l_{31}$ 上にある.
ゆえに, $l_{12},$ $l_{23},$ $l_{31}$ は $1$ 点 $\mathrm A$ で交わる.
(2)
$l_{12},$ $l_{23},$ $l_{31}$ の方程式はそれぞれ \begin{align*} (a_1-a_2)x+(b_1-b_2)y+c_1-c_2 &= 0, \\ (a_2-a_3)x+(b_2-b_3)y+c_2-c_3 &= 0, \\ (a_3-a_1)x+(b_3-b_1)y+c_3-c_1 &= 0 \end{align*} であるから, \begin{align*} &l_{12}\,/\!/\,l_{23} \\ \iff &(a_1-a_2)(b_2-b_3)-(b_1-b_2)(a_2-a_3) = 0 \\ \iff &a_1b_2-a_1b_3+a_2b_3-a_2b_1+a_3b_1-a_3b_2 = 0 \\ \iff &a_1b_3-a_1b_2+a_2b_1-a_2b_3+a_3b_2-a_3b_1 = 0 \\ \iff &(a_1-a_2)(b_3-b_1)-(b_1-b_2)(a_3-a_1) = 0 \\ \iff &l_{12}\,/\!/\, l_{31} \end{align*} が成り立つ. ゆえに, $l_{12},$ $l_{23}$ が平行なとき, $l_{12},$ $l_{23},$ $l_{31}$ は互いに平行である.

背景

 $C_1,$ $C_2,$ $C_3$ の $3$ 本の「根軸」が $1$ 点で交わるとき, その交点を $C_1,$ $C_2,$ $C_3$ の「根心」(radical center)と呼ぶ.