COMPASS

真の理解のためのシンプルな数学のノート

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理論

定理≪円と円または直線を通る円≫

 $2$ 次以下の実数係数方程式 $f(x,\ y) = 0$ が円周を表し, $g(x,\ y) = 0$ が円周または直線を表すとして, これらの図形が相異なる $2$ 点 $\mathrm P_1,$ $\mathrm P_2$ で交わるとする. このとき, $2$点 $\mathrm P_1,$ $\mathrm P_2$ を通り $g(x,\ y) = 0$ と異なる円周 $K$ は, ある定数 $t$ を用いて, 方程式 \[ f(x,\ y)+tg(x,\ y) = 0\] で表される. ただし, $g(x,\ y) = 0$ が円周であるとき, $t \neq -1$ である.

証明

 $t$ を定数とするとき, 方程式 \[ f(x,\ y)+tg(x,\ y) = 0 \quad \cdots [\ast ]\] で表される図形は $2$ 点 $\mathrm A,$ $\mathrm B$ を通る.
$g(x,\ y) = 0$ が円周を表すとき, $t \neq -1$ ならば, $[\ast ]$ は円周を表す.
$g(x,\ y) = 0$ が直線を表すとき, 方程式の形から, $[\ast ]$ は常に円周を表す.
$[\ast ]$ が $\mathrm P_1,$ $\mathrm P_2$ と異なる $K$ 上の点 $\mathrm P_3(x_3,\ y_3)$ を通るとすると, $K$ が $g(x,\ y) = 0$ と異なるので \[ f(x_3,\ y_3)+tg(x_3,\ y_3) = 0, \quad g(x_3,\ y_3) \neq 0\] となって, 定数 $t$ の値が定まる. よって, この $t$ の値に対して, $[\ast ]$ は円周 $K$ を表す.

問題

円の方程式

問題≪$3$ 直線の成す三角形の面積・外心≫

 $3$ 直線 $x-3y = 0\ \cdots [1],$ $2x-y+5 = 0\ \cdots [2],$ $x+y-8 = 0\ \cdots [3]$ の成す三角形について,
(a)
面積を求めよ.
(b)
外接円の方程式を求めよ.

解答例

 連立方程式 $\left\{\begin{array}{l} [1], \\ [2] \end{array}\right.$ と $\left\{\begin{array}{l} [1], \\ [3] \end{array}\right.$ と $\left\{\begin{array}{l} [2], \\ [3] \end{array}\right.$ より, $3$ 直線の交点は, \[ \mathrm A(-3,\ -1),\ \mathrm B(6,\ 2),\ \mathrm C(1,\ 7).\]
(a)
線分 $\mathrm{AB}$ の長さは, \[\mathrm{AB} = \sqrt{(6-(-3))^2+(2-(-1))^2} = 3\sqrt{10}.\] 点 $\mathrm C$ と直線 $\mathrm{AB}$ すなわち $[1]$ の距離 $h$ は, \[ h = \frac{|1\cdot 1-3\cdot 7|}{\sqrt{1^2+(-3)^2}} = \frac{20}{\sqrt{10}}.\] ゆえに, 求める面積は, \[\triangle\mathrm{ABC} = \frac{1}{2}\mathrm{AB}\cdot h = \frac{1}{2}\cdot 3\sqrt{10}\cdot\frac{20}{\sqrt{10}} = 30.\]
(b)
題意の円周の方程式を $x^2+y^2+\ell x+my+n = 0$ ($\ell,$ $m,$ $n$: 定数)とおく. これは $3$ 点 $\mathrm A,$ $\mathrm B,$ $\mathrm C$ を通るから, \[\left\{\begin{array}{l} 10-3\ell -m+n = 0 \quad \cdots [4], \\ 50+\ell +7m+n = 0 \quad \cdots [5], \\ 40+6\ell +2m+n = 0 \quad \cdots [6]. \end{array}\right.\] $([5]-[4])\div 4,$ $([6]-[4])\div 3$ より, \[ \ell +2m = -10\ \cdots [7], \quad 3\ell +m = -10\ \cdots [8].\] $(2\times [8]-[7])\div 5,$ $(3\times [7]-[8])\div 5$ より, \[\ell = -2, \quad m = -4.\] このとき, $[4]$ より, \[ n = 3\ell +m-10 = -20.\] ゆえに, 求める円周の方程式は, \[ x^2+y^2-2x-4y-20 = 0\] すなわち \[ (x-1)^2+(y-2)^2 = 5^2.\]

(a) の別解: ベクトル(数学 B)の成す三角形の公式を利用

\[\overrightarrow{\mathrm{AB}} = (9,\ 3), \quad \overrightarrow{\mathrm{AC}} = (4,\ 8).\] よって, 求める面積は, \[\frac{1}{2}|9\cdot 8-3\cdot 4| = 30.\]

問題≪定点を通る円≫

 $a$ を任意の実数とする.
(1)
方程式 \[ x^2+y^2+ax+ay = a+1 \quad \cdots [\ast ]\] は $a$ の値に依らず円周を表すことを示せ.
(2)
円周 $[\ast ]$ が $a$ の値に依らず通る点の座標を求めよ.

解答例

(1)
\begin{align*} &[\ast ] \iff \left( x+\frac{a}{2}\right) ^2+\left( y+\frac{a}{2}\right) ^2 = a+1+2\cdot\frac{a^2}{4} \\ &\iff \left( x+\frac{a}{2}\right) ^2+\left( y+\frac{a}{2}\right) ^2 = \frac{1}{2}(a+1)^2+\frac{1}{2} \\ &\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\quad \cdots [1]. \end{align*} $[1]$ の右辺は常に $\dfrac{1}{2}$ 以上の値をとり, 正だから, $[\ast ]$ は $a$ の値に依らず円周を表す. (終)
(2)
\[ [\ast ] \iff (x^2+y^2-1)+a(x+y-1) = 0\ \cdots [2].\] よって,
円周 $[\ast ]$ が $a$ の値に依らず点 $(x,\ y)$ を通る
$\iff$ $[2]$ は $a$ に関する恒等式
$\iff$ $x^2+y^2-1 = x+y-1 = 0$
$\iff$ $(x,\ y) = (1,\ 0),\ (0,\ 1).$
ゆえに, 求める点の座標は, $(1,\ 0),$ $(0,\ 1).$

円と直線

問題≪円の弦長≫

 $a$ を実数とする.
(1)
円周 $C:x^2+y^2 = 1$ と直線 $\ell :x+y = a$ が相異なる $2$ 点で交わる条件を求めよ.
(2)
それらの交点を結ぶ線分の長さが $1$ であるとき, $a$ の値を求めよ.

解答例

(1)
$C$ と $\ell$ が相異なる $2$ 点で交わるとき, $x^2+(a-x)^2 = 1$ すなわち \[ 2x^2-2ax+a^2-1 = 0\] は異なる $2$ つの実数解を持つから, \[ 0 < (-a)^2-2(a^2-1) = 2-a^2\] より, \[ -\sqrt 2 < a < \sqrt 2.\]
(2)
$C$ と $\ell$ が $2$ 点 $\mathrm A,$ $\mathrm B$ で交わるとする. 弦 $\mathrm{AB}$ の中点を $\mathrm M$ とおくと, 点と直線の距離の公式より, \[\mathrm{OM} = \frac{|1\cdot 0+1\cdot 0-a|}{\sqrt{1^2+1^2}} = \frac{|a|}{\sqrt 2}.\] 直角三角形 $\mathrm{OAM}$ に着目すると, $\mathrm{OM}^2+\mathrm{AM}^2 = \mathrm{OA}^2$ より \[\left(\frac{|a|}{\sqrt 2}\right) ^2+\left(\frac{1}{2}\right) ^2 = 1^2\] となるから, \[\frac{a^2}{2}+\frac{1}{4} = 1.\] よって, $2a^2 = 3$ より, \[ a = \pm\frac{\sqrt 6}{2}.\]

問題≪外部から引いた円の接線と面積≫

 第 $1$ 象限上における直線 $y = x$ 上の点 $\mathrm A$ から円周 $x^2+y^2 = 1$ に接線を引いて, $2$ つの接点を $\mathrm T,$ $\mathrm T',$ 原点を $\mathrm O$ とおく. 四角形 $\mathrm{OTAT}'$ の面積が $7$ であるとき, 点 $\mathrm A$ の座標と各接線の方程式を求めよ.

解答例

 点 $\mathrm A$ の座標を $(a,\ a)\ (a > 0)$ とおき, 点 $\mathrm A$ から円周 $C:x^2+y^2 = 1$ に引いた接線の接点を $\mathrm T(p,\ q)$ とおく. このとき, 接線 $\mathrm{AT}$ の方程式は, \[ px+qy = 1 \quad \cdots [1].\] 点 $\mathrm T$ は $C$ 上にあるから, \[ p^2+q^2 = 1 \quad \cdots [2].\] 直線 $[1]$ は点 $\mathrm A$ を通るから, \[ (p+q)a = 1 \quad \cdots [3].\] $\triangle\mathrm{OTA}$ の面積は $\dfrac{7}{2}$ だから, $\mathrm{OT} \perp \mathrm{AT}$ に注意すると, \[\frac{1}{2}\cdot 1\cdot\sqrt{(p-a)^2+(q-a)^2} = \frac{7}{2} \quad \cdots [4].\] $[4]$ すなわち $(p-a)^2+(q-a)^2 = 49$ より \begin{align*} 0 &= (p^2+q^2)-2(p+q)a+2a^2-49 \\ &= 1-2+a^2-49 \quad (\because [2],\ [3]) \\ &= 2(a^2-25). \end{align*} となるから, $a > 0$ に注意すると, \[ a = 5.\] これを $[3]$ に代入すると, $5(p+q) = 1$ より, \[ q = \dfrac{1}{5}-p \quad \cdots [5].\] これを $[2]$ に代入すると \[ p^2+\left(\frac{1}{5}-p\right) ^2 = 1\] より $25p^2+(5p-1)^2 = 25$ となるから, 展開して整理すると $2(5p+3)(5p-4) = 0$ より, \[ p = -\frac{3}{5},\ \frac{4}{5}.\] $[5]$ より, $p = -\dfrac{3}{5}$ のとき $q = \dfrac{4}{5},$ $p = \dfrac{4}{5}$ のとき $q = -\dfrac{3}{5}.$
ゆえに, 求める接線の方程式は, $[1]$ より, \[ -3x+4y = 5, \quad 4x-3y = 5.\]

問題≪円の極線≫

(1)
$xy$ 平面上の点 $\mathrm P_0(x_0,\ y_0)$ から円周 $C:x^2+y^2 = 1$ に $2$ 本の接線が引けるとき, $2$ つの接点 $\mathrm P_1,$ $\mathrm P_2$ を結ぶ直線の方程式を求めよ.
(2)
直線 $\mathrm{QR}$ 上の点 $\mathrm P′_0$ から $C$ に $2$ 本の接線が引けるとき, $2$ つの接点 $\mathrm P′_1,$ $\mathrm P′_2$ を結ぶ直線は点 $\mathrm P_0$ を通ることを示せ.

解答例

(1)
$C$ の点 $\mathrm P_k(x_k,\ y_k)\ (1 \leqq k \leqq 2)$ における接線の方程式は \[ x_kx+y_ky = 1.\] これが点 $\mathrm P_0$ を通るとき, \[ x_kx_0+y_ky_0 = 1\] これは点 $\mathrm P_1,$ $\mathrm P_2$ が直線 $x_0x+y_0y = 1$ 上にあることを意味する. よって, $\mathrm P_1\mathrm P_2$ の方程式は, \[ x_0x+y_0y = 1.\]
(2)
点 $\mathrm P'_0(x'_0,\ y'_0)$ が直線 $\mathrm P_1\mathrm P_2$ 上にあるとき, \[ x_0x'_0+y_0y'_0 = 1.\] 点 $\mathrm P'_0$ から $C$ に $2$ 本の接線が引けるとき, $2$ つの接点 $\mathrm P'_1,$ $\mathrm P'_2$ を結ぶ直線の方程式は (1) と同様にして \[ x'_0x+y'_0y = 1\] だから, これは直線 $\mathrm P'_1\mathrm P'_2$ が点 $\mathrm P_0$ を通ることを意味する. (終)

問題≪放物線上の点を結ぶ円の接線≫

 $a \neq \pm 1$ とする. $xy$ 平面における放物線 $y = x^2$ 上の相異なる $3$ 点 $\mathrm A(a,\ a^2),$ $\mathrm B(b,\ b^2),$ $\mathrm C(c,\ c^2)$ について, 直線 $\mathrm{AB},$ $\mathrm{AC}$ が円周 $D:x^2+(y-2)^2 = 1$ に接するとき,
(1)
$b+c,$ $bc$ を $a$ で表せ.
(2)
直線 $\mathrm{BC}$ も円周 $D$ に接することを示せ.

解答例

(1)
直線 $\mathrm{AB}$ の方程式は, $$y-a^2 = \frac{b^2-a^2}{b-a}(x-a)$$ すなわち $$(a+b)x-y-ab = 0.$$
直線 $\mathrm{AB}$ は円 $D$ に接し, 円 $D$ の中心 $(0,\ 2)$ と直線 $\mathrm{AB}$ の距離は円 $D$ の半径 $1$ に等しいから, $$\frac{|-2-ab|}{\sqrt{(a+b)^2+(-1)^2}} = 1.$$ よって, $|ab+2| = \sqrt{(a+b)^2+1}$ より $(ab+2)^2 = (a+b)^2+1$ だから, $$(a^2-1)b^2+2ab+(3-a^2) = 0.$$ 直線 $\mathrm{AC}$ が円 $D$ に接することから同様にして, $$(a^2-1)c^2+2ac+(3-a^2) = 0.$$ よって, $b,$ $c$ は $2$ 次方程式 $$(a^2-1)t^2+2at+(3-a^2) = 0$$ の $2$ 解だから, 解と係数の関係より, $$b+c = \frac{-2a}{a^2-1}, \quad bc = \frac{3-a^2}{a^2-1}.$$
(2)
(1) と同様にして, 直線 $\mathrm{BC}$ の方程式は, $$(b+c)x-y-bc = 0.$$ 円 $D$ の中心 $(0,\ 2)$ と直線 $\mathrm{BC}$ の距離は, \begin{align*} \frac{|-2-bc|}{\sqrt{(b+c)^2+(-1)^2}} &= \frac{\left|\dfrac{a^2-3}{a^2-1}-2\right|}{\sqrt{\left(\dfrac{-2a}{a^2-1}\right) ^2+1}} \\ &= \frac{\left|\dfrac{a^2+1}{a^2-1}\right|}{\sqrt{\left(\dfrac{a^2+1}{a^2-1}\right) ^2}} = 1. \end{align*} ゆえに, 直線 $\mathrm{BC}$ は円 $D$ に接する.

問題≪円の束≫

 $2$ 点 $\mathrm A(5,\ 10),$ $\mathrm B(-1,\ -2)$ を通るすべての円は円周 $x^2+y^2 = 25$ を $2$ 等分することを示せ.
[埼玉大 2006*]

解答例

 線分 $\mathrm{AB}$ の中点は $\mathrm M(2,\ 4)$ であり, \[\mathrm{AB} = \sqrt{(5-(-1))^2+(10-(-2))^2} = 6\sqrt 5.\] よって, $\mathrm{AB}$ を直径とする円の方程式は, \[ (x-2)^2+(y-4)^2 = (3\sqrt 5)^2\] すなわち \[ x^2+y^2-4x-8y-25 = 0 \quad \cdots [1]\] よって, $2$ 点 $\mathrm A(5,\ 10),$ $\mathrm B(-1,\ -2)$ を通る円は, 円 $[1]$ と直線 $y-2x = 0$ の交点を通るから, ある定数 $t$ を用いて方程式 \[ (x^2+y^2-4x-8y-25)+t(y-2x) = 0 \quad \cdots [2]\] で表される. この円 $[2]$ と円 $x^2+y^2 = 25$ は原点で交わるから, 円 $[2]$ は原点を通る. よって, 円 $[2]$ は円 $x^2+y^2 = 25$ の周を $2$ 等分する.

問題≪原始ピタゴラス数の幾何的な求め方≫

 点 $\mathrm A(-1,\ 0)$ を通る傾き $t$ の直線と原点 $\mathrm O$ を中心とする単位円の交点を $\mathrm P(x,\ y)$ とおく.
(1)
$x,$ $y,$ $(1-x)/(1+x)$ を $t$ で表せ.
(2)
$x,$ $y$ が有理数のとき, $t$ は有理数であることを示せ.
(3)
$t$ が正の有理数のとき, $x,$ $y$ は互いに素なある正の整数 $m,$ $n$ を用いて次のように表されることを示せ. \[ x = \frac{m^2-n^2}{m^2+n^2}, \quad y = \frac{2mn}{m^2+n^2}.\]

解答例

(1)
点 $\mathrm A(-1,\ 0)$ を通る傾き $t$ の直線の方程式は, \[ y = t(x+1) \quad \cdots [1].\] 原点を中心とする単位円の方程式は, \[ x^2+y^2 = 1 \quad \cdots [2].\] 点 $\mathrm P(x,\ y)$ はこれらの交点だから, $[1]$ を $[2]$ に代入すると \[ (1+t^2)x^2+2t^2x+(t^2-1) = 0.\] $x$ の他に $-1$ もこの方程式の解だから, 解と係数の関係より \[ x+(-1) = -\frac{2t^2}{1+t^2}.\] よって, \begin{align*} x &= 1-\frac{2t^2}{1+t^2} = \frac{1-t^2}{1+t^2} \quad \cdots [3], \\ y &= t\left(\frac{1-t^2}{1+t^2}+1\right) = \frac{2t}{1+t^2} \quad \cdots [4], \\ \frac{1-x}{1+x} &= \frac{(1+t^2)-(1-t^2)}{(1+t^2)+(1-t^2)} = t^2 \quad \cdots [5]. \end{align*}
(2)
仮定より $x$ は有理数だから, $[5]$ より $t^2$ は有理数である. さらに, $y$ も有理数だから, $[4]$ より $t = \dfrac{1+t^2}{2}y$ も有理数である.
(3)
互いに素なある正の整数 $m,$ $n$ を用いて $t = \dfrac{n}{m}$ とおくと, $[3],$ $[4]$ より \[ x = \frac{m^2-n^2}{m^2+n^2}, \quad y = \frac{2mn}{m^2+n^2}\] と表せる.

補足

 $a^2+b^2 = c^2$ の正の整数解 $(a,b,c)$ で $a,$ $b,$ $c$ が互いに素であるものを「原始ピタゴラス数」と呼ぶ. 本問の結果からすべての「原始ピタゴラス数」$(a,b,c)$ を表す式を導いてみよう. 容易にわかるように $a,$ $b$ の偶奇は異なるので, 必要ならば $a,$ $b$ を入れ替えて $a$ が奇数, $b$ が偶数であるようにしておく. $(x,y) = \left(\dfrac{a}{c},\dfrac{b}{c}\right)$ は $x^2+y^2 = 1$ の有理数解だから, 本問の結果から $x,$ $y$ は互いに素な正の整数 $m,$ $n$ を用いて \[ x = \frac{m^2-n^2}{m^2+n^2}, \quad y = \frac{2mn}{m^2+n^2}\] と表せる. よって, \[ a:b:c = (m^2-n^2):2mn:(m^2+n^2)\] が成り立つので, $a,$ $b,$ $c$ が互いに素であることから, ある正の整数 $k$ に対して \[ ka = m^2-n^2, \quad kb = 2mn, \quad kc = m^2+n^2\] となる. \[ k(c+a) = 2m^2, \quad k(c-a) = 2n^2\] から $k$ は $2m^2,$ $2n^2$ の公約数であるが, $m,$ $n$ は互いに素であるから, $k = 1$ または $k = 2$ である. $m,$ $n$ がともに奇数であるとすると, $mn = k\cdot\dfrac{b}{2}$ は奇数となるから, $k = 1$ となり, $a = m^2-n^2$ となって, $a$ は偶数となるが, これは $a$ が奇数であることに反する. よって, $m,$ $n$ の偶奇は異なる. これから $ka = m^2-n^2$ は奇数であることが言えて, $k = 1$ が言える. よって, \[ a = m^2-n^2, \quad b = 2mn, \quad c = m^2+n^2\] が得られる.

$2$ 円の関係

問題≪$2$ 円の交点を通る直線・円≫

 $a$ を正の数とする. $2$ つの円周 \[ x^2+y^2 = 1\ \cdots [1],\ (x-a)^2+(y-a)^2 = a^2\ \cdots [2]\] が異なる $2$ 点 $\mathrm A,$ $\mathrm B$ で交わっている.
(1)
直線 $\mathrm{AB}$ の方程式を求め, $a$ のとり得る値の範囲を求めよ.
(2)
原点と $\mathrm A,$ $\mathrm B$ を通る円周 $K$ が点 $(1,\ 1)$ も通るとき, $a$ の値と $K$ の方程式を求めよ.

解答例

(1)
\[ [2] \iff x^2+y^2-2ax-2ay+a^2 = 0 \quad \cdots [2]'.\] $2$ 点 $\mathrm A,$ $\mathrm B$ は $[1],$ $[2]$ を通るから, 直線 $\mathrm{AB}$ の方程式は $[1]-[2]$ より \[ 2ax+2ay-(a^2+1) = 0 \quad \cdots [3].\] $[1]$ かつ $[2]$ と $[1]$ かつ $[3]$ は同値だから,
$[1],$ $[2]$ が $2$ 点で交わる
$\iff$ $[1],$ $[3]$ が $2$ 点で交わる
$\iff$ 円周 $[1]$ の中心と直線 $[3]$ の距離が $[1]$ の半径より小さい
$\iff$ $\dfrac{|2a\cdot 0+2a\cdot 0-(a^2+1)|}{\sqrt{(2a)^2+(2a)^2}} < 1$
$\iff$ $a^2+1 < 2\sqrt 2a \quad (\because a^2+1 > 0,\ a > 0)$
$\iff$ $\sqrt 2-1 < a < \sqrt 2+1.$
ゆえに, \[\sqrt 2-1 < a < \sqrt 2+1.\]
(2)
円周 $K$ は $[1],$ $[2]$ の交点を通るから, その方程式は $c$ を $-1$ と異なる定数として \begin{align*} (x^2+y^2-1)+c(x^2+y^2-2ax-2ay+a^2) = 0 & \\ \quad \cdots [4] & \end{align*} と表せる. $K$ は原点と点 $(1,\ 1)$ を通るから, $[4]$ に $x = y = 0,$ $x = y = 1$ を代入すると, \begin{align*} -1+ca^2 &= 0 \quad \cdots [5], \\ 1+c(a^2-4a+2) &= 0 \quad \cdots [6]. \end{align*} $[5]$ より, $a > 0$ に注意すると, \[ c = \frac{1}{a^2} \quad \cdots [7].\] $c \neq 0$ に注意して $[6]$ の両辺を $c$ で割ると, \begin{align*} 0 &= \frac{1}{c}+(a^2-4a+2) \\ &= a^2+(a^2-4a+2) \quad (\because [7]) \\ &= 2(a-1)^2 \end{align*} となるから, \[ a = 1 \quad \cdots [8].\] ゆえに, $[4],$ $[7],$ $[8]$ より, 円周 $K$ の方程式は \[ (x^2+y^2-1)+(x^2+y^2-2x-2y+1) = 0\] すなわち \[ x^2+y^2-x-y = 0.\]

問題≪$2$ 円の交点を通る円の中心が描く直線≫

 $2$ つの円周 \[ x^2+y^2 = 1\ \cdots [1], \quad (x-1)^2+(y-1)^2 = 1\ \cdots [2]\] の交点を通る円周の中心は直線 $y = x$ 上にあることを示せ.

解答例

\[ [2] \iff x^2+y^2-2x-2y+1 = 0\] $2$ つの円周 $[1],$ $[2]$ の交点を通る円周は, $t \neq -1$ なる実数 $t$ を用いて, 方程式 \[ (x^2+y^2-1)+t(x^2+y^2-2x-2y+1) = 0 \quad \cdots [3]\] で表される. \begin{align*} &[3] \iff x^2-\frac{2tx}{t+1}+y^2-\frac{2ty}{t+1} = \frac{1-t}{t+1} \\ &\iff \left( x\!-\!\frac{t}{t\!+\!1}\right) ^2\!\!+\!\!\left( y\!-\!\frac{t}{t\!+\!1}\right) ^2 \!=\! \frac{1\!-\!t}{t\!+\!1}\!-\!2\left(\frac{t}{t\!+\!1}\right) ^2. \end{align*} よって, 円周 $[3]$ の中心は, $\left(\dfrac{t}{t+1},\ \dfrac{t}{t+1}\right)$ であり, 直線 $y = x$ 上にある.

問題≪$2$ 円の共通接線≫

 次の $2$ つの円周の共通接線の方程式を求めよ. \[ x^2+y^2 = 1 \quad \cdots [1], \qquad (x-5)^2+y^2 = 4 \quad \cdots [2].\]

解答例

 円周 $[1]$ の点 $(p,\ q)$ における接線の方程式は, \[ px+qy = 1 \quad \cdots [3].\] 点 $(p,\ q)$ は円周 $[1]$ 上にあるから, \[ p^2+q^2 = 1 \quad \cdots [4].\]
直線 $[3]$ が円周 $[2]$ にも接するとき, 直線 $[3]$ すなわち $px+qy-1 = 0$ と $[2]$ の中心 $(5,\ 0)$ の距離がその半径に等しいから, \[ 2 = \frac{|p\cdot 5+q\cdot 0-1|}{\sqrt{p^2+q^2}} = |5p-1| \quad (\because [4])\] より, $5p-1 = \pm 2$ すなわち \[ p = \frac{3}{5},\ -\frac{1}{5}.\] $[4]$ より, $p = \dfrac{3}{5}$ のとき $q = \pm\dfrac{4}{5},$ $p = -\dfrac{1}{5}$ のとき $q = \pm\dfrac{2\sqrt 6}{5}.$
ゆえに, 求める接線の方程式は, \[ 3x\pm 4y = 5, \quad -x\pm 2\sqrt 6y = 5.\]

別解

 円周 $[1],$ $[2]$ の共通接線 $\ell$ は, $[1],$ $[2]$ の中心 $\mathrm O(0,\ 0),$ $\mathrm O'(5,\ 0)$ を結んだ直線, すなわち $x$ 軸と交点 $\mathrm A$ を持つ.
$\ell$ と $[1],$ $[2]$ の接点をそれぞれ $\mathrm T,$ $\mathrm T'$ とおくと,
$\triangle\mathrm{OAT},$ $\triangle\mathrm O'\mathrm{AT}'$ は $1:2$ の比で相似である$\cdots [\heartsuit ]$.
さらに, 点 $\mathrm T$ から $x$ 軸に下ろした垂線の足を $\mathrm H$ とおくと,
$\triangle\mathrm{OAT},$ $\triangle\mathrm{TAH}$ は相似である$\cdots [\diamondsuit ]$.
(i)
$\ell$ が $[1],$ $[2]$ の共通外接線のとき. $[\heartsuit ]$ より, 点 $\mathrm A$ は線分 $\mathrm{OO}'$ を $1:2$ に外分するから, \[\mathrm{OA} = 5.\] よって, \[\mathrm{AT} = \sqrt{\mathrm{OA}^2-\mathrm{OT}^2} = \sqrt{5^2-1^2} = 2\sqrt 6.\] したがって, $[\diamondsuit ]$ より, \[\frac{\mathrm{HT}}{\mathrm{AH}} = \frac{\mathrm{TO}}{\mathrm{AT}} = \frac{1}{2\sqrt 6}.\] よって, $\ell$ は点 $\mathrm A(-5,\ 0)$ を通る傾き $\pm\dfrac{1}{2\sqrt 6}$ の直線だから, $\ell$ の方程式は \[ y = \pm\frac{1}{2\sqrt 6}(x+5).\]
(ii)
$\ell$ が $[1],$ $[2]$ の共通内接線のとき. $[\heartsuit ]$ より, 点 $\mathrm A$ は線分 $\mathrm{OO}'$ を $1:2$ に内分するから, \[\mathrm{OA} = \frac{5}{3}.\] よって, \[\mathrm{AT} = \sqrt{\mathrm{OA}^2-\mathrm{OT}^2} = \sqrt{\left(\frac{5}{3}\right) ^2-1} = \frac{4}{3}.\] したがって, $[\diamondsuit ]$ より, \[\frac{\mathrm{HT}}{\mathrm{AH}} = \frac{\mathrm{TO}}{\mathrm{AT}} = 1\div\frac{4}{3} = \frac{3}{4}.\] よって, $\ell$ は点 $\mathrm A\left(\dfrac{5}{3},\ 0\right)$ を通る傾き $\pm\dfrac{3}{4}$ の直線だから, $\ell$ の方程式は \[ y = \pm\frac{3}{4}\left( x-\frac{5}{3}\right).\]

更なる別解

 共通接線の方程式を $y = mx+n \cdots [\ast ]$ とおく.
  • 直線 $[\ast ]$ と各円周の中心の距離がその半径と等しいことから得られる $m,$ $n$ の連立方程式を解く.
  • $[\ast ]$ を $[1],$ $[2]$ に代入して得た $2$ 次方程式が重解を持つ条件から得られる $m,$ $n$ の連立方程式を解く.