COMPASS

真の理解のためのシンプルな数学のノート

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$2$ 次曲線

問題

 $x$ 軸上の点 $\mathrm F$ と異なる点 $\mathrm P$ に対して, 直線 $\mathrm{FP}$ と $x$ 軸正方向の成す角を $\angle\mathrm{PF}x$ で表す.

放物線

問題≪パラボラアンテナの原理≫

 放物線 $C:y^2 = 4px$ の焦点を通る直線と $C$ の交点において $C$ の接線を引くとき, 元の直線と接線が成す角は接線と $C$ の対称軸が成す角に等しいことを示せ.

解答例

 $f(y) = \dfrac{y^2}{4p}$ を $y$ で微分すると, $$f'(y) = \dfrac{y}{2p}.$$ よって, 放物線 $C:x = \dfrac{y^2}{4p}$ の焦点 $\mathrm F(p,\ 0)$ を通る直線と $C$ の交点を $\mathrm P(s,\ t)$ とおくと, $C$ の点 $\mathrm P$ における接線の方程式は $$x-s = \frac{t}{2p}(y-t) \cdots [1].$$
また, 点 $\mathrm P$ は $C$ 上にあるから, $$t^2 = 4ps \cdots [2].$$ $[1]$ に $y = 0$ を代入すると, $[2]$ より $$x = -\frac{t^2}{2p}+s = -\frac{4ps}{2p}s = -s$$ となるから, 接線 $[1]$ と $C$ の対称軸である $x$ 軸は点 $\mathrm Q(-s,\ 0)$ で交わる. \begin{align*} \mathrm{FP} &= \sqrt{(s-p)^2+t^2} \\ &= \sqrt{(s^2-2ps+p^2)+4ps} \quad (\because [2]) \\ &= \sqrt{s^2+2ps+p^2} \\ &= |s+p| = \mathrm{FQ} \end{align*} より, $\triangle\mathrm{FPQ}$ は二等辺三角形だから, $\angle\mathrm{FPQ} = \angle\mathrm{FQP}.$ (終)

解説

 このことから, 放物線の対称軸に平行に進む光線が放物線に当たって反射すると, 必ず放物線の焦点に集まることが分かる. この性質が焦点の名の由来であり, パラボラアンテナに応用されている.

問題≪放物線の焦点・接線・法線の位置関係≫

 放物線 $C:y^2 = 4px$ 上の任意の点における接線, 法線と $C$ の対称軸の交点を結ぶ線分の中点は $C$ の焦点に一致することを示せ.

解答例

 $f(y) = \dfrac{y^2}{4p}$ を $y$ で微分すると, $$f'(y) = \dfrac{y}{2p}.$$ よって, 放物線 $C:x = \dfrac{y^2}{4p}$ 上の点 $\mathrm P(s,\ t)$ における接線, 法線の方程式は, それぞれ \begin{align*} x-s &= \frac{t}{2p}(y-t) \cdots [1], \\ x-s &= -\frac{2p}{t}(y-t) \cdots [2]. \\ \end{align*}
また, 点 $\mathrm P$ は $C$ 上にあるから, $$t^2 = 4ps \cdots [3].$$ $[1],$ $[2]$ に $y = 0$ を代入すると \begin{align*} x &= -\frac{t^2}{2p}+s = -\frac{4ps}{2p}s = -s \quad (\because [3]), \\ x &= \frac{2pt}{t}+s = 2p+s \end{align*} となるから, 直線 $[1],$ $[2]$ と $C$ の対称軸である $x$ 軸は, それぞれ点 $\mathrm Q(-s,\ 0),$ $\mathrm R(2p+s,\ 0)$ で交わる. これら点の $C$ の焦点 $\mathrm F(p,\ 0)$ からの距離は, \begin{align*} \mathrm{FQ} &= |p-(-s)| = |p+s|, \\ \mathrm{FR} &= |(2p+s)-p| = |p+s|. \end{align*} ゆえに, $\mathrm{FQ} = \mathrm{FR}$ より, 線分 $\mathrm{QR}$ の中点は $C$ の焦点 $\mathrm F$ に一致する. (終)

問題≪放物線の焦点を通る弦の長さに関する定量問題≫

 放物線 $y^2 = 4px$ の焦点 $\mathrm F$ を通る $2$ 本の弦 $\mathrm{PQ},$ $\mathrm{RS}$ が直交するとき, $\dfrac{1}{\mathrm{FP}\cdot\mathrm{FQ}}+\dfrac{1}{\mathrm{FR}\cdot\mathrm{FS}}$ の値は $\mathrm{PQ},$ $\mathrm{RS}$ の取り方に依らず一定であることを示せ.

解答例

 放物線 $C:y^2 = 4px$ の焦点 $\mathrm F$ を通る弦 $\mathrm{PQ},$ $\mathrm{RS}$ が直交するとき, $0 < \theta = \angle\mathrm{PF}x < \dfrac{\pi}{2},$ $\angle\mathrm{RF}x = \theta +\dfrac{\pi}{2} \cdots [1]$ としても一般性を失わない.
点 $\mathrm P$ から $C$ の準線 $x = -p$ に下ろした垂線の足を $\mathrm H$ とおくと, $$\mathrm{FP} = \mathrm{PH}.$$ よって, $r = \mathrm{FP}$ とおくと, $r = 2p+r\cos\theta$ だから, $$\mathrm{FP} = r = \frac{2p}{1-\cos\theta} \cdots [2].$$ $\angle\mathrm{QF}x = \theta +\pi,$ $[1],$ $\angle\mathrm{SF}x = \dfrac{\pi}{2}-\theta$ より, $[2]$ と同様にして, \begin{align*} \mathrm{FQ} &= \frac{2p}{1-\cos (\theta +\pi )} = \frac{2p}{1+\cos\theta} \cdots [3], \\ \mathrm{FR} &= \frac{2p}{1-\cos\left(\theta +\dfrac{\pi}{2}\right)} = \frac{2p}{1+\sin\theta} \cdots [4], \\ \mathrm{FS} &= \frac{2p}{1-\cos\left(\dfrac{\pi}{2}-\theta\right)} = \frac{2p}{1-\sin\theta} \cdots [5]. \end{align*} $[2]$~$[5]$ より \begin{align*} &\frac{1}{\mathrm{FP}\cdot\mathrm{FQ}}+\frac{1}{\mathrm{FR}\cdot\mathrm{FS}} \\ &= \frac{1-\cos\theta}{2p}\cdot\frac{1+\cos\theta}{2p}+\frac{1+\sin\theta}{2p}\cdot\frac{1-\sin\theta}{2p} \\ &= \frac{(1-\cos ^2\theta )+(1-\sin ^2\theta)}{4p^2} \\ &= \frac{1}{4p^2} \end{align*} となるから, $\dfrac{1}{\mathrm{FP}\cdot\mathrm{FQ}}+\dfrac{1}{\mathrm{FR}\cdot\mathrm{FS}}$ の値は一定である. (終)

別解

 $r = \mathrm{FP},$ $\theta = \angle\mathrm{PF}x$ とおくと, 直線 $\mathrm{PQ}$ 上の点の $x$ 座標, $y$ 座標は $$x = p+r\cos\theta \cdots [1], \quad y = r\sin\theta \cdots [2]$$ と表せる. $[1],$ $[2]$ を $y^2 = 4px$ に代入すると, $r^2\sin ^2\theta = 4p(p+r\cos\theta )$ より, $$(\sin ^2\theta )r^2-4p(\cos\theta )r-4p^2 = 0.$$ この $r$ に関する $2$ 次方程式の解を $\alpha,$ $\beta$ とおくと, $$\mathrm{FP}\cdot\mathrm{FQ} = |\alpha ||\beta | = |\alpha\beta | = \frac{4p^2}{\sin ^2\theta} \cdots [3].$$ 弦 $\mathrm{RS}$ は $\mathrm{PQ}$ に直交するから, $[3]$ において $\theta$ を $\theta +\dfrac{\pi}{2}$ に置き換えると, $$\mathrm{FR}\cdot\mathrm{FS} = \frac{4p^2}{\cos ^2\theta} \cdots [4].$$ $[3],$ $[4]$ より $$\frac{1}{\mathrm{FP}\cdot\mathrm{FQ}}+\frac{1}{\mathrm{FR}\cdot\mathrm{FS}} = \frac{\sin ^2\theta}{4p^2}+\frac{\cos ^2\theta}{4p^2} = \frac{1}{4p^2}$$ となるから, $\dfrac{1}{\mathrm{FP}\cdot\mathrm{FQ}}+\dfrac{1}{\mathrm{FR}\cdot\mathrm{FS}}$ の値は一定である. (終)

問題≪放物線の準線の特徴付け≫

 放物線 $y^2 = 4px$ の $2$ 本の接線が互いに直交しながら動くとき, 交点の軌跡を求めよ.

解答例

 放物線 $y^2 = 4px \cdots [1]$ は $x$ 軸に平行な接線を持たないことに注意する.
$m \neq 0$ として, 直線 $y = mx+n \cdots [2]$ が $[1]$ に接するとする.
このとき, $[1],$ $[2]$ から $y$ を消去して得られる $x$ の $2$ 次方程式 $$mx^2+2(mn-2p)x+n^2 = 0$$ は重解を持つから, その判別式 $D$ について, \begin{align*} 0 = \frac{D}{4} &= (mn-2p)^2-m^2n^2 \\ &= 4p(p-mn) \end{align*} より, $$n = \frac{p}{m}.$$ よって, 傾きが $m$ である $[1]$ の接線の方程式は, $$y = mx+\frac{p}{m} \cdots [3].$$ $[3]$ に垂直な $[1]$ の接線の方程式は, $[3]$ において $m$ を $-\dfrac{1}{m}$ に置き換えると, $$y = -\frac{1}{m}-mp \cdots [4].$$ $[3],$ $[4]$ から $y$ を消去すると, $$\left( m+\frac{1}{m}\right) x = -p\left( m+\frac{1}{m}\right)$$ より, $m+\dfrac{1}{m} = \dfrac{1}{m}(m^2+1) \neq 0$ に注意すると, $$x = -p$$ となる. これは, $[3],$ $[4]$ の交点が直線 $x = -p$ 上にあることを意味する.
ゆえに, 放物線 $[1]$ に直交する接線の交点の軌跡は, 直線 $x = -p$ すなわち $[1]$ の準線である.

楕円

問題≪楕円の原点を通る弦の長さに関する定量問題≫

 $a,$ $b$ を正の数とし, $\mathrm O$ を原点とする. 楕円 $C:\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2} = 1$ の周上の点 $\mathrm P,$ $\mathrm Q$ が $\mathrm{OP} \perp \mathrm{OQ}$ を満たすとき, $\dfrac{1}{\mathrm{OP}^2}+\dfrac{1}{\mathrm{OQ}^2}$ の値は $\mathrm P,$ $\mathrm Q$ の取り方に依らず一定であることを示せ.

解答例

 原点 $\mathrm O$ を極として極座標表示された点 $\mathrm P(r\cos\theta,\ r\sin\theta )$ が楕円 $C:b^2x^2+a^2y^2 = a^2b^2$ 上にあるとすると, $r^2(b^2\cos ^2\theta +a^2\sin ^2\theta ) = a^2b^2$ より, $$\mathrm{OP}^2 = r^2 = \frac{a^2b^2}{b^2\cos ^2\theta +a^2\sin ^2\theta} \cdots [1].$$ $C$ 上の点 $\mathrm Q$ が $\mathrm{OP} \perp \mathrm{OQ}$ を満たすとき, 点 $\mathrm Q$ の座標は $(-s\sin\theta,\ s\cos\theta )$ と表せるから, 同様にして, $$\mathrm{OQ}^2 = \frac{a^2b^2}{b^2\sin ^2\theta +a^2\cos ^2\theta} \cdots [2].$$ $[1],$ $[2]$ より \begin{align*} &\frac{1}{\mathrm{OP}^2}+\frac{1}{\mathrm{OQ}^2} \\ &= \frac{b^2\sin ^2\theta +a^2\cos ^2\theta}{a^2b^2}+\frac{b^2\cos ^2\theta +a^2\sin ^2\theta}{a^2b^2} \\ &= \frac{a^2(\cos ^2\theta +\sin ^2\theta )+b^2(\cos ^2\theta +\sin ^2\theta )}{a^2b^2} \\ &= \frac{a^2+b^2}{a^2b^2} \end{align*} となるから, $\dfrac{1}{\mathrm{OP}^2}+\dfrac{1}{\mathrm{OQ}^2}$ の値は一定である. (終)

問題≪楕円の焦点を通る弦の長さに関する定量問題≫

 楕円の $1$ つの焦点を通る弦 $\mathrm{PQ},$ $\mathrm{RS}$ が互いに直交するとき, $\dfrac{1}{\mathrm{PQ}}+\dfrac{1}{\mathrm{RS}}$ の値は $\mathrm{PQ},$ $\mathrm{RS}$ の取り方に依らず一定であることを示せ.

解答例

 $\mathrm F$ を $1$ つの焦点, $g$ を準線とする離心率 $e$ の楕円 $C$ を考える. 点 $\mathrm F$ と $g$ の距離を $d$ とおく.
点 $\mathrm F$ を極として極座標表示された $C$ 上の点 $\mathrm P(r\cos\theta,\ r\sin\theta )$ から $g$ に下ろした垂線の足を $\mathrm H$ とおくと, $e = \dfrac{\mathrm{FP}}{\mathrm{PH}}$ より $$d = r\cos\theta +\mathrm{PH} = r\cos\theta+\frac{r}{e}$$ だから, $$r = \frac{de}{1+e\cos\theta}.$$ $C$ の弦 $\mathrm{PQ}$ が点 $\mathrm F$ を通るとき, \begin{align*} \mathrm{PQ} &= \frac{de}{1+e\cos\theta}+\frac{de}{1+e\cos (\theta +\pi )} \\ &= \frac{de}{1+e\cos\theta}+\frac{de}{1-e\cos\theta} \\ &= \frac{de((1-\cos\theta )+(1+\cos\theta ))}{(1+e\cos\theta )(1-e\cos\theta )} \\ &= \frac{2de}{1-e^2\cos ^2\theta} \cdots [1]. \end{align*} $C$ の弦 $\mathrm{RS}$ が $\mathrm{PQ}$ に直交するとき, $[1]$ において $\theta$ を $\theta +\dfrac{\pi}{2}$ に置き換えると, $$\mathrm{RS} = \frac{2de}{1-e^2\sin ^2\theta} \cdots [2].$$ $[1],$ $[2]$ より, \begin{align*} \frac{1}{\mathrm{PQ}}+\frac{1}{\mathrm{RS}} &= \frac{1-e^2\cos^2\theta}{2de}+\frac{1-e^2\sin ^2\theta}{2de} \\ &= \frac{2-e^2}{2de} \end{align*} となるから, $\dfrac{1}{\mathrm{PQ}}+\dfrac{1}{\mathrm{RS}}$ の値は一定である. (終)

別解

 $a > b > 0$ として楕円 $C:\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2} = 1$ を考えても一般性を失わない.
$c = \sqrt{a^2-b^2}$ とおいて $\mathrm F(c,\ 0)$ を $C$ の $1$ つの焦点とする.
$C$ の弦 $\mathrm{PQ}$ が点 $\mathrm F$ を通るとする.
$r = \mathrm{FP},$ $\theta = \angle\mathrm{PF}x$ とおくと, 直線 $\mathrm{PQ}$ 上の点の $x$ 座標, $y$ 座標は $$x = c+r\cos\theta \cdots [1], \quad y = r\sin\theta \cdots [2].$$ と表せる. $[1],$ $[2]$ を $C$ の方程式 $b^2x^2+a^2y^2 = a^2b^2$ に代入すると, $b^2(c+r\cos\theta )^2+a^2r^2\sin ^2\theta = a^2b^2$ より, $$(a^2\sin ^2\theta +b^2\cos ^2\theta )r^2+2b^2c(\cos\theta )r-b^4 = 0.$$ この $r$ に関する $2$ 次方程式の解を $\alpha,$ $\beta$ とおくと, \begin{align*} \mathrm{PQ}^2 &= (\alpha -\beta )^2 = (\alpha +\beta )^2-4\alpha\beta \\ &= \frac{4b^4c^2\cos ^\theta+4b^4(a^2\sin ^2\theta +b^2\cos ^2\theta )}{(a^2\sin ^2\theta +b^2\cos ^2\theta )^2} \\ &= \frac{4a^2b^4}{(a^2\sin ^2\theta +b^2\cos ^2\theta )^2}. \\ \therefore\mathrm{PQ} &= \frac{2ab^2}{a^2\sin ^2\theta +b^2\cos ^2\theta} \cdots [1]. \end{align*} $C$ の弦 $\mathrm{RS}$ が $\mathrm{PQ}$ に直交するとき, $[1]$ において $\theta$ を $\theta +\dfrac{\pi}{2}$ に置き換えると, $$\therefore\mathrm{RS} = \frac{2ab^2}{a^2\cos ^2\theta +b^2\sin ^2\theta} \cdots [2].$$ $[1],$ $[2]$ より \begin{align*} \frac{1}{\mathrm{PQ}}\! +\!\frac{1}{\mathrm{RS}} &= \frac{a^2\cos ^2\theta\! +\! b^2\sin ^2\theta}{2ab^2}\! +\!\frac{a^2\cos ^2\theta\! +\! b^2\sin ^2\theta}{2ab^2} \\ &= \frac{a^2+b^2}{2ab^2} \end{align*} となるから, $\dfrac{1}{\mathrm{PQ}}+\dfrac{1}{\mathrm{RS}}$ の値は一定である. (終)

問題≪楕円の接線の長さの最小値≫

 $a,$ $b$ を正の数とする. 楕円 $\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2} = 1$ の接線が座標軸により切り取られてできる線分の長さの最小値を求めよ.

解答例

 $0 < \theta < \dfrac{\pi}{2}$ とする. 楕円 $\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2} = 1 \cdots [1]$ の点 $(a\cos\theta,\ b\sin\theta )$ における接線の方程式は, $\dfrac{a\cos\theta}{a^2}x+\dfrac{b\sin\theta}{b^2}y = 1$ より, $$\frac{\cos\theta}{a}x+\frac{\sin\theta}{b}y = 1 \cdots [2].$$ よって, $[1],$ $[2]$ は点 $\mathrm P\left(\dfrac{a}{\cos\theta},\ 0\right),$ $\mathrm Q\left( 0,\ \dfrac{b}{\sin\theta}\right)$ で交わる.
相加・相乗平均の関係より, \begin{align*} \mathrm{PQ}^2 &= \frac{a^2}{\cos ^2\theta}+\frac{b^2}{\sin ^2\theta} \cdots [3] \\ &= a^2(1+\tan ^2\theta )+b^2\left( 1+\frac{1}{\tan ^2\theta}\right) \\ &= a^2+b^2+a^2\tan ^2\theta +\frac{b^2}{\tan ^2\theta} \\ &\geqq a^2+b^2+2\sqrt{a^2\tan ^2\theta\cdot\frac{b^2}{\tan ^2\theta}} \\ &= a^2+b^2+2ab \quad (\because a > 0,\ b > 0) \\ &= (a+b)^2. \end{align*} 等号は $a^2\tan ^2\theta = \dfrac{b^2}{\tan ^2\theta}$ すなわち $\tan\theta = \pm\sqrt{\dfrac{b}{a}}$ のとき成り立つ.
ゆえに, 線分 $\mathrm{PQ}$ の長さの最小値は, $a+b.$

別解: $[3]$ 以下, 微分による方法

 $[3]$ の右辺を $f(\theta ),$ $c = \cos\theta,$ $s = \sin\theta$ とおく. \begin{align*} f'(\theta ) &= -2\cdot\frac{a^2}{c^3}\cdot (-s)-2\cdot\frac{b^2}{s^3}\cdot c \\ &= \frac{2(a^2s^4-b^2c^4)}{s^3c^3} \\ &= \frac{2(\sqrt as-\sqrt bc)(\sqrt as+\sqrt bc)(as^2+bc^2)}{s^3c^3}. \end{align*} より, $$f'(\theta ) \geqq 0 \iff \sqrt as-\sqrt bc \geqq 0 \iff \tan\theta \geqq \sqrt{\frac{b}{a}}$$ となるから, $f(\theta )$ の増減表は次のようになる.
$\theta$$(0)$$\cdots$$\cdots$$\left(\dfrac{\pi}{2}\right)$
$\tan\theta$$\cdots$$\sqrt{\dfrac{b}{a}}$$\cdots$
$f'(\theta )$$-$$0$$+$
$f(\theta )$$\searrow$極小$\nearrow$
よって, ゆえに, $\tan\theta = \sqrt{\dfrac{b}{a}}$ のときすなわち $\cos\theta = \sqrt a,$ $\sin\theta = \sqrt b$ のとき, 線分 $\mathrm{PQ}$ の長さは最小値 \[\dfrac{a^2}{(\sqrt a)^2}+\dfrac{b^2}{(\sqrt b)^2} = a+b\] をとる.

別解: 接線の方程式を $y = mx+n$ とおく方法

 楕円 $\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2} = 1 \cdots [1]$ に直線 $y = mx+n \cdots [2]$ が接するとする.
このとき, $[1],$ $[2]$ から $y$ を消去して得られる $x$ の $2$ 次方程式 $$(a^2m^2+b^2)x^2+2a^2mnx+a^2(n^2-b^2) = 0$$ は重解を持ち, その判別式 $D$ について \begin{align*} 0 = \frac{D}{4} &= a^4m^2n^2-(a^2m^2+b^2)a^2(n^2-b^2) \\ &= a^2b^2(a^2m^2+b^2-n^2) \end{align*} となるから, $a > 0,$ $b > 0$ に注意すると, $$n = \sqrt{a^2m^2+b^2}.$$ よって, $[2]$ の接線の方程式は, $$y = mx+\sqrt{a^2m^2+b^2} \cdots [2]'$$ となる. $[2]'$ が座標軸と交わるとき, $m \neq 0.$
また, $[1]$ は各座標軸に関して対称だから, $[1],$ $[2]'$ は第 $1$ 象限で接するとしても一般性を失わない.
このとき, $m < 0$ であることに注意すると, $[2]'$ と座標軸は点 $\mathrm P\left( -\dfrac{\sqrt{a^2m^2+b^2}}{m},\ 0\right),$ $\mathrm Q(0,\ \sqrt{a^2m^2+b^2})$ で交わる.
相加・相乗平均の関係より, \begin{align*} \mathrm{PQ}^2 &= \frac{a^2m^2+b^2}{m^2}+a^2m^2+b^2 \\ &= a^2+b^2+a^2m^2+\frac{b^2}{m^2} \\ &\geqq a^2+b^2+2\sqrt{a^2m^2\cdot\frac{b^2}{m^2}} \\ &= a^2+b^2+2ab \quad (\because a > 0,\ b > 0) \\ &= (a+b)^2. \end{align*} $m < 0$ より, 等号は $a^2m^2 = \dfrac{b^2}{m^2}$ すなわち $m = -\sqrt{\dfrac{b}{a}}$ のとき成り立つ.
ゆえに, 線分 $\mathrm{PQ}$ の長さの最小値は, $a+b.$

解説≪条件付き多変数関数の極値≫

 高校の範囲を超えるが, このような条件付き多変数関数の極値を求める有力な方法として, ラグランジュの未定乗数法がある.

問題≪楕円に外接する長方形≫

 長方形が楕円 $\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2} = 1$ に $4$ 点で外接するとき,
(1)
対角線の長さ $L$ は長方形の取り方に依らず一定であることを示せ.
(2)
面積 $S$ の最大値, 最小値を求めよ.

解答例

 楕円 $\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2} = 1 \cdots [1]$ に外接する長方形を $Q$ とおく.
(1)
(i)
$Q$ の辺が座標軸と平行なとき. $Q$ の頂点の座標は $(\pm a,\ \pm b)$ (複号任意)だから, $$L = 2\sqrt{a^2+b^2}.$$
(ii)
$Q$ の辺が座標軸と平行でないとき. $Q$ の辺を含む直線はある定数 $m \neq 0,$ $n$ を用いて $$y = mx+n \cdots [2]$$ と表せる. $[1]$ と $[2]$ は唯 $1$ 点で交わるから, $[1]$ と $[2]$ から $y$ を消去して得られる $2$ 次方程式 $$\frac{x^2}{a^2}+\frac{(mx+n)^2}{b^2} = 1$$ すなわち $$(a^2m^2+b^2)x^2+2a^2mnx+a^2(n^2-b^2) = 0$$ は重解を持つ. よって, その判別式を $D$ とおくと, $$\frac{D}{4} = a^4m^2n^2-(a^2m^2+b^2)a^2(n^2-b^2) = 0.$$ 整理すると $a^2b^2(a^2m^2+b^2-n^2) = 0$ となるから, $a \neq 0,$ $b \neq 0$ に注意すると, $$n = \pm\sqrt{a^2m^2+b^2}.$$ よって, $[2]$ は $$y = mx\pm\sqrt{a^2m^2+b^2} \cdots [3]_\pm$$ と表せる. $[3]_\pm$ に直交する辺を含む直線の傾きは $-\dfrac{1}{m}.$ よって, もう $2$ 本の直線の方程式は, $[3]_\pm$ において $m$ を $-\dfrac{1}{m}$ で置き換えて得られるから, $$y = -\frac{1}{m}x\pm\sqrt{\frac{a^2}{m^2}+b^2} \cdots [4]_\pm.$$ $[3]_+$ と $[3]_-$ も, $[4]_+$ と $[4]_-$ も原点対称だから, $Q$ も原点対称である. よって, $Q$ の $2$ 本の対角線は原点 $\mathrm O$ を通る. したがって, $[3]_+,$ $[4]_+$ の交点を $\mathrm P$ とおくと, $$L = 2\mathrm{OP}.$$ また, 点 $\mathrm O$ から $[3]_+,$ $[4]_+$ までの距離をそれぞれ $d_3,$ $d_4$ とおくと, \begin{align*} d_3 &= \frac{\sqrt{a^2m^2+b^2}}{\sqrt{1+m^2}}, \\ d_4 &= \frac{\sqrt{\dfrac{a^2}{m^2}+b^2}}{\sqrt{1+\dfrac{1}{m^2}}} = \frac{\sqrt{a^2+b^2m^2}}{\sqrt{1+m^2}}. \end{align*} よって, \begin{align*} \mathrm{OP}^2 &= d_3{}^2+d_4{}^2 \\ &= \frac{(a^2m^2+b^2)+(a^2+b^2m^2)}{1+m^2} \\ &= a^2+b^2. \end{align*} ゆえに, $$L = 2\sqrt{a^2+b^2}.$$
(i), (ii) より, $L$ は一定である.
(2)
(i)
$Q$ の辺が座標軸と平行なとき. $Q$ の隣り合う $2$ 辺の長さは $2a,$ $2b$ だから, $S = 4ab.$
(ii)
$Q$ の辺が座標軸と平行でないとき. $Q$ の隣り合う $2$ 辺の長さは $2d_3,$ $2d_4$ だから, \begin{align*} \frac{S^2}{16} &= d_3{}^2d_4{}^2 = \frac{(a^2m^2+b^2)(a^2+b^2m^2)}{(1+m^2)^2} \\ &= \frac{a^2b^2m^4+(a^4+b^4)m^2+a^2b^2}{(m^2+1)^2}. \end{align*} $t = m^2,$ $f(t) = \dfrac{a^2b^2t^2+(a^4+b^4)t+a^2b^2}{(t+1)^2}$ とおく. このとき, $t \geqq 0$ であり, $$f'(t) = \frac{-(a^2-b^2)^2(t-1)}{(t+1)^3}$$ となるから, $f(t)$ の増減表は次のようになる.
$t$($0$)$\cdots$$1$$\cdots$
$f'(t)$$+$$0$$-$
$f(t)$$\nearrow$極大$\searrow$
$f(0) = \lim\limits_{t \to \infty}f(t) = a^2b^2$ だから, $S = 4\sqrt{f(t)}$ は $t = 1$ のとき最大値 $4\sqrt{f(1)} = 2(a^2+b^2),$ $t = 0$ のとき最小値 $4\sqrt{f(0)} = 4ab$ をとる.
(i), (ii) より, $S$ は最大値 $2(a^2+b^2),$ 最小値 $4ab$ をとる.

問題≪球の影の面積≫

 $xyz$ 空間において, 点 $\mathrm A(0,\ 1,\ 3)$ を通り球 $B:x^2+y^2+(z-1)^2 = 1$ に接する直線と $xy$ 平面の交点全体が表す図形によって囲まれた領域の面積 $S$ を求めよ.

解答例

 点 $\mathrm A$ を通り球 $B$ に接する直線が $xy$ 平面と点 $\mathrm P(x,\ y,\ 0)$ で交わるとする.
その接点を $\mathrm T$ とおくと, ある実数 $t$ に対して, \begin{align*} \overrightarrow{\mathrm{OT}} &= (1-t)\overrightarrow{\mathrm{OA}}+t\overrightarrow{\mathrm{OP}} \\ &= (1-t)(0,\ 1,\ 3)+t(x,\ y,\ 0) \\ &= \big( tx,\ t(y-1)+1,\ 3-3t\big). \end{align*} 点 $\mathrm T$ は球 $B$ 上にあるから, $$(tx)^2+\big( t(y-1)+1\big) ^2+(2-3t)^2 = 1.$$ 展開して $t$ について整理すると, $$\big( x^2+(y-1)^2+9\big) t^2+2(y-7)t+4 = 0.$$ この $2$ 次方程式は重解を持つから, その判別式を $D$ とおくと, $$\frac{D}{4} = (y-7)^2-4\big( x^2+(y-1)^2+9\big) = 0.$$ よって, $-4x^2-3y^2-6y+9 = 0$ より, $4x^2+3(y+1)^2 = 12$ だから, $$\frac{x^2}{(\sqrt 3)^2}+\frac{(y+1)^2}{2^2} = 1.$$ ゆえに, 点 $\mathrm P$ 全体は長軸 $2\cdot 2,$ 短軸 $2\sqrt 3$ の楕円を描くから, それによって囲まれる領域の面積は $$S = 2\sqrt 3\pi.$$

問題≪楕円に内接する三角形の面積の最大値≫

 $p,$ $q$ を正の数とする. 楕円 $\dfrac{x^2}{p^2}+\dfrac{y^2}{q^2} = 1$ に内接する三角形の面積の最大値を求めよ.

解答例

 楕円 $C':\dfrac{x^2}{p^2}+\dfrac{y^2}{q^2} = 1$ は 円 $C:x^2+y^2 = 1$ を $x$ 軸方向に $p$ 倍, $y$ 軸方向に $q$ 倍した図形だから, $C,$ $C'$ に内接する三角形の面積の最大値をそれぞれ $M,$ $M'$ とおくと, $$M' = pqM.$$ そこで, 円 $C$ に内接する三角形 $\mathrm{ABC}$ の面積 $S$ の最大値 $M$ を求める.
正弦定理より $$\frac{\mathrm{AC}}{\sin B} = \frac{\mathrm{AB}}{\sin C} = 2 \cdots [1]$$ だから, \begin{align*} S &= \frac{1}{2}\mathrm{AB}\cdot\mathrm{AC}\sin A = \sin A\cdot 2\sin B\sin C \\ &= \sin A\big(\cos (B-C)-\cos (B+C)\big) \\ &= \sin A\big(\cos (B-C)+\cos A\big) \quad (\because B+C = \pi -A). \end{align*} 点 $\mathrm A$ を固定すると, $\cos (B-C) = 1$ すなわち $B = C$ のとき $S$ は最大となる. よって, $$S \leqq \sin A(1+\cos A) = \sin A+\frac{1}{2}\sin 2A.$$ 右辺を $f(A)$ とおくと, \begin{align*} f'(A) &= \cos A+\cos 2A = 2\cos ^2A+\cos A-1 \\ &= (\cos A+1)(2\cos A-1) \end{align*} より, $$f'(A) \geqq 0 \iff 2\cos A-1 \geqq 0 \iff A \leqq \frac{\pi}{3}$$ となるから, $f(A)$ の増減表は次のようになる.
$A$($0$)$\cdots$$\dfrac{\pi}{3}$$\cdots$$(\pi )$
$f'(A)$$+$$0$$-$
$f(A)$$\nearrow$極大$\searrow$
よって, $f(A)$ は $A = \dfrac{\pi}{3}$ のとき最大値をとるから, $S$ は $A = B = C = \dfrac{\pi}{3}$ すなわち $\triangle\mathrm{ABC}$ が正三角形のとき最大値 $$M = 2\left(\sin\frac{\pi}{3}\right)^3 = \frac{3\sqrt 3}{4}$$ をとる. ゆえに, 求める最大値は, $$M' = \frac{3\sqrt 3}{4}pq.$$

別解: 単位円に内接する三角形 $\mathrm{ABC}$ の面積 $S$ の最小値 $M$ を $3$ 数の相加・相乗平均の関係から求める

 $a = \mathrm{BC},$ $b = \mathrm{CA},$ $c = \mathrm{AB}$ とおく. 正弦定理より $$\sin A = \frac{a}{2} \cdots [1]$$ だから, $$S = \frac{1}{2}bc\sin A = \frac{abc}{4}.$$ 相加・相乗平均の関係 $$\sqrt[3]{xyz} \leqq \frac{x+y+z}{3} \cdots [2]$$ を $x = a^3,$ $y = b^3,$ $z = c^3$ (いずれも正の数)に適用すると, $$abc = \sqrt[3]{a^3b^3c^3} \leqq \frac{a^3+b^3+c^3}{3} \cdots [3].$$ $[2]$ の等号成立条件は $x = y = z$ だから, $[3]$ で等号が成立するのは $a = b = c$ のときに限る.
$a = b = c$ のとき, $3$ 点 $\mathrm A,$ $\mathrm B,$ $\mathrm C$ は正三角形を成し, $[1]$ より $a = 2\sin 60^\circ = \sqrt 3$ だから, $$abc = \dfrac{3a^3}{3} = a^3 = 3\sqrt 3.$$ $[3]$ より $abc$ はこの値を超えないから, これが $abc$ の最大値である. 以上より, $S$ の最大値は, $$M = \frac{3\sqrt 3}{4}.$$ (不等式 $[2]$ の証明は省略.)

双曲線

問題≪双曲線による反射≫

 双曲線 $C:x^2-y^2 = 1$ の接線は必ず接点から $C$ の焦点を臨む角を $2$ 等分することを示せ.

解答例

 双曲線 $C$ の焦点は, $\mathrm F_+(\sqrt 2,\ 0),$ $\mathrm F_-(-\sqrt 2,\ 0).$
$C$ の点 $\mathrm P(s,\ t)$ における接線 $sx-ty = 1$ と $x$ 軸は点 $\mathrm Q\left(\dfrac{1}{s},\ 0\right)$ で交わる.
$|s| \geqq 1$ より $-\sqrt 2 < -1 \leqq \dfrac{1}{s} \leqq 1 < \sqrt 2$ だから, 点 $\mathrm Q$ は線分 $\mathrm{FF}'$ 上にある. \begin{align*} \mathrm{PF}_\pm &= \sqrt{(s\mp\sqrt 2)^2+t^2} \\ &= \sqrt{(s^2\mp 2\sqrt 2s+2)+(s^2-1)} \quad (\because s^2-t^2 = 1) \\ &= \sqrt{2s^2\mp 2\sqrt 2s+1} \\ &= |\sqrt 2s\mp 1|, \\ \mathrm F_\pm\mathrm Q &= \left|\sqrt 2\mp\frac{1}{s}\right| = \left|\frac{\sqrt 2s\mp 1}{s}\right| \end{align*} (複号同順)より, $$\frac{\mathrm{PF}_+}{\mathrm F_+\mathrm Q} = \frac{\mathrm{PF}_-}{\mathrm F_-\mathrm Q} = |s|$$ だから, $C$ の点 $\mathrm P$ における接線 $\mathrm{PQ}$ は $\angle\mathrm F_+\mathrm P\mathrm F_-$ を $2$ 等分する. (終)

問題≪漸近線で切り取られた双曲線の接線の等分≫

 双曲線 $C:\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2} = 1$ の接線が $C$ の漸近線によって切り取られてできる線分の中点は接点に一致することを示せ.

解答例

 双曲線 $C$ の漸近線は, $1$ つの方程式 $$\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2} = 0 \cdots [1]$$ で表される. $C$ の点 $\mathrm P(s,\ t)$ における接線の方程式は, $$\frac{sx}{a^2}-\frac{ty}{b^2} = 1 \cdots [2].$$ $[1],$ $[2]$ の交点を $\mathrm Q,$ $\mathrm R$ とおく.
(i)
$t = 0$ のとき. 点 $\mathrm P$ は $x$ 軸上にあり, $C$ は $x$ 軸に関して対称だから, 線分 $\mathrm{QR}$ の中点は点 $\mathrm P$ に一致する.
(ii)
$t \neq 0$ のとき. $[1],$ $[2]$ から $y$ を消去すると, $$(a^2t^2-b^2s^2)x^2+2a^2b^2sx+a^4b^2 = 0 \cdots [3].$$ また, 点 $\mathrm P$ は $C$ 上にあるから, $$\frac{s^2}{a^2}-\frac{t^2}{b^2} = 1 \cdots [4].$$ $[3],$ $[4]$ より, $a^2b^2x^2-2a^2b^2sx+a^4b^2 = 0$ だから, $$x^2-2sx+a^2 = 0 \cdots [5].$$ $t \neq 0$ より $|s| > a$ であることに注意すると, $[5]$ は確かに異なる実数解を持つ.
それを $\alpha,$ $\beta$ とおくと, 解と係数の関係より $\alpha +\beta = 2s$ だから, $$\frac{\alpha +\beta}{2} = s \cdots [6].$$ $\alpha,$ $\beta$ は点 $\mathrm Q,$ $\mathrm R$ の $x$ 座標だから, $[6]$ は線分 $\mathrm{QR}$ の中点は点 $\mathrm P$ に一致することを示している.
(i), (ii) より, 題意が示された. (終)

問題≪双曲線の準円≫

 $0 < a < b$ とする. 双曲線 $\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2} = -1$ の $2$ 本の接線が互いに直交しながら動くとき, 交点の軌跡を求めよ.

解答例

 双曲線 $\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2} = -1 \cdots [1]$ は $y$ 軸と平行な接線を持たない.
点 $\mathrm P(s,\ t)$ を通り傾きが $m$ である $[1]$ の直線の方程式は, $$y = m(x-s)+t = mx+(t-sm) \cdots [2].$$ $[2]$ が $[1]$ と接するとき, $[2]$ は $[1]$ の漸近線 $y = \pm\dfrac{b}{a}x$ と平行でないので, $m \neq \pm \dfrac{b}{a} \cdots [4]$ すなわち $b^2-a^2m^2 \neq 0$ であることに注意する.
このとき, $[1],$ $[2]$ から $y$ を消去して得られる $x$ の $2$ 次方程式 $b^2x^2-a^2\big( mx+(t-sm)\big) ^2 = -a^2b^2$ すなわち \begin{align*} (b^2-a^2m^2)x^2-2a^2m(t-sm)x & \\ +a^2\big( b^2-(t-sm)^2\big) = 0 & \cdots [3] \end{align*} は重解を持つから, その判別式 $D$ について, \begin{align*} &0 = \frac{D}{4} \\ &= a^4m^2(t-sm)^2-(b^2-a^2m^2)a^2\big( b^2-(t-sm)^2\big) \\ &= a^4m^2(t-sm)^2 \\ &\quad -a^2b^4+a^2b^2(t-sm)^2+a^4b^2m^2-a^4m^2(t-sm)^2 \\ &= a^2b^2\big( (a^2+s^2)m^2-2stm+t^2-b^2\big). \end{align*} $a \neq 0,$ $b \neq 0$ より, $$(a^2+s^2)m^2-2stm+t^2-b^2 = 0 \cdots [3].$$ $[3]$ の $m$ と異なる解を $m'$ とおく. 接線 $[2]$ と点 $\mathrm P$ を通る傾き $m'$ の接線が直交するとき, 解と係数の関係より, $$-1 = m_1m_2 = \frac{t^2-b^2}{a^2+s^2}$$ だから, $$s^2+t^2 = b^2-a^2.$$ また, $[3],$ $[4]$ より, $$t \neq \pm\frac{b}{a}s.$$ ゆえに, 双曲線 $[1]$ に直交する接線の交点の軌跡は, 円 $x^2+y^2 = b^2-a^2$ から双曲線の漸近線 $y = \pm\dfrac{b}{a}$ との交点 $4$ つを除いた図形である.

複数種の $2$ 次曲線

問題≪楕円と双曲線の直交≫

 楕円 $E:\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2} = 1$ と双曲線 $H:\dfrac{x^2}{p^2}-\dfrac{y^2}{q^2} = 1$ の焦点が一致するとき, $E,$ $H$ の交点における $E,$ $H$ の接線は直交することを示せ.

解答例

 楕円 $E$ の焦点は $(\pm\sqrt{a^2-b^2},\ 0)$ または $(0,\ \pm\sqrt{b^2-a^2})$ であり, 双曲線 $H$ の焦点は $(\pm\sqrt{p^2+q^2},\ 0)$ だから, これらが一致するのは $$a^2-b^2 = p^2+q^2 \cdots [1]$$ のときに限る. この値を $c$ とおくと, $E,$ $H$ はそれぞれ $$\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{a^2-c} = 1 \cdots [2], \quad \frac{x^2}{p^2}-\frac{y^2}{c-p^2} = 1 \cdots [3]$$ と表せる. 第 $1$ 象限における $E,$ $H$ の交点を $\mathrm T(x_0,\ y_0)$ とおくと, $[2],$ $[3]$ より, $$x_0 = \frac{ap}{\sqrt c} \cdots [4], \quad y_0 = \sqrt{\frac{(a^2-c)(c-p^2)}{c}} \cdots [5].$$ 点 $\mathrm T$ における $E,$ $H$ の接線の方程式は, $$\frac{x_0x}{a^2}+\frac{y_0y}{a^2-c} = 1 \cdots [6], \quad \frac{x_0x}{p^2}-\frac{y_0y}{c-p^2} = 1 \cdots [7].$$ よって, $[6],$ $[7]$ の法線ベクトルはそれぞれ $$\vec m = \left(\frac{x_0}{a^2},\ \frac{y_0}{a^2-c}\right), \quad \vec n = \left(\frac{x_0}{p^2},\ -\frac{y_0}{c-p^2}\right)$$ であり, \begin{align*} \vec m\cdot\vec n &= \frac{x_0{}^2}{a^2p^2}-\frac{y_0{}^2}{(a^2-c)(c-p^2)} \\ &= \frac{a^2p^2}{c}\div a^2p^2 \\ &\qquad -\frac{(a^2-c)(c-p^2)}{c}\div(a^2-c)(c-p^2) \\ &= 0 \end{align*} となるから, $[6],$ $[7]$ は直交する.
$E,$ $H$ は原点対称だから, 他の交点における接線も直交する. (終)

解説

 $2$ 本の曲線 $C,$ $C'$ が共有点 $\mathrm P$ を持ち, 点 $\mathrm P$ における $C,$ $C'$ の接線が直交するとき, $C,$ $C'$ は点 $\mathrm P$ において直交する(be orthogonal)という. 焦点を共有する楕円と双曲線は直交する $2$ 曲線の代表的な例と言える.