COMPASS

真の理解のためのシンプルな数学のノート

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不等式で表された図形

問題

不等式で表された図形

問題≪円の通過範囲≫

 $a$ が実数全体を変化するとき, 円周 $C_a:(x-a)^2+(y-a)^2 = a^2+1$ はどのような範囲を動くか.

解答例

 円周 $C_a$ の方程式は \[ a^2+2(x+y)a+(x^2+y^2-1) = 0 \quad \cdots [1]\] と同値である. よって, 任意の点 $(x,\ y)$ に対して,
点 $(x,\ y)$ がある実数 $a$ について円周 $C_a$ 上にある
$\iff$ $a$ の $2$ 次方程式 $[1]$ が実数解を持つ
$\iff$ $[1]$ の判別式 $D$ について $D \geqq 0$
$\iff$ $(x+y)^2-(x^2+y^2-1) \geqq 0$
$\iff$ $2xy \geqq -1 \quad \cdots [2].$
$[2]$ は, $x > 0$ のとき $y \geqq -\dfrac{1}{2x}$ と, $x < 0$ のとき $y \leqq -\dfrac{1}{2x}$ と同値である. また, $x = 0$ のとき, 任意の実数 $y$ は $[2]$ を満たす.
ゆえに, 円周 $C_a$ の動く範囲は, 図の塗色部で境界上の点を含む.

問題≪線形計画法≫

 材料 A, B から製品 X, Y を作る. X を $1$ 個作るためには A が $3$ 個, B が $1$ 個だけ必要であり, Y を $1$ 個作るためには A が $1$ 個, B が $4$ 個だけ必要である. A は $15$ 個, B は $16$ 個だけある. できた X を $1$ 個当たり $1$ ドル, Y を $1$ 個当たり $2$ ドルですべて売るとき, 売上の最大値を求めよ.

解答例

 製品 X, Y をそれぞれ $x$ 個, $y$ 個だけ作るとする. \[ x \geqq 0 \quad \cdots [1], \qquad y \geqq 0 \quad \cdots [2].\] このとき, 材料 A, B を使う個数について, \[ 3x+y \leqq 15 \quad \cdots [3], \qquad x+4y \leqq 16 \quad \cdots [4].\] 売り上げを $s$ ドルとおくと, \[ x+2y = s \quad \cdots [\ast ].\] よって, $s$ は $xy$ 平面上で $[1]$~$[4]$ で表された領域を通る直線 $[\ast ]$ の $y$ 切片に等しい.
直線 \[ 3x+y = 15 \quad \cdots [3]', \qquad x+4y = 16 \quad \cdots [4]'\] の交点は $(4,\ 3)$ であり, 直線 $[3]'$ $[4]',$ $[\ast ]$ の傾きを $m_3,$ $m_4,$ $m$ とおくと \[ m_3 = -3 < m = -\frac{1}{2} < m_4 = -\frac{1}{4}\] だから, $s$ は $(x,\ y) = (4,\ 3)$ のとき最大値 $4+2\cdot 3 = 10$ をとる.
ゆえに, X を $4$ 個, Y を $3$ 個だけ作るとき, 売り上げは $10$ ドルで最大になる.

問題≪対称式で表された点の軌跡, 不等式で表された領域における最大・最小≫

 $xy$ 平面上の点 $(x,\ y)$ が円板 $x^2+y^2 \leqq 1$ 上を動くとする.
(1)
$s = x+y,$ $t = xy$ を満たす $st$ 平面上の点 $(s,\ t)$ の軌跡を求めよ.
(2)
$a \geqq 0$ のとき, $xy-a(x+y)$ の最大値, 最小値を求めよ.

解答例

(1)
円板 \[ x^2+y^2 \leqq 1\] の上にある点 $(x,\ y)$ に対して $s = x+y,$ $t = xy$ とおくと, \[ x^2+y^2 = (x+y)^2-2xy\] より, \[ s^2-2t \leqq 1 \quad \cdots [1].\] また, $s,$ $t$ は方程式 $X^2-sX+t$ の実数解だから, その判別式について \[ s^2-4t \geqq 0 \quad \cdots [2].\] $[1],$ $[2]$ より, \[\frac{1}{2}s^2-\frac{1}{2} \leqq t \leqq \frac{1}{4}s^2.\] ゆえに, 求める軌跡は図の塗色部のようになる. ただし, 境界上の点を含む.
(2)
$s = x+y,$ $t = xy$ とおくと \[ xy-a(x+y) = t-as\] と表せるから, (1) で求めた $st$ 平面上の領域 $D$ を通る直線 \[ t-as = b \quad \cdots [\ast ]\] の $t$ 切片の最大値, 最小値を求めれば良い.
$D$ の境界 \[ t = \frac{1}{2}s^2-\frac{1}{2} \quad \cdots [1]', \qquad t = \frac{1}{4}s^2 \quad \cdots [2]'\] の交点は $\mathrm A\left( -\sqrt 2,\ \dfrac{1}{2}\right),$ $\mathrm B\left(\sqrt 2,\ \dfrac{1}{2}\right).$
  • 直線 $[\ast ]$ が点 $\mathrm A$ を通るとき. \[ b = \frac{1}{2}+a\sqrt 2.\]
  • 直線 $[\ast ]$ が点 $\mathrm B$ を通るとき. \[ b = \frac{1}{2}-a\sqrt 2.\]
  • 直線 $[\ast ]$ が $D$ 上で放物線 $[1]'$ に点 $\mathrm C$ で接するとき. $\dfrac{1}{2}s^2-\dfrac{1}{2} = as+b$ すなわち \[ s^2-2as-(2b+1) = 0\] は重解を持つから, \[ a^2+2b+1 = 0\] より, \[ b = -\frac{a^2+1}{2}.\] このとき, 点 $\mathrm C$ の $s$ 座標は $a$ だから, 点 $\mathrm C$ が $D$ 上にあるためには \[ 0 \leqq a \leqq \sqrt 2\] でなければならない.
ゆえに, 求める最大値は $\dfrac{1}{2}+a\sqrt 2$ であり, 最小値は $0 \leqq a \leqq \sqrt 2$ のとき $-\dfrac{a^2+1}{2},$ $a > \sqrt 2$ のとき $\dfrac{1}{2}-a\sqrt 2.$