有名問題・定理から学ぶ数学

Well-Known Problems and Theorems in Mathematics

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フラクタル図形

フラクタル図形

 フラクタル図形を厳密に定義するのは難しいが, 部分が全体に相似 (自己相似) であるような図形はフラクタル図形として広く知られている.

定理《一般化されたコッホ雪片ののべ面積》

 $p$ を $3$ 以上の整数とする. $1$ 辺の長さが $1$ の正 $p$ 角形を $K_0$ として, 次のような規則で多角形 $K_n$ $(n \geqq 0)$ を順次定めていく ($p \geqq 5$ のときは自己交差を認めた多角形を考える). 多角形 $K_n$ の各辺において, 辺を $3$ 等分する $2$ 点を頂点とするような正 $p$ 角形を $K_n$ の外側に貼り合わせ, できた多角形を $K_{n+1}$ とする. 多角形 $K_n$ ののべ面積 (重なった部分はその分だけ加算) を $S_n$ とおく. このとき, \[\lim\limits_{n \to \infty}S_n = \begin{cases} \dfrac{p}{4\tan\dfrac{\pi}{p}}\left( 1+\dfrac{p}{8-p}\right) & (3 \leqq p \leqq 7), \\ \infty & (p \geqq 8) \end{cases}\] である.
(オリジナル)

証明

 $1$ 辺の長さが $1$ の正 $p$ 角形 $K_0$ の面積は \[ S_0 = \frac{p}{4\tan\dfrac{\pi}{p}}\] である (こちらを参照). $K_n$ から $K_{n+1}$ を作るとき, $1$ 辺の長さが $\dfrac{1}{3^{n+1}}$ の正 $p$ 角形 $p(p+1)^n$ 個が貼り合わせられるから, \[ S_{n+1}-S_n = p(p+1)^n\cdot\left(\frac{1}{3^{n+1}}\right)^2S_0 = \frac{p}{9}\left(\frac{p+1}{9}\right) ^nS_0\] が成り立つ. ゆえに, 求める極限は, \[\begin{aligned} \lim\limits_{n \to \infty}S_n &= \lim\limits_{n \to \infty}S_{n+1} \\ &= \lim\limits_{n \to \infty}\left\{ S_0+\sum_{k = 0}^n(S_{k+1}-S_k)\right\} \\ &= S_0+\sum_{n = 0}^\infty (S_{n+1}-S_n) \\ &= S_0+\frac{p}{9}S_0\sum_{n = 0}^\infty\left(\frac{p+1}{9}\right) ^n \\ &= \begin{cases} S_0\left( 1+\dfrac{p}{9}\cdot\dfrac{1}{1-\dfrac{p+1}{9}}\right) & (3 \leqq p \leqq 7), \\ \infty & (p \geqq 8) \end{cases} \\ &= \begin{cases} \dfrac{p}{4\tan\dfrac{\pi}{p}}\left( 1+\dfrac{p}{8-p}\right) & (3 \leqq p \leqq 7), \\ \infty & (p \geqq 8) \end{cases} \end{aligned}\] である.
(最終更新日: $2022/06/21$)

高校数学の問題

関数と極限

問題《コッホ雪片》

 $1$ 辺の長さが $1$ の正三角形を $K_0$ として, 次のような規則で多角形 $K_n$ $(n \geqq 0)$ を順次定めていく. 多角形 $K_n$ の各辺において, 辺を $3$ 等分する $2$ 点を頂点とするような正三角形を $K_n$ の外側に貼り合わせ, できた多角形を $K_{n+1}$ とする.
(1)
多角形 $K_n$ の周の長さを $L_n$ とおく. 極限 $\lim\limits_{n \to \infty}L_n$ を求めよ.
(2)
多角形 $K_n$ の面積を $S_n$ とおく. 極限 $\lim\limits_{n \to \infty}S_n$ を求めよ.
(参考: $2010$ 北海道大ほか)

解答例

 こちらを参照.