COMPASS

真の理解のためのシンプルな数学のノート

数式を枠からはみ出さずに表示するためには, 画面を横に傾けてください(532 ピクセル以上推奨).

恒等式

問題

分数式

問題≪分数式の値≫

 $\dfrac{z-x}{(x+y)(y+z)}+\dfrac{x-y}{(y+z)(z+x)}+\dfrac{y-z}{(z+x)(x+y)}$ の値を求めよ.

解答例

\begin{align*} &\frac{z-x}{(x+y)(y+z)}+\frac{x-y}{(y+z)(z+x)}+\frac{y-z}{(z+x)(x+y)} \\ &= \frac{(z-x)(z+x)+(x-y)(x+y)+(y-z)(y+z)}{(x+y)(y+z)(z+x)} \\ &= \frac{(z^2-x^2)+(x^2-y^2)+(y^2-z^2)}{(x+y)(y+z)(z+x)} = 0. \end{align*}

別解

\begin{align*} &\frac{z-x}{(x+y)(y+z)}+\frac{x-y}{(y+z)(z+x)}+\frac{y-z}{(z+x)(x+y)} \\ &= \left(\frac{1}{x+y}-\frac{1}{y+z}\right) +\left(\frac{1}{y+z}-\frac{1}{z+x}\right) \\ &\qquad +\left(\frac{1}{z+x}-\frac{1}{x+y}\right) \\ &= 0. \end{align*}

解説

 通分による方法(解答例)の他に, 部分分数分解による方法(別解)も押さえておきたい.

恒等式

問題≪ピタゴラス数に関する恒等式≫

 $(m^2-n^2)^2+(2mn)^2 = (m^2+n^2)^2$ が成り立つことを示せ.

解答例

\begin{align*} (m^2-n^2)^2+(2mn)^2 &= (m^4-2m^2n^2+n^4)+4m^2n^2 \\ &= m^4+2m^2n^2+n^4 \\ &= (m^2+n^2)^2. \end{align*}

解説

 方程式 $a^2+b^2 = c^2$ の正の整数解は「ピタゴラス数」と呼ばれ, 正の整数 $m,$ $n\ (m > n)$ を用いて $(a,b,c) = (m^2-n^2,2mn,m^2+n^2)$ または $(2mn,m^2-n^2,m^2+n^2)$ の形に表されることが知られている.

問題≪多項式の別表現の係数≫

 次の等式を満たす定数 $a_0,$ $\cdots,$ $a_4$ の値を求めよ. \begin{align*} x^4 &= a_0+a_1x+a_2x(x-1) \\ &\quad +a_3x(x-1)(x-2)+a_4x(x-1)(x-2)(x-3). \end{align*}

解答例

 与式に $0$ から $4$ までの値を代入すると, \begin{align*} 0^4 &= a_0, \\ 1^4 &= a_0+a_1, \\ 2^4 &= a_0+2a_1+2a_2, \\ 3^4 &= a_0+3a_1+6a_2+6a_3, \\ 4^4 &= a_0+4a_1+12a_2+24a_3+24a_4. \end{align*} これを解くと, \[ a_0 = 0,\ a_1 = 1,\ a_2 = 7,\ a_3 = 6,\ a_4 = 1.\] 逆に, このとき任意の非負整数 $n$ に対して, 与式が成り立つことが右辺を展開することで分かる.
ゆえに, 求める値は上記のようになる.

問題≪等式を満たす多項式の決定≫

 $f(f(x)) = f(x^2)$ を満たす実数係数多項式 $f(x)$ を求めよ.

解答例

(I)
$f(x) = 0$ は $f(f(x)) = f(x^2)$ を満たす.
(II)
$f(x) \neq 0$ の場合. $f(x)$ の最高次の項を $ax^n\ (a \neq 0)$ とする. このとき, \begin{align*} f(f(x)) &= af(x)^n+\cdots \\ &= a(ax^n+\cdots )^n+\cdots \\ &= a((ax^n)^n+\cdots )+\cdots \\ &= a^{n+1}x^{(n^2)}+\cdots \end{align*} より, $f(f(x))$ の最高次の項は $a^{n+1}x^{(n^2)}.$
また, $f(x^2)$ の最高次の項は, $a(x^2){}^n = ax^{2n}.$
$f(f(x)) = f(x^2)$ より, これらは等しいから, \[ n^2 = 2n \quad \cdots [1], \qquad a = a^{n+1} \quad \cdots [2].\] $[1]$ より, $n(n-2) = 0$ だから,
$n = 0$ または $n = 2.$
(i)
$n = 0$ のとき. $[2]$ は自動的に成り立つ.
したがって, $f(x)$ は $0$ でない定数である.
(ii)
$n = 2$ のとき. よって, $f(x) = ax^2+bx+c$ ($b,$ $c$: 定数) とおける.
$[2]$ より, $a = a^3$ すなわち $a(a+1)(a-1) = 0$ だから, $a \neq 0$ に注意すると, \[ a = \pm 1.\] $f(f(x)) = f(x^2)$ より, \begin{align*} a(ax^2+bx+c)^2+b(x^2+bx+c)+c & \\ = ax^4+bx^2+c. & \end{align*} 右辺を展開して整理すると, \begin{align*} 2a^2bx^3+(ab^2+2a^2c+ab-b)x^2 & \\ +(2abc+b^2)x+(ac^2+bc) &= 0. \end{align*} よって, $x^3$ の係数は $2a^2b = 0$ だから, $a \neq 0$ に注意すると, \[ b = 0.\] このとき, $x^2$ の係数は $2a^2c = 0$ だから, $a \neq 0$ に注意すると, \[ c = 0.\] したがって, $f(x) = \pm x^2.$
ゆえに, $f(x)$ は定数, または $f(x) = \pm x^2.$

比例式

問題≪加比の理≫

 実数 $a,$ $b,$ $c,$ $d,$ $x,$ $y$ が $bd \neq 0,$ $\dfrac{a}{b} = \dfrac{c}{d},$ $bx+dy \neq 0$ を満たすとき, $\dfrac{ax+cy}{bx+dy}$ の値を求めよ.

解答例

 $r = \dfrac{a}{b} = \dfrac{c}{d}$ とおくと, \[ a = rb, \quad c = rd.\] このとき, \[\frac{ax+cy}{bx+dy} = \frac{rbx+rdy}{bx+dy} = \frac{r(bx+dy)}{bx+dy} = r.\] ゆえに, \[\frac{ax+cy}{bx+dy} = \frac{a}{b} = \frac{c}{d}.\]

問題≪比例式の値≫

 実数 $a,$ $b,$ $c,$ $r$ が $abc \neq 0,$ $\dfrac{a+b}{c} = \dfrac{b+c}{a} = \dfrac{c+a}{b} = r$ を満たすとき, $r$ の値を求めよ.

解答例

 与式より, \[ a+b = rc, \quad b+c = ra, \quad c+a = rb.\] 辺々を加えると $2(a+b+c) = r(a+b+c)$ より, \[ (r-2)(a+b+c) = 0.\]
(i)
$a+b+c \neq 0$ の場合. \[ r = 2.\] このとき, $a+b = 2c,$ $b+c = 2a$ より \[ a+b = 2(2a-b) = 4a-2b\] となり, $3(a-b) = 0$ となるから, \[ a = b.\] 同様にして, $b = c.$ よって, \[ 0 \neq a+b+c = 3a\] より $a \neq 0$ だから, $abc = a^3 \neq 0$ が満たされる.
(ii)
$a+b+c = 0$ の場合. \[ r = \frac{a+b}{c} = \frac{-c}{c} = -1.\] 例えば, $(a,\ b,\ c) = \left( 1,\ -\dfrac{1}{2},\ -\dfrac{1}{2}\right)$ のように, $a+b+c = 0,$ $abc \neq 0$ を満たす $a,$ $b,$ $c$ は確かに存在する.
ゆえに, $a+b+c \neq 0$ のとき $r = 2,$ $a+b+c = 0$ のとき $r = -1.$

その他

問題≪複数の値が同時に $0$ になる条件≫

 非負実数 $a,$ $b,$ $c$ が \[ (a+b+c)(ab+bc+ca) = 9abc\] を満たすとき, $a = b = c$ が成り立つことを示せ.

解答例

 後日公開.

問題≪等式を満たす数のいずれかの値≫

 $0$ でない実数 $a,$ $b,$ $c$ が $a+b+c = a^{-1}+b^{-1}+c^{-1} = 1$ を満たすとき, $a,$ $b,$ $c$ の少なくとも $1$ つは $1$ に等しいことを示せ.

解答例

 後日公開.