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真の理解のためのシンプルな数学のノート

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格子多角形

理論

格子正多角形

定義≪格子多角形≫

 座標平面上の各座標が整数である点を格子点(lattice point)と呼び, すべての頂点が格子点であるような多角形を格子多角形(lattice polygon)と呼ぶ.
 この記事では, 次の定理の証明を目標とする. 証明は高校の範囲で可能である.

定理≪格子正多角形≫

 格子正 $n$ 角形は正方形に限る.

証明 1: 辺長と角度に着目(D. G. Ball, 1973)

 明らかに, 格子正方形は存在する. 格子正 $n$ 角形が存在するとき, $n$ の正の約数 $d \geqq 3$ に対して, $n/d-1$ 個おきに頂点を結ぶと格子正 $d$ 角形が得られる. よって, 定理を証明するためには,
(A)
奇数 $n$ に対して格子正 $n$ 角形が存在しないこと
(B)
格子正八角形が存在しないこと
を示せば良い. 格子正八角形 $\mathrm P_1\cdots\mathrm P_8$ が存在するとすれば, $\angle\mathrm P_1\mathrm P_3\mathrm P_2 = \dfrac{\pi}{8}$ は格子三角形の鋭角となり, $\tan\dfrac{\pi}{8} = \sqrt 2$ は無理数である. そこで, 次の $2$ つの補題を示せば良い.
補題 A
$n \geqq 3$ を奇数とするとき, 等辺の格子 $n$ 角形は存在しない.
補題 B
すべての角 $\theta$ に対して, $\theta$ が格子三角形の鋭角であるならば, $\tan\theta$ は正の有理数である.
これらの証明は, 次の節その次の節で行う.
 角度のみに着目すれば, 次のような証明も可能である.

証明 2: 角度のみに着目

 格子正 $n$ 角形 $\mathrm P_1\cdots\mathrm P_n$ の存在を仮定する. その中心を $\mathrm O$ とおくと, 円周角の定理により \[\angle\mathrm P_1\mathrm P_3\mathrm P_2 = \frac{1}{2}\angle\mathrm P_1\mathrm{OP}_2 = \frac{\pi}{n}\] となるから, $\dfrac{\pi}{n}$ は格子三角形 $\mathrm P_1\mathrm P_2\mathrm P_3$ の鋭角となる. そこで, 次の補題を示せば良い.
補題 L
すべての格子三角形の鋭角 $\theta$ に対して, $\dfrac{\theta}{\pi}$ が有理数ならば, $\theta = \dfrac{\pi}{4}$ である.
この証明は, $3$ つ後の節で行う.
 また, 面積に着目すれば, 次のような証明も可能である.

証明 3: 面積に着目

 $1$ 辺の長さが $a$ の格子正 $n$ 角形の存在を仮定する. その面積 $S$ は \[ S = \frac{na^2}{4\tan\dfrac{\pi}{n}}\] で与えられるが(証明はこちらを参照), 三平方の定理により $a^2$ は整数であり, 格子三角形への分割を考えれば直ちに分かるように $S$ は有理数(整数か半整数)であるから, $\tan\dfrac{\pi}{n}$ は有理数である. よって, 次の補題により, $n = 4$ が成り立つ.
補題 L'
すべての鋭角 $\theta$ に対して, $\dfrac{\theta}{\pi}$ と $\tan\theta$ が有理数ならば, $\theta = \dfrac{\pi}{4}$ である.
この証明は, $3$ つ後の節で行う.

等辺の格子多角形

補題 A≪等辺の格子多角形≫

 $n \geqq 3$ を奇数とするとき, 等辺の格子 $n$ 角形は存在しない.

証明

 ある奇数 $n \geqq 3$ について, 等辺の格子 $n$ 角形が存在するとして, 矛盾を導く. そのような等辺 $n$ 角形の中で, 辺長が最小のもの $\mathrm P_1\cdots \mathrm P_n$ をとる. その辺長を $c$ とおき, $\mathrm P_{n+1} = \mathrm P_1$ として $\overrightarrow{\mathrm P_k\mathrm P_{k+1}} = (a_k,b_k)$ とおく. 仮定から, $a_k,$ $b_k$ は整数であり, \[ a_k{}^2+b_k{}^2 = c^2 \quad \cdots [1]\] が成り立つ. また, $\sum_{k = 1}^n\overrightarrow{\mathrm P_k\mathrm P_{k+1}} = \vec 0$ から, \[\sum_{k = 1}^na_k = 0, \qquad \sum_{k = 1}^nb_k = 0\] が成り立つ. 辺々の平方を加えると, $[1]$ から \begin{align*} 0 &= \sum_{k = 1}^n(a_k{}^2+b_k{}^2)+2\sum_{1 \leqq k < l \leqq n}(a_ka_l+b_kb_l) \\ &= nc^2+2\sum_{1 \leqq k < l \leqq n}(a_ka_l+b_kb_l) \end{align*} となり, \[ nc^2 = -2\sum_{1 \leqq k < l \leqq n}(a_ka_l+b_kb_l) \quad \cdots [2]\] となる. $n$ は奇数であるから, $c^2$ は偶数である. ここで, \[ (2x-1)^2 = 4x^2-4x+1 = 4x(x-1)+1\] から, 奇数の平方を $4$ で割った余りは $1$ であることに注意する.
(i)
$c^2$ が $4$ の倍数の場合. すべての $k$ について, $[1]$ と上の注意から, $a_k$ と $b_k$ は偶数である. このとき, 原点を中心とする倍率 $1/2$ の相似変換によって, 各辺の長さが $c/2$ である格子 $n$ 角形が得られる. これは $\mathrm P_1\cdots\mathrm P_n$ の最小性に反する.
(ii)
$c^2$ を $4$ で割った余りが $2$ の場合. すべての $k$ について, $[1]$ と上の注意から, $a_k$ と $b_k$ は奇数である. よって, \[\sum_{1 \leqq k < l \leqq n}(a_ka_l+b_kb_l)\] は偶数となり, $[2]$ から $c^2$ は $4$ の倍数となる. これは $c^2$ を $4$ で割った余りが $2$ であることに反する.
(i), (ii) いずれの場合にも矛盾が生じるので, $n \geqq 3$ を奇数とするとき, 等辺の格子 $n$ 角形は存在しない.

補足・問題提起

 すべての偶数 $n \geqq 4$ に対して, 等辺の格子 $n$ 角形は存在する. 実際, 格子正方形は明らかに存在する. また, 辺長が $3,$ $4,$ $5$ の直角三角形の斜辺 $4$ 本と $x$ 軸に平行な長さ $5$ の線分 $2$ 本をつなぐことによって, 等辺の格子六角形が得られる. この格子六角形の辺を同じ方向に貼り合わせていき, 最後に必要ならば辺長が $5$ の格子正方形を貼り合わせることで, すべての偶数 $n \geqq 4$ に対して, 等辺の格子 $n$ 角形($n \geqq 8$ のときは凹)を構成することができる.
 それでは, 偶数 $n \geqq 8$ に対して, 等辺で凸な格子 $n$ 角形は存在するだろうか. この問題について証明つきの解答をご存知の方, またはこの問題を解決された方は, お知らせ願いたい.

格子三角形の三角比

補題 B≪格子三角形の鋭角の正接≫

 すべての角 $\theta$ に対して, $\theta$ が格子三角形の鋭角であるならば, $\tan\theta$ は正の有理数である.

証明

 原点を $\mathrm O$ とおく. $\theta = \angle\mathrm{AOB}$ が鋭角であるような格子三角形 $\mathrm{OAB}$ について示せば良い. $x$ 軸の正方向と辺 $\mathrm{OA}$ の成す角を $\alpha$ とおく. さらに, $\dfrac{\pi}{2}$ の倍数の回転移動を行い, $x$ 軸と $y$ 軸を入れ替えても $\tan\theta$ の有理性には影響しないので, $0 \leqq \alpha < \dfrac{\pi}{2},$ $\alpha +\theta \neq \dfrac{\pi}{2}$ の場合に帰着できる. このとき, 加法定理により, \[\tan\theta = \tan (\alpha +\theta -\alpha ) = \frac{\tan (\alpha +\theta )-\tan\alpha}{1+\tan (\alpha +\theta )\tan\alpha}\] となる. 点 $\mathrm A,$ $\mathrm B$ の座標を $(a,c),$ $(b,d)$ とおくと, $\tan\alpha = \dfrac{c}{a},$ $\tan (\alpha +\theta ) = \dfrac{d}{b}$ となるが, $a,$ $b,$ $c,$ $d$ は整数なのでこれらの値は有理数である. ゆえに, $\tan\theta$ は有理数である.

補足

 補題 B の逆も明らかに成り立つ.
 以上で, 定理の第 $1$ の証明が完了した. 次の命題は, 三角形が格子三角形であるか否かの判定に有用であり, 補題 L の証明に使われる.

命題≪円周率の有理数倍の余弦が有理数になる条件≫

 すべての鋭角 $\theta$ に対して, $\cos\theta$ と $\dfrac{\theta}{\pi}$ が有理数であるならば, $\theta = \dfrac{\pi}{3}$ である.

証明

 こちらを参照. 

格子三角形の角度

補題 L≪格子三角形の角度≫

 すべての格子三角形の鋭角 $\theta$ に対して, $\dfrac{\theta}{\pi}$ が有理数であるならば, $\theta = \dfrac{\pi}{4}$ である.

証明

(i)
$0 < \theta < \dfrac{\pi}{4}$ のとき. 補題 B により $\tan\theta$ の有理数であるから \[\cos 2\theta = 2\cos ^2\theta -1 = \frac{2}{1+\tan ^2\theta}-1\] は有理数である. よって, $\dfrac{2\theta}{\pi}$ が有理数になるとすれば $2\theta = \dfrac{\pi}{3}$ の場合に限るが, \[\tan 2\theta = \frac{2\tan\theta}{1-\tan ^2\theta}\] は有理数であり, $\tan\dfrac{\pi}{3} = \sqrt 3$ は無理数であるから, 上記の命題によりこれは起こり得ない. したがって, $\dfrac{2\theta}{\pi}$ は無理数であるから, $\dfrac{\theta}{\pi}$ は無理数である.
(ii)
$\tan\dfrac{\pi}{4} = 1$ は有理数である.
(iii)
$\dfrac{\pi}{4} < \theta < \dfrac{\pi}{2}$ のとき. $\theta' = \dfrac{\pi}{2}-\theta$ とおく. このとき, $0 < \theta' < \dfrac{\pi}{4}$ であり, 補題 B により $\tan\theta$ は有理数であるので \[\tan\theta' = \frac{1}{\tan\theta}\] も有理数となる. よって, (i) で示したことから $\dfrac{\theta'}{\pi}$ は無理数である. したがって, $\dfrac{\theta}{\pi} = \dfrac{1}{2}-\dfrac{\theta'}{\pi}$ もまた無理数である.
(i)~(iii) から, $\dfrac{\theta}{\pi}$ が有理数ならば, $\theta = \dfrac{\pi}{4}$ である.
 以上で, 定理の第 $2$ の証明が完了した.

補題 L'≪円周率の有理数倍の正接が有理数になる条件≫

 すべての鋭角 $\theta$ に対して, $\dfrac{\theta}{\pi}$ と $\tan\theta$ が有理数であるならば, $\theta = \dfrac{\pi}{4}$ である.

証明

 補題 B の逆と補題 L から直ちに従う.
 以上で, 定理の第 $3$ の証明が完了した.

問題

数学 I: 図形と計量

問題≪格子点を結ぶ正三角形の非存在: 辺長に着目≫

(1)
$(ac+bd)^2+(ad-bc)^2$ を因数分解せよ.
(2)
すべての頂点の各座標が整数であるような正三角形は存在しないことを示せ. $\sqrt 3$ が無理数であることは, 証明なしに用いて良い.

解答例

(1)
与式を展開して整理すると \begin{align*} &(ac+bd)^2+(ad-bc)^2 \\ &= (a^2c^2+2abcd+b^2d^2)+(a^2d^2-2abcd+b^2c^2) \\ &= (a^2+b^2)(c^2+d^2) \quad \cdots [1] \end{align*} となる.
(2)
すべての頂点の各座標が整数であるような正三角形の存在を仮定する. このとき, 必要に応じて各頂点を平行移動すると, ある整数 $a,$ $b,$ $c,$ $d$ について $\mathrm O(0,\ 0),$ $\mathrm P(a,\ b),$ $\mathrm Q(c,\ d)$ を頂点とする正三角形が得られる. $\mathrm{OP} = \mathrm{OQ}$ つまり $\mathrm{OP}^2 = \mathrm{OQ}^2$ から, \[ a^2+b^2 = c^2+d^2 \quad \cdots [2]\] が成り立つ. さらに, $\mathrm{OQ} = \mathrm{PQ}$ つまり $\mathrm{OQ}^2 = \mathrm{PQ}^2$ から \begin{align*} c^2+d^2 &= (a-c)^2+(b-d)^2 \\ &= a^2+b^2+c^2+c^2-2(ac+bd) \end{align*} が成り立つので, \[ ac+bd = \frac{1}{2}(a^2+b^2) \quad \cdots [3]\] が得られる. $[2],$ $[3]$ を $[1]$ に代入すると, $(a^2+b^2)^2 = \dfrac{1}{4}(a^2+b^2)+(ad-bc)^2$ となるから, \[ 3(a^2+b^2)^2 = 4(ad-bc)^2\] となる. よって, $\sqrt 3(a^2+b^2) = 2|ad-bc|$ から, \[\sqrt 3 = \frac{2|ad-bc|}{a^2+b^2}\] となる. 右辺の分母, 分子は整数であるから, これは $\sqrt 3$ が無理数であることに反する. ゆえに, すべての頂点の各座標が整数であるような正三角形は存在しない.

補足

 $[1]$ を「ラグランジュの恒等式」(Lagrange's identity)と呼ぶ.

数学 B: ベクトル

問題≪格子点を結ぶ正三角形の非存在: 面積に着目≫

(1)
$\triangle\mathrm{OPQ}$ について, $\overrightarrow{\mathrm{OP}} = (a,\ b),$ $\overrightarrow{\mathrm{OQ}} = (c,\ d)$ のとき, \[\triangle\mathrm{OPQ} = \frac{1}{2}|ad-bc|\] が成り立つことを示せ.
(2)
すべての頂点の各座標が整数であるような正三角形は存在しないことを示せ. $\sqrt 3$ が無理数であることは, 証明なしに用いて良い.

解答例

(1)
三角形の面積の公式をベクトルの内積を用いて書き直し, 変形すると, \begin{align*} \triangle\mathrm{OPQ} &= \frac{1}{2}\mathrm{OP}\cdot\mathrm{OQ}\sin\angle\mathrm{POQ} \\ &= \frac{1}{2}|\overrightarrow{\mathrm{OP}}||\overrightarrow{\mathrm{OQ}}|\sqrt{1-\cos ^2\angle\mathrm{POQ}} \\ &= \frac{1}{2}|\overrightarrow{\mathrm{OP}}||\overrightarrow{\mathrm{OQ}}|\sqrt{1-\left(\frac{\overrightarrow{\mathrm{OP}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OQ}}}{|\overrightarrow{\mathrm{OP}}||\overrightarrow{\mathrm{OQ}}|}\right) ^2} \\ &= \frac{1}{2}\sqrt{|\overrightarrow{\mathrm{OP}}|^2|\overrightarrow{\mathrm{OQ}}|^2-({\overrightarrow{\mathrm{OP}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OQ}}})^2} \\ &= \frac{1}{2}\sqrt{(a^2+b^2)(c^2+d^2)-(ac+bd)^2} \\ &= \frac{1}{2}\sqrt{(ad-bc)^2} = \frac{1}{2}|ad-bc| \quad \cdots [1] \end{align*} となる.
(2)
すべての頂点の各座標が整数であるような正三角形 $\mathrm{OPQ}$ の存在を仮定する. $\overrightarrow{\mathrm{OP}} = (a,\ b),$ $\overrightarrow{\mathrm{OQ}} = (c,\ d)$ とおく. このとき, $[1]$ が成り立つ. また, $\triangle\mathrm{OPQ}$ が正三角形であることから, \[\triangle\mathrm{OPQ} = \frac{1}{2}\mathrm{OP}^2\sin 60^\circ = \frac{\sqrt 3}{4}(a^2+b^2) \quad \cdots [2]\] が得られる. よって, $[1],$ $[2]$ から, \[\sqrt 3 = \frac{2|ad-bc|}{a^2+b^2}\] が成り立つ. $a,$ $b,$ $c,$ $d$ は整数であることから右辺は整数であるが, これは $\sqrt 3$ が無理数であることに反する. ゆえに, すべての頂点の各座標が整数であるような正三角形は存在しない.

数学 B: 数列

問題≪円周率の有理数倍の余弦が有理数になる条件≫

(1)
すべての正の整数 $n$ と定数 $\theta$ に対して, \[ f_n(2\cos\theta ) = 2\cos n\theta\] を満たし, 最高次の係数が $1$ であるような整数係数多項式 $f_n(x)$ が存在することを示せ.
(2)
最高次の係数が $1$ であるようなすべての整数係数多項式 $\varphi (x)$ に対して, $\varphi (x) = 0$ が有理数解 $\alpha$ を持つならば, $\alpha$ は整数解であることを示せ.
(3)
すべての鋭角 $\theta$ に対して, $\cos\theta$ と $\dfrac{\theta}{\pi}$ が有理数であるならば, $\theta = \dfrac{\pi}{3}$ であることを示せ.

解答例

(1)
$(n+2)\theta = (n+1)\theta +\theta,$ $n\theta = (n+1)\theta -\theta$ から, 加法定理により, \begin{align*} \cos (n+2)\theta &= \cos (n+1)\theta\cos\theta -\sin (n+1)\theta\sin\theta, \\ \cos n\theta &= \cos (n+1)\theta\cos\theta +\sin (n+1)\theta\sin\theta \end{align*} が成り立つ. よって, \[\cos (n+2)\theta = 2\cos (n+1)\theta\cos\theta -\cos n\theta \quad \cdots [1]\] が成り立つ.
(i)
$n = 1,$ $2$ のとき, 多項式 $f_1(x) = x,$ $f_2(x) = x^2-2$ が条件を満たす.
(ii)
与えられた正の整数 $n$ に対して $f_n(x),$ $f_{n+1}(x)$ の存在を仮定すると, $[1]$ から, 多項式 $f_{n+2}(x) = f_{n+1}(x)x-f_n(x)$ が \begin{align*} &f_{n+2}(2\cos\theta ) \\ &= f_{n+1}(2\cos\theta )\cdot 2\cos\theta -f_n(2\cos\theta ) \\ &= 2\cos (n+1)\theta\cdot 2\cos\theta -2\cos n\theta \\ &= 2\cos (n+2)\theta \end{align*} を満たす.
(2)
こちらを参照.
(3)
$\cos\theta$ と $\dfrac{\theta}{\pi}$ が有理数であるとする. このとき, $0$ でないある整数 $m,$ $n$ について, $\dfrac{\theta}{\pi} = \dfrac{2m}{n}$ となる. $n\theta = 2m\pi$ から $f_n(2\cos\theta ) = 2\cos n\theta = 2$ となるので, $\varphi (x) = f_n(x)-2$ とおくと, $\alpha = 2\cos\theta$ は $\varphi (x) = 0$ の解である. $\varphi (x)$ は最高次の係数が $1$ であるような整数係数多項式であるから, (2) を適用すると, $\alpha$ は整数である. $\theta$ が鋭角であることから $0 < 2\cos\theta < 2$ であるので, $2\cos\theta = 1$ から, $\theta = \dfrac{\pi}{3}$ となる.

参考文献

  • 桑田孝泰, 前田濶, 『整数と平面格子の数学』, 数学のかんどころ 28, 共立出版, 2015.