COMPASS

真の理解のためのシンプルな数学のノート

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軌跡

問題

軌跡

問題≪アポロニウスの円≫

 $2$ 点 $\mathrm A(1,\ 0),$ $\mathrm B(-2,\ 0)$ からの距離の比が $1:2$ であるような点 $\mathrm P$ の軌跡を求めよ.

解答例

 点 $\mathrm P$ の座標を $(x,\ y)$ とおく. \begin{align*} &\mathrm{AP}:\mathrm{BP} = 1:2 \\ &\iff 2\mathrm{AP} = \mathrm{BP} \\ &\iff 4\mathrm{AP}^2 = \mathrm{BP}^2 \quad (\because\mathrm{AP},\ \mathrm{BP} \geqq 0) \\ &\iff 4(x-1)^2+4y^2 = (x+2)^2+y^2 \\ &\iff 3x^2-12x+3y^2 = 0 \\ &\iff x^3-4x^2+y^2 = 0 \\ &\iff (x-2)^2+y^2 = 2^2. \end{align*} ゆえに, 求める軌跡は, 中心 $(2,\ 0),$ 半径 $2$ の円周.

問題≪三角形の重心の軌跡≫

 点 $\mathrm A(1,\ 0),$ $\mathrm B(0,\ 1)$ と円周 $x^2+y^2 = 1$ 上の点 $\mathrm P$ を結ぶ三角形 $\mathrm{ABP}$ の重心の軌跡を求めよ.

解答例

 $\mathrm P(s,\ t)$ を円周 $C:x^2+y^2 = 1$ 上の点とする. $C$ が $2$ 点 $\mathrm A,$ $\mathrm B$ を通ることに注意すると,
$3$ 点 $\mathrm A,$ $\mathrm B,$ $\mathrm P$ が三角形を成す
$\iff$ 点 $\mathrm P$ が直線 $\mathrm{AB}$ 上にない
$\iff$ $\mathrm P \neq \mathrm A,$ $\mathrm B.$
$\iff$ $(s,\ t) \neq (1,\ 0),$ $(0,\ 1) \quad \cdots [1].$
このとき, $\triangle\mathrm{ABP}$ の重心を $\mathrm G(x,\ y)$ とおくと, \[ x = \frac{s+1}{3} \quad \cdots [2], \qquad y = \frac{t+1}{3} \quad \cdots [3]\] より, \[ s = 3x-1 \quad \cdots [2]', \qquad t = 3y-1 \quad \cdots [3]'.\] 点 $\mathrm P$ は円周 $C$ 上にあるから, \[ s^2+t^2 = 1 \quad \cdots [4].\] $[2]',$ $[3]'$ を $[4]$ に代入すると, \[ (3x-1)^2+(3y-1)^2 = 1.\] 両辺を $9$ で割ると, \[\left( x-\frac{1}{3}\right) ^2+\left( y-\frac{1}{3}\right) ^2 = \left(\frac{1}{3}\right) ^2 \quad \cdots [5].\] $[1]$~$[3]$ より \[ (x,\ y) \neq \left(\frac{2}{3},\ \frac{1}{3}\right),\ \left(\dfrac{1}{3},\ \dfrac{2}{3}\right).\] 点 $\left(\dfrac{2}{3},\ \dfrac{1}{3}\right),$ $\left(\dfrac{1}{3},\ \dfrac{2}{3}\right)$ は円周 $[5]$ 上にある. ゆえに, 求める軌跡は, 点 $\left(\dfrac{1}{3},\ \dfrac{1}{3}\right)$ を中心とする半径 $\dfrac{1}{3}$ の円周から $2$ 点 $\left(\dfrac{2}{3},\ \dfrac{1}{3}\right),$ $\left(\dfrac{1}{3},\ \dfrac{2}{3}\right)$ を除いた図形.

問題≪パラメータを含む方程式で表された円の中心の軌跡≫

 方程式 \[ x^2+y^2-2ax+2(a-1)y+3a^2-3a+1 = 0 \quad \cdots [*]\] が円周を表すという条件の下で実数 $a$ が変化するとき, その中心の軌跡を求めよ.

解答例

\begin{align*} [*] &\iff x^2-2a^2+a^2+y^2-2(1-a)y+(1-a)^2 \\ &\qquad\quad = -3a^2+3a-1+a^2+(1-a)^2 \\ &\iff (x-a)^2+\big( y-(1-a)\big) ^2 = a-a^2 \end{align*} よって,
$[*]$ が円周を表す $\iff$ $a-a^2 > 0$ $\iff$ $0 < a < 1.$
このとき, 円周 $[*]$ の中心の座標を $(x,\ y)$ とおくと, \[ x = a, \quad y = 1-a\] より, \[ x+y = 1, \quad 0 < x < 1.\] ゆえに, 求める軌跡は, $2$ 点 $(1,\ 0),$ $(0,\ 1)$ を結ぶ線分から両端を除いた図形.

問題≪直線の交点の軌跡≫

 $a$ が実数全体を変化するとき, 直線 \[ ax+y = 2a \quad \cdots [1], \qquad x-ay = -2a \quad \cdots [2]\] の交点の軌跡を求めよ.

解答例

 直線 $[1],$ $[2]$ の方程式はそれぞれ \begin{align*} a(x-2)+y &= 0 \quad \cdots [1]', \\ x-a(y-2) &= 0 \quad \cdots [2]' \end{align*} と同値である.
(i)
$x \neq 2$ のとき, $[1]'$ より \[ a = -\frac{y}{x-2} \quad \cdots [3]\] だから, $[2]'$ に代入すると, \begin{align*} 0 &= x+\frac{y-2}{x-2}(y-2) \\ &= x(x-2)+y(y-2) \\ &= x^2-2x+y^2-2y \end{align*} より, \[ (x-1)^2+(y-1)^2 = 2 \quad \cdots [4].\] 逆に, 点 $(x,\ y)$ が $x \neq 2$ と $[4]$ を満たすとき, $[3]$ に対して $[1],$ $[2]$ を満たす.
(ii)
$x = 2$ のとき, $[1]$ より $y = 0$ であり, $(2,\ 0)$ も $[4]$ を満たす.
逆に, 点 $(x,\ y)$ が $x = 2$ と $[4]$ を満たすとき, $(y-1)^2 = 1$ より $y = 0,$ $2$ となるが,
点 $(2,\ 0)$ は $a = -1$ に対して $[1],$ $[2]$ を満たし,
点 $(2,\ 2)$ は $2a+2 \neq 2a,$ $2-2a \neq -2a$ より $[1],$ $[2]$ を満たさない.
ゆえに, 求める軌跡は, 円周 $(x-1)^2+(y-1)^2 = 2$ から点 $(2,\ 2)$ を除いた図形.

問題≪弦の中点の軌跡≫

 直線 $y = ax$ と円周 $(x-2)^2+y^2 = 1$ が相異なる $2$ 点で交わるように実数 $a$ が変化するとき, その交点を結ぶ線分の中点の軌跡を求めよ.

解答例

 直線 $y = ax \cdots [1]$ と円周 $C:(x-2)^2+y^2 = 1 \cdots [2]$ が共有点を持つとき, その $x$ 座標は $[1],$ $[2]$ から $y$ を消去した方程式 \[ (a^2+1)x^2-4x+3 = 0 \quad \cdots [3]\] を満たす. よって,
$[1],$ $[2]$ が相異なる $2$ 点で交わる
$\iff$ $x$ の $2$ 次方程式 $[3]$ が相異なる $2$ つの実数解を持つ
$\iff$ $[3]$ の判別式 $D$ について $D > 0$
$\iff$ $4-3(a^2+1) > 0 \quad \cdots [4].$
このとき, $[1],$ $[2]$ の交点を $\mathrm P(\alpha,\ a\alpha ),$ $\mathrm Q(\beta,\ a\beta )$ とおき, 線分 $\mathrm{PQ}$ の中点を $\mathrm M(x,\ y)$ とおくと, \[ x = \frac{\alpha +\beta}{2} = \frac{4}{a^2+1}\div 2 = \frac{2}{a^2+1} (\neq 0) \quad \cdots [5].\] また, $\mathrm P,$ $\mathrm Q$ は直線 $[1]$ 上にあるから, その中点 $\mathrm M$ も直線 $[1]$ 上にあるので, \[ y = ax.\] よって, \[ (a^2+1)x = 2, \quad a = \frac{y}{x}\] から $a$ を消去すると, \[\left(\frac{y^2}{x^2}+1\right) x = 2\] より $y^2+x^2 = 2x$ だから \[ (x-1)^2+y^2 = 1.\] また, $[4]$ より $a^2+1 < \dfrac{4}{3}$ だから, $[5]$ より \[ x = \frac{2}{a^2+1} > \frac{3}{2}.\] ゆえに, 求める軌跡は, 円周 $(x-1)^2+y^2 = 1$ の $x > \dfrac{3}{2}$ の部分.

問題≪円と直線に接する円の中心の軌跡≫

 中心 $(0,\ 3),$ 半径 $1$ の円と $x$ 軸に接する円の中心の軌跡を求めよ.

解答例

 点 $\mathrm P(x,\ y)$ を中心とする円周 $K$ が円周 $C:x^2+(y-3)^2 = 1$ と $x$ 軸に接するとする.
点 $\mathrm A(0,\ 3)$ を通り $x$ 軸に平行な直線と点 $\mathrm P$ を通り $y$ 軸に平行な直線の交点を $\mathrm Q$ とおく.
$K$ は $x$ 軸に接するから, $K$ の半径は $y (> 0)$ であり, \[\mathrm{AQ} = |x|, \quad \mathrm{PQ} = |y-3|.\]
(i)
$K$ が $C$ に内接することはない. 実際, $C$ は $x$ 軸と共有点を持たないため, $C$ に内接する円は $x$ 軸に接しないからである.
(ii)
$K$ が $C$ に外接するとき. \[\mathrm{AP} = y+1\] より, $\mathrm P \neq \mathrm Q$ のとき $\triangle\mathrm{APQ}$ に三平方の定理を適用すると, \[ |x|^2+|y-3|^2 = (y+1)^2.\] これは $\mathrm P = \mathrm Q$ のときにも成り立つ.
展開すると $x^2+y^2-6y+9 = y^2+2y+1$ だから, \[ y = \frac{x^2}{8}+1.\]
(iii)
$C$ が $K$ に内接するとき. \[\mathrm{AP} = y-1\] より, $\mathrm P \neq \mathrm Q$ のとき $\triangle\mathrm{APQ}$ に三平方の定理を適用すると, \[ |x|^2+|y-3|^2 = (y-1)^2.\] これは $\mathrm P = \mathrm Q$ のときにも成り立つ.
展開すると $x^2+y^2-6y+9 = y^2-2y+1$ だから, \[ y = \frac{x^2}{4}+2.\]
(i)~(iii) より, 求める軌跡は, $2$ 本の放物線 $y = \dfrac{x^2}{8}+1,$ $y = \dfrac{x^2}{4}+2$ の和集合.

問題≪直線の円に関する反転≫

 $\mathrm O$ を原点とする. 直線 $x+y = 1$ 上の点 $\mathrm P$ と半直線 $\mathrm{OP}$ 上の点 $\mathrm Q$ が $\mathrm{OP}\cdot\mathrm{OQ} = 2$ を満たすとき, 点 $\mathrm Q$ の軌跡を求めよ.

解答例

 半直線 $\mathrm{OP}$ の点 $\mathrm Q$ の座標を $(x,\ y)$ とおくと, 点 $\mathrm P$ の座標 $(s,\ t)$ はある正の数 $a$ を用いて \[ s = ax \quad \cdots [1], \qquad t = ay \quad \cdots [2]\] と表される. よって, \begin{align*} 2 &= \mathrm{OP}\cdot\mathrm{OQ} \\ &= \sqrt{(ax)^2+(ay)^2}\sqrt{x^2+y^2} = a(x^2+y^2) \end{align*} だから, $\mathrm Q \neq \mathrm O$ より $x^2+y^2 \neq 0$ であることに注意すると, \[ a = \frac{2}{x^2+y^2} \quad \cdots [3].\] $[1],$ $[2],$ $[3]$ より, \[ s = \frac{2x}{x^2+y^2}, \quad t = \frac{2y}{x^2+y^2}.\] 点 $\mathrm P$ は直線 $x+y = 1$ 上にあるから, \[ 1 = s+t = \frac{2x}{x^2+y^2}+\frac{2y}{x^2+y^2}\] より, \[ x^2+y^2 = 2x+2y.\] 整理すると, \[ (x-1)^2+(y-1)^2 = 2.\] ゆえに, 点 $\mathrm Q$ の軌跡は, 点 $(1,\ 1)$ を中心とする半径 $\sqrt 2$ の円から原点を除いた図形.