COMPASS

真の理解のためのシンプルな数学のノート

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直線

問題

点と線分

問題≪中線定理≫

 $\triangle\mathrm{ABC}$ において, 辺 $\mathrm{BC}$ の中線を $\mathrm M$ とおくとき, \[\mathrm{AB}^2+\mathrm{AC}^2 = 2(\mathrm{AM}^2+\mathrm{BM}^2) = 2(\mathrm{AM}^2+\mathrm{CM}^2)\] が成り立つことを示せ.

解答例

 点 $\mathrm M$ を原点, 半直線 $\mathrm{MC}$ を $x$ 軸の正の部分として, $xy$ 座標を定める.
$\mathrm A(p,\ q),$ $\mathrm C(r,\ 0)$ とすると, $\mathrm B(-r,\ 0)$ となるから, \begin{align*} \mathrm{AB}^2+\mathrm{AC}^2 &= (p+r)^2+q^2+(p-r)^2+q^2 \\ &= 2(p^2+q^2+r^2) \\ &= 2(\mathrm{AM}^2+\mathrm{BM}^2) = 2(\mathrm{AM}^2+\mathrm{CM}^2). \end{align*}

問題≪シュタインハウスの問題≫

 $x$ 座標も $y$ 座標も整数であるような $xy$ 平面上の点を格子点と呼ぶ. 点 $\mathrm C\left(\sqrt 2,\ \dfrac{1}{3}\right)$ から各格子点までの距離はすべて異なることを示せ. $\sqrt 2$ が無理数であることは証明なしに用いて良い.

解答例

 格子点 $\mathrm P(p_1,\ p_2),$ $\mathrm Q(q_1,\ q_2)$ について, $\mathrm{CP} = \mathrm{CQ}$ を仮定して, $\mathrm P = \mathrm Q$ を示す. $\mathrm{CP}^2 = \mathrm{CQ}^2$ から, \[ (p_1-\sqrt 2)^2+\left( p_2-\frac{1}{3}\right) ^2 = (q_1-\sqrt 2)^2+\left( q_2-\frac{1}{3}\right) ^2.\] 両辺を展開して整理すると, \[ 2(p_1-q_1)\sqrt 2 = p_1{}^2+p_2{}^2-q_1{}^2-q_2{}^2-\frac{2}{3}(p_2-q_2).\] $\sqrt 2$ が無理数であって $p_1,$ $q_1$ が整数であることから, 左辺は無理数であるか $0$ である. 一方, $p_1,$ $p_2,$ $q_1,$ $q_2$ が整数であることから右辺は有理数であるので, $p_1-q_1 = 0$ すなわち $p_1 = q_1$ となる. このとき, \[ 0 = p_2{}^2-q_2{}^2-\frac{2}{3}(p_2-q_2) = (p_2-q_2)\left( p_2+q_2-\frac{2}{3}\right).\] $p_2+q_2$ は整数であることから, $p_2+q_2-\dfrac{2}{3} \neq 0$ でなければならず, $p_2-q_2 = 0$ から $p_2 = q_2$ となる. よって, $\mathrm P = \mathrm Q$ となる. 以上により, 題意が示された.

解説≪シュタインハウスの問題≫

 すべての正の整数 $n$ に対して, ちょうど $n$ 個の格子点を含むような円板は存在するかという問題は, 1957 年にシュタインハウス(H. Steinhaus)によって提起され, 上記の命題を示すことによりシュルピンスキ(W. Sierpinski)によって肯定的に解決された. つまり, 点 $\mathrm C$ を中心とする円の半径を大きくしていくと, 円に含まれる格子点は $1$ 個ずつ増えていく.
 これとは別に, ちょうど $n$ 個の格子点を周上に含むような円は存在するかという問題も, 1958 年に A. シンゼル(A. Schinzel)によって肯定的に解決されている. この話題についても, 機会があれば触れる予定である.

直線の方程式

問題≪定点を通る直線≫

 $a$ を任意の実数とする. 直線 $\ell :(a+1)x+(a-1)y = 3a-1$ が $a$ の値に依らず通る点の座標を求めよ.

解答例

\begin{align*} &(a+1)x+(a-1)y = 3a-1 \\ &\iff (x-y+1)+a(x+y-3) = 0 \quad \cdots [1]. \end{align*} よって,
直線 $\ell$ が $a$ の値に依らず点 $(x,\ y)$ を通る
$\iff$ $[1]$ は $a$ に関する恒等式
$\iff$ $x-y+1 = x+y-3 = 0$
$\iff$ $(x,\ y) = (1,\ 2).$
ゆえに, 求める点の座標は, $(1,\ 2).$

点と直線の距離

問題≪角の二等分線と内接円≫

 $x$ 軸, $y$ 軸と直線 $3x+4y = 12$ で切り取られてできる三角形の内心の座標を求めよ.

解答例

 求める三角形の内心 $\mathrm I(x,\ y)$ は $x$ 軸, $y$ 軸, $3x+4y = 12$ から等距離にあるから, \[ y = x = \frac{|3x+4y-12|}{\sqrt{3^2+4^2}}.\] よって, $|7x-12| = 5x$ より $7x-12 = \pm 5x$ だから,
$y = x = 1$ または $y = x = 6.$
内心 $\mathrm I$ は三角形の内部にあることから $0 < x < 4,$ $0 < y < 3$ であることに注意すると, 求める座標は $(1,\ 1).$

$2$ 直線の関係

問題≪$3$ 点の共線条件・直線の直交条件≫

 $\mathrm A(-1,\ 2),$ $\mathrm B(3,\ 4),$ $\mathrm C(c,\ c)$ を $xy$ 平面上の点とする. 次の各条件の下で, 定数 $c$ の値を求めよ.
(a)
$3$ 点 $\mathrm A,$ $\mathrm B,$ $\mathrm C$ が同一直線上にある.
(b)
$\mathrm{AB} \perp \mathrm{AC}.$ 

解答例

 直線 $\mathrm{AB},$ $\mathrm{AC}$ の傾きは, それぞれ \[\frac{4-2}{3-(-1)} = \frac{1}{2}, \quad \frac{c-2}{c-(-1)} = \frac{c-2}{c+1}.\]
(a)
$3$ 点 $\mathrm A,$ $\mathrm B,$ $\mathrm C$ が同一直線上にあるとき, $2$ 直線 $\mathrm{AB},$ $\mathrm{AC}$ の傾きは等しいから, \[\frac{1}{2} = \frac{c-2}{c+1}\] すなわち $c+1 = 2(c-2)$ より, \[ c = 5.\]
(b)
$\mathrm{AB} \perp \mathrm{AC}$ のとき, \[\frac{1}{2}\cdot\frac{c-2}{c+1} = -1\] より $c-2 = -2(c+1)$ となるから, \[ c = 0.\]

(b) の別解: 三平方の定理を利用

 $\mathrm{AB} \perp \mathrm{AC}$ のとき, $\mathrm{AB}^2+\mathrm{AC}^2 = \mathrm{BC}^2$ より, \begin{align*} &(3-(-1))^2+(4-2)^2+(c-(-1))^2+(c-2)^2 \\ &= (c-3)^2+(c-4)^2 \end{align*} となり, $2c^2-2c+25 = 2c^2-14c+25$ となるから, \[ c = 0.\]

問題≪$3$ 直線が三角形を成さない条件≫

 $3$ 直線 $x-y+1 = 0,$ $2x-y = 0,$ $ax-y = 1$ が三角形を成さないとき, 定数 $a$ の値を求めよ.

解答例

 与えられた直線は \[ y = x+1\ \cdots [1],\ \ y = 2x\ \cdots [2],\ \ y = ax-1\ \cdots [3]\] だから, それぞれ傾きは $1,$ $2,$ $a.$ 一般に, $3$ 直線が三角形を成さないのは少なくとも $2$ 本が平行であるか, $3$ 本が $1$ 点で交わる場合に限る. 直線 $[1],$ $[2]$ は点 $\mathrm A(1,\ 2)$ で交わるから, 直線 $[1],$ $[2],$ $[3]$ が三角形を成さないのは次の場合に限る.
(i)
$[3],$ $[1]$ が平行であるとき. すなわち, $a = 1.$
(ii)
$[3],$ $[2]$ が平行であるとき. すなわち, $a = 2.$
(iii)
$[3]$ が点 $\mathrm A$ を通るとき. すなわち, $2 = a-1$ つまり $a = 3.$
ゆえに, \[ a = 1,\ 2,\ 3.\]

問題≪線対称な点・直線≫

(1)
直線 $y = 2x$ に関して点 $(5,\ 5)$ と対称な点の座標を求めよ.
(2)
直線 $y = 2x$ に関して直線 $y = x$ と対称な直線の方程式を求めよ.

解答例

 直線 $\ell :y = 2x$ に関して点 $\mathrm A(5,\ 5)$ と対称な点を $\mathrm A'(s,\ t)$ とおく.
(1)
線分 $\mathrm{AA}'$ の中点 $\left(\dfrac{s+5}{2},\ \dfrac{t+5}{2}\right)$ は $\ell$ 上にあるから, \[\frac{t+5}{2} = 2\cdot\frac{s+5}{2}\] より, $t+5 = 2(s+5)$ すなわち \[2s-t = -5 \quad \cdots [1].\] また, $\mathrm{AA}' \perp \ell$ より, \[\frac{t-5}{s-5}\cdot 2 = -1\] だから, $2(t-5) = -(s-5)$ すなわち \[ s+2t = 15 \quad \cdots [2].\] $[1],$ $[2]$ を解くと, \[ s = 1, \quad t = 7.\] ゆえに, 求める点の座標は, $(1,\ 7).$
(2)
直線 $\ell$ に関して直線 $m:y = x$ と対称な直線は, $\ell,$ $m$ の交点である原点と点 $\mathrm A'$ を通るから, その方程式は \[ y = 7x.\]

問題≪放物線上の線対称な点≫

 放物線 $C:y = x^2-1$ 上に直線 $\ell :y = ax$ に関して互いに対称な異なる $2$ 点が存在するとき, 定数 $a$ のとり得る値の範囲を求めよ.

解答例

 放物線 $C$ は関数のグラフであることに注意すると, $x$ 軸に関して対称である, すなわち $x$ 座標が一致するような $C$ 上の $2$ 点 $\mathrm P,$ $\mathrm Q$ は一致するから, \[ a \neq 0.\] $\mathrm P(p,\ p^2-1),$ $\mathrm Q(q,\ q^2-1)$ を $C$ 上の $2$ 点とし, 線分 $\mathrm{PQ}$ の中点を $\mathrm M$ とおく. このとき,
$\mathrm P,$ $\mathrm Q$ は $\ell$ に関して対称である
$\iff$ 点 $\mathrm M$ は $\ell$ 上にあり, $\mathrm{PQ} \perp \ell$
$\iff$ $\dfrac{p^2+q^2}{2}-1 = a\cdot\dfrac{p+q}{2}, \quad \dfrac{q^2-p^2}{q-p}\cdot a = -1$
$\iff p+q = -\dfrac{1}{a}\ \cdots [1],\ pq = \dfrac{1}{2}\left(\dfrac{1}{a^2}-1\right)\ \cdots [2].$
よって,
$C$ 上に $\ell$ に関して互いに対称な異なる $2$ 点 $\mathrm P,$ $\mathrm Q$ が存在する
$\iff$ $[1],$ $[2]$ を満たす相異なる実数 $p,$ $q$ が存在する
$\iff$ $2$ 次方程式 $t^2+\dfrac{1}{a}\cdot t+\dfrac{1}{2}\left(\dfrac{1}{a^2}-1\right) = 0$ が相異なる実数解を持つ
$\iff$ $\dfrac{1}{a^2}-4\cdot\dfrac{1}{2}\left(\dfrac{1}{a^2}-1\right) > 0$
$\iff$ $-\dfrac{1}{a^2}+2 > 0$
$\iff$ $2a^2-1 > 0.$
ゆえに, \[ a < -\frac{\sqrt 2}{2},\ \frac{\sqrt 2}{2} < a.\]