COMPASS

真の理解のためのシンプルな数学のノート

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対数

問題

対数関数

問題≪対数の大小比較≫

 正の数 $a,$ $b$ が $2^a = 3^b$ を満たすとき, $2a,$ $3b$ の大小を比較せよ.

解答例

 $c = 2^a = 3^b$ とおくと, \[ \log_2c = a = b\log_23 > 0.\] よって, \begin{align*} 2a-3b &= 2\log_2c-3\cdot\frac{\log_2c}{\log_23} \\ &= \left( 2-\frac{3}{\log_23}\right)\log_2c \\ &= \left( 2-\frac{\log_22^3}{\log_23}\right)\log_2c \\ &= (\log_33^2-\log_32^3)\log_2c \\ &= (\log_39-\log_38)\log_2c \\ &> 0. \end{align*} ゆえに, \[ 2a > 3b.\]

問題≪対数の無理数性≫

 $\log_{10}2$ は無理数であることを示せ.

解答例

 整数 $m,$ $n$ が $n\log_{10}2 = m$ を満たすとすると, $\log_{10}2^n = m$ より \[ 2^n = 10^m = 2^m\cdot 5^m\] となるから, 素因数分解の一意性より $m = n = 0$ となる.
ゆえに, $\log_{10}2$ は, $\dfrac{m}{n}$ の形に表せないから, 無理数である. (終)

問題≪条件付き対数関数の最大・最小≫

 $x > 0,$ $y > 0,$ $x+y = 1$ とする. $a = 2,$ $a = \dfrac{1}{2}$ の各場合に, $z = \log_ax+\log_ay$ の値域を求めよ.

解答例

 $x > 0,$ $y = 1-x > 0$ より, \[ 0 < x < 1.\] このとき, \begin{align*} z &= \log_ax+\log_ay = \log_axy \\ &= \log_ax(1-x) \quad (\because y = 1-x). \end{align*} ここで, \begin{align*} x(1-x) &= -x^2+x \\ &= -\left( x-\frac{1}{2}\right) ^2+\frac{1}{4} \end{align*} より, \[ 0 < x(1-x) \leqq \frac{1}{4}.\]
(i)
$a = 2$ のとき. $\log_ax$ は狭義単調増加だから, $z \leqq \log_2\dfrac{1}{4}$ より, \[ z \leqq -2.\]
(ii)
$a = \dfrac{1}{2}$ のとき. $\log_ax$ は狭義単調減少だから, $z \geqq \log_{\frac{1}{2}}\dfrac{1}{4}$ より, \[ z \geqq 2.\]

方程式

問題≪対数方程式と $2$ 次方程式≫

 $\log_2(2x+a) = \log_{\sqrt 2}(x-1)$ が異なる実数解を持つとき, 定数 $a$ の取り得る値の範囲を求めよ.

解答例

\begin{align*} &\log_{\sqrt 2}(x-1) = \frac{\log_2(x-1)}{\log_2\sqrt 2} \\ &= \log_2(x-1)\div\frac{1}{2} = 2\log_2(x-1) \\ &= \log_2(x-1)^2 \end{align*} より, \begin{align*} &\log_2(2x+a) = \log_{\sqrt 2}(x-1) \quad \cdots [1] \\ &\iff 2x+a = (x-1)^2 \quad \cdots [2] \end{align*} だから, $x > 1$ のとき $2x+a > 0$ は自動的に満たされる. $[2]$ より, \begin{align*} a &= x^2-4x+1 \\ &= (x-2)^2-3. \end{align*} $f(x) = (x-2)^2-3$ とおく. 下に凸な放物線 $y = f(x)$ と $x$ 軸に平行な直線 $y = a$ が $x > 1$ において異なる $2$ 点で交われば良いから, $f(1) = -2$ より, 求める $a$ の値の範囲は \[ -3 < a < -2.\]

問題≪指数関数の連立方程式≫

(a)
$x^y = 1,$ $y^z = 2,$ $z^x = 3$ を満たす正の数 $x,$ $y,$ $z$ を求めよ.
(b)
$2^x = 3^y = 6^z = a,$ $\dfrac{1}{x}+\dfrac{1}{y}+\dfrac{1}{z} = 1$ が成り立つとき, 定数 $a$ の値を求めよ.

解答例

(a)
$x^y = 1$ より $y\log_{10}x = 0$ だから, $y^z = 2$ より $y \neq 0$ であることに注意すると, $\log_{10}x = 0$ より \[ x = 1.\] これと $z^x = 3$ より, \[ z = 3.\] これと $y^z = 2$ より $y^3 = 2$ だから, \[ y = \sqrt[3]{2}.\]
(b)
$2^x = 3^y = 6^z = a$ より, $x\log_{10}2 = y\log_{10}3 = z\log_{10}6 = \log_{10}a$ だから, \[ x = \frac{\log_{10}a}{\log_{10}2}, \quad y = \frac{\log_{10}a}{\log_{10}3}, \quad z = \frac{\log_{10}a}{\log_{10}6}.\] よって, \begin{align*} 1 &= \frac{1}{x}+\frac{1}{y}+\frac{1}{z} \\ &= \frac{\log_{10}2}{\log_{10}a}+\frac{\log_{10}3}{\log_{10}a}+\frac{\log_{10}6}{\log_{10}a} \\ &= \frac{(\log_{10}2+\log_{10}3)+\log_{10}6}{\log_{10}a} \\ &= \frac{\log_{10}6+\log_{10}6}{\log_{10}a} = \frac{2\log_{10}6}{\log_{10}a} \\ &= \frac{\log_{10}6^2}{\log_{10}a} = \frac{\log_{10}36}{\log_{10}a} \end{align*} となり, $\log_{10}a = \log_{10}36$ となるから, \[ a = 36.\]

常用対数

問題≪累乗の桁数と最高位≫

 各整数 $n > 0$ に対して $2^n$ を十進法で表すとき, $0.301 < \log_{10}2 < 0.302$ を用いて次の各問に答えよ.
(1)
$2^{100}$ の桁数と最高位の数字を求めよ.
(2)
$2^1,$ $\dots,$ $2^{100}$ のうち最高位の数字が $1$ であるものはいくつあるか.

解答例

(1)
$0.301 < \log_{10}2 < 0.302$ より \begin{align*} 30 < 30.1 &< 100\log_{10}2 \\ &< 30.2 < 30.302 < 30+\log_{10}2 \end{align*} だから, $30 < \log_{10}2^{100} < 30+\log_{10}2,$ すなわち \[\log_{10}10^{30} < \log_{10}2^{100} < \log_{10}(2\cdot 10^{30}).\] よって, $10^{30} < 2^{100} < 2\cdot 10^{30}$ より, $2^{100}$ の桁数は $30,$ 最高位の数字は $1.$
(2)
正の整数 $a$ の最高位の数字を $\mathrm{cap}\,(a)$ で表すことにすると, \[\mathrm{cap}\,(2a) = 1 \iff \mathrm{cap}\,(a) \geqq 5.\] 実際, $1 \leqq \mathrm{cap}\,(a) \leqq 4$ のとき, $2a$ の桁数は $a$ の桁数に等しく $2 \leqq \mathrm{cap}\,(2a) \leqq 9$ となるからである.
これは, $2^1$ から $2^{100}$ まで $2$ を掛けていくとき, 桁数が大きくなるときに限り最高位の数字が $1$ となることを意味する. \[ 2^1 = 2, \quad 2^2 = 4, \quad 2^3 = 8, \quad 2^4 = 16\] より, $\mathrm{cap}\,(2^n) = 1$ となる最小の $n$ は $4.$
$2^4$ の桁数は $2$ で, (1) より $2^{100}$ の桁数は $30$ だから, $2^1,$ $\dots,$ $2^{100}$ のうち最高位の数字が $1$ となるものはちょうど $30-2+1 = 29$ 個ある.

問題≪小数の大きさ≫

 $0.301 < \log_{10}2 < 0.302$ を用いて $2^{-n}$ の小数第 $10$ 位に初めて $0$ でない数字が表れるような最小の正の整数 $n$ を求めよ.

解答例

 $2^{-n}$ の小数第 $10$ 位に初めて $0$ でない数字が現れることは \[ 2^{-n} < 10^{-9}\quad \cdots [1]\] と同値である. \begin{align*} [1] &\iff -n\log_{10}2 < -9 \\ &\iff n\log_{10}2 > 9 \end{align*} であり, $\log_{10}2 > 0.301$ より \[ n\log_{10}2 > 0.301n\] だから, $0.301n > 9$ すなわち \[ 301n > 9000 \quad \cdots [2]\] を満たす整数 $n$ は $[1]$ を満たす. \begin{align*} 301\cdot 29 &= 8729 < 9000, \\ 301\cdot 30 &= 9030 > 9000 \end{align*} より, $[2]$ を満たす最小の正の整数は $n = 30.$
さらに, $\log_{10}2 < 0.302$ より \[ -29\log_{10}2 > -29\cdot 0.302 = -8.758 > -9\] だから, $2^{-29} > 10^{-9}.$
これは $n = 30$ が $[1]$ を満たす最小の正の整数であることを意味する. ゆえに, 求める値は, \[ n = 30.\]

問題≪常用対数の評価≫

(1)
$\log_{10}2 > 0.3$ を示せ.
(2)
任意の正の数 $p,$ $q$ に対して, 次の不等式が成り立つことを示せ: \[\log_{10}(p+q) \geqq \log_{10}2+\frac{1}{2}(\log_{10}p+\log_{10}q).\]
(3)
$\log_{10}7 > 0.8$ を示せ.

解答例

 $\log_{10}x$ は狭義単調増加であることに注意する.
(1)
\begin{align*} &\log_{10}2 > 0.3\ \cdots [1] \\ &\iff \log_{10}2 > \frac{3}{10} \\ &\iff 10\log_{10}2 > 3 \\ &\iff \log_{10}2^{10} > \log_{10}10^3 \\ &\iff 2^{10} > 10^3\ \cdots [2] \end{align*} より, $[1]$ は $[2]$ に帰着されるが, $[2]$ は $1024 > 1000$ より従う. (終)
(2)
\begin{align*} &\log_{10}(p+q) \geqq \log_{10}2+\frac{1}{2}(\log_{10}p+\log_{10}q)\ \cdots [3] \\ &\iff\log_{10}(p+q)-\log_{10}2 \geqq \frac{1}{2}\log_{10}pq \\ &\iff\log_{10}\frac{p+q}{2} \geqq \log_{10}\sqrt{pq} \\ &\iff\frac{p+q}{2} \geqq \sqrt{pq}\ \cdots [4] \end{align*} より, $[3]$ は $[4]$ に帰着されるが, $[4]$ は相加相乗平均の不等式より従う. (終)
(3)
$[3]$ において $p = 2,$ $q = 5$ とすると, \begin{align*} \log_{10}7 &= \log_{10}(2+5) \\ &\geqq \log_{10}2+\frac{1}{2}(\log_{10}2+\log_{10}5) \\ &= \log_{10}2+\frac{1}{2}(\log_{10}2+\log_{10}\frac{10}{2}) \\ &= \log_{10}2+\frac{1}{2}(\log_{10}2+1-\log_{10}{2}) \\ &= \log_{10}2+\frac{1}{2} \\ &> 0.3+0.5 = 0.8 \quad (\because [1]). \end{align*} $p \neq q$ より不等式の等号は成り立たないから, $\log_{10}7 > 0.8$ となる. (終)