COMPASS

真の理解のためのシンプルな数学のノート

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曲線の媒介変数表示

曲線の媒介変数表示

問題≪サイクロイドの媒介変数表示≫

(A)
$xy$ 平面において, 半径 $1$ の円が $0 \leqq y \leqq 2$ の部分をすべることなく転がるとき, 原点を通る動円の周上の定点 $\mathrm P(x,y)$ が描く軌跡は, 動円の中心を $\mathrm C,$ 動円と $x$ 軸の接点を $\mathrm T$ とおくと, $\mathrm{CT}$ を始線として動径 $\mathrm{CP}$ が表す角を $\theta$ として \[ x = \theta -\sin\theta, \quad y = 1-\cos\theta\] と表されることを示せ.
(B)
半径 $\dfrac{1}{2}$ の円が点 $\mathrm A\left(\dfrac{1}{2},0\right)$ を中心とする半径 $\dfrac{1}{2}$ の円に外接しながらすべることなく転がるとき, 点 $(2,0)$ を通る動円の周上の定点 $\mathrm P(x,y)$ が描く軌跡は, $\mathrm{OA}$ を始線として動径 $\mathrm{OP}$ が表す角を $\theta$ として \[ x = (1+\cos\theta )\cos\theta, \quad y = (1+\cos\theta )\sin\theta\] と表されることを示せ.
(C)
半径 $\dfrac{1}{4}$ の円が単位円に内接しながらすべることなく転がるとき, 点 $\mathrm A(1,0)$ を通る動円の周上の定点 $\mathrm P(x,y)$ が描く軌跡は, $2$ 円の接点を $\mathrm T$ とおくと, $\mathrm{OA}$ を始線として動径 $\mathrm{OT}$ が表す角を $\theta$ として \[ x = \cos ^3\theta, \quad y = \sin ^3\theta\] と表されることを示せ. ただし, $3$ 倍角の公式 \[\cos 3\theta = 4\cos ^3\theta -3\cos\theta,\ \ \sin 3\theta = 3\sin\theta -4\sin ^3\theta\] は証明なしに使ってもよい.

解答例

(A)
  • $0 < \theta < 2\pi$ のとき. $\mathrm{OT}$ は弧 $\mathrm{TP}$ の長さ $\theta$ に等しく \[\overrightarrow{\mathrm{OC}} = (\theta,1)\] であり, \begin{align*} \overrightarrow{\mathrm{CP}} &\!=\! \begin{cases} \!\!(-\sin\theta,-\cos\theta) & \!\!\!\!\!\!\left( 0 \!<\! \theta \!<\! \dfrac{\pi}{2}\right), \\ \!\!(-\sin\theta,\cos (\pi -\theta )) & \!\!\!\!\!\!\left(\dfrac{\pi}{2} \!\leqq\! \theta \!<\! \pi\right), \\ \!\!(\sin (2\pi\!-\!\theta ),\cos (\theta\!-\!\pi )) & \!\!\!\!\!\!\left(\pi \!\leqq\! \theta \!<\! \dfrac{3\pi}{2}\right), \\ \!\!(\sin (2\pi\!-\!\theta ),-\cos (2\pi\!-\!\theta )) & \!\!\!\!\!\!\left(\dfrac{3}{2}\pi \!\leqq\! \theta \!<\! 2\pi\right) \end{cases} \\ &\!=\! (-\sin\theta,-\cos\theta ) \end{align*} である. よって, \begin{align*} \overrightarrow{\mathrm{OP}} &= \overrightarrow{\mathrm{OC}}+\overrightarrow{\mathrm{CP}} \\ &= (\theta,1)+(-\sin\theta,-\cos\theta ) \\ &= (\theta -\sin\theta,1-\cos\theta ) \end{align*} であり, 題意が成り立つ.
  • これは, $\theta = 0$ のときも成り立つ.
  • さらに, 周期性に着目すると, その他の場合にも成り立つ.
(B)
動円の中心を $\mathrm C$ とおく. このとき, $\mathrm{OA}$ を始線として動径 $\mathrm{CP}$ の表す角は $2\theta$ である.
よって, \begin{align*} &\overrightarrow{\mathrm{OP}} \!=\! \overrightarrow{\mathrm{OA}}+\overrightarrow{\mathrm{AC}}+\overrightarrow{\mathrm{CP}} \\ &\!=\! \left(\frac{1}{2},0\right) +(\cos\theta,\sin\theta )+\left(\frac{1}{2}\cos 2\theta,\frac{1}{2}\sin 2\theta\right) \\ &\!=\! \!\left(\frac{1}{2}\!+\!\cos\theta\!+\!\frac{1}{2}(2\cos ^2\theta\!-\!1),\sin\theta\!+\!\frac{1}{2}\!\cdot\!2\sin\theta\cos\theta\right)\! \\ &\!=\! (\cos\theta +\cos ^2\theta,\sin\theta +\sin\theta\cos\theta ) \\ &\!=\! ((1+\cos\theta )\cos\theta,(1+\cos\theta )\sin\theta ) \end{align*} であるから, 題意が示された.
(C)
動円の中心を $\mathrm C$ とおき, $\mathrm{CT}$ と始線として動径 $\mathrm{CP}$ の表す角を $\varphi$ とおく. このとき, 弧 $\mathrm{AT}$ と弧 $\mathrm{TP}$ の長さは等しいから, \[ 1\cdot\theta = \frac{1}{4}\cdot\varphi\] つまり \[\varphi = 4\theta\] が成り立つ.
よって, $\mathrm{OA}$ を始線として動径 $\mathrm{CP}$ の表す角は \[\theta -\varphi = \theta -4\theta = -3\theta\] である. したがって, \begin{align*} &\overrightarrow{\mathrm{OP}} = \overrightarrow{\mathrm{OC}}+\overrightarrow{\mathrm{CP}} \\ &= \left(\frac{3}{4}\cos\theta,\frac{3}{4}\sin\theta\right) +\left(\frac{1}{4}\cos (-3\theta ),\frac{1}{4}\sin (-3\theta )\right) \\ &= \left(\frac{3}{4}\cos\theta +\frac{1}{4}\cos 3\theta,\frac{3}{4}\sin\theta -\frac{1}{4}\sin 3\theta\right) \\ &= (\cos ^3\theta,\sin ^3\theta ) \end{align*} であるから, 題意が示された.

背景

  • 平面上において, 円が定直線に接しながらすべることなく転がるとき, 動円の周上の定点が描く軌跡を擺線またはサイクロイド(cycloid)と呼ぶ.
  • 円が定円に外接しながらすべることなく転がるとき, 動円の周上の定点が描く軌跡を外擺線, 外サイクロイドまたはエピサイクロイド(epicycloid)と呼ぶ. 定円と動円の半径が同じ外サイクロイドをカージオイド(cardioid)と呼ぶ.
  • 円が定円に内接しながらすべることなく転がるとき, 動円の周上の定点が描く軌跡を内擺線, 内サイクロイドまたはハイポサイクロイド(hypocycloid)と呼ぶ. 定円と動円の半径の比が $4:1$ の内サイクロイドを星芒形またはアステロイド(asteroid)と呼ぶ.