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真の理解のためのシンプルな数学のノート

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確率

教科書の補足

条件付き確率

定義≪条件付き確率≫

 $n(A) \neq 0$ である事象 $A$ を全事象として $A\cap B$ が起こる確率 \[\frac{n(A\cap B)}{n(A)}\] を $A$ が起こるときの $B$ の条件付き確率と呼び, $P_A(B)$ で表す.

定理≪条件付き確率≫

 $P(A) \neq 0$ である事象 $A$ が起こるときの $B$ の条件付き確率は, \[ P_A(B) = \frac{P(A\cap B)}{P(A)}\] である.

定理≪確率の乗法定理≫

 事象 $A,$ $B$ が同時に起こる確率は, $P(A) \neq 0$ のとき, \[ P(A\cap B) = P(A)P_A(B)\] である.

問題

確率の基本

問題≪くじ引きの公平さ≫

 $10$ 本中当たりが $3$ 本であるくじにおいて,
(a)
初めてはずれが出た次に当たりを引く確率を求めよ.
(b)
初めてはずれが連続して出た次に当たりを引く確率を求めよ.
ただし, $1$ 度引いたくじは元に戻さないものとする.

解答例

 くじの引き方は全部で ${}_{10}\mathrm C_3$ 通り.
当たりを W, はずれを L で表し, W または L を * で表すことにする.
(a)
初めてはずれが出た次に当たりを引く回と配列は, 次に限る:
(i)
$2$ 回目: LW*...*.
(ii)
$3$ 回目: WLW*...*.
(iii)
$4$ 回目: WWLWL...L.
(i)~(iii) は排反だから, 求める確率は, \begin{align*} &\frac{{}_{10-2}\mathrm C_{3-1}+{}_{10-3}\mathrm C_{3-2}+1}{{}_{10}\mathrm C_3} = \frac{{}_8\mathrm C_2+7+1}{{}_{10}\mathrm C_3} \\ &= \left(\frac{8\cdot 7}{2}+8\right)\div\frac{10\cdot 9\cdot 8}{3\cdot 2} = \frac{3}{10}. \end{align*}
(b)
初めてはずれが連続して出た次に当たりを引く回と当落の配列は, 次に限る:
(i)
$3$ 回目: LLW*...*.
(ii)
$4$ 回目: WLLW*...*.
(iii)
$5$ 回目: LWLLW*...* または WWLLWL...L.
(iv)
$6$ 回目: LWWLLWL...L または WLWLLWL...L.
(v)
$7$ 回目: LWLWLLWL...L.
これは, LL の(前)後は W であり, WLLW の前に LL は現れず, WLLW の前に W は高々 $1$ 回現れることから分かる.
(i)~(v) は排反だから, 求める確率は, \begin{align*} &\frac{{}_{10-3}\mathrm C_{3-1}+{}_{10-4}\mathrm C_{3-2}+({}_{10-5}\mathrm C_{3-2}+1)+2+1}{{}_{10}\mathrm C_3} \\ &= \frac{{}_7\mathrm C_2+6+(5+1)+2+1}{{}_{10}\mathrm C_3} \\ &= \left(\frac{7\cdot 6}{2}+15\right)\div\frac{10\cdot 9\cdot 8}{3\cdot 2} = \frac{3}{10}. \end{align*}

問題≪当たりくじの本数≫

 $12$ 本のくじから同時に $4$ 本を引くとき, 少なくとも $1$ 本とも当たる確率が $\dfrac{98}{99}$ であるという. 当たりくじの本数を求めよ.

解答例

 はずれくじの本数を $x$ とおく. $12$ 本のくじから同時に $4$ 本を引くとき全部はずれである確率は, \[\frac{{}_x\mathrm C_4}{{}_{12}\mathrm C_4} = 1-\frac{98}{99}.\] すなわち, $\dfrac{x(x-1)(x-2)(x-3)}{12\cdot 11\cdot 10\cdot 9} = \dfrac{1}{99}$ より, \[ x(x-1)(x-2)(x-3) = 120.\] よって, \begin{align*} 0 &= (x^2-3x)(x^2-3x+2)-120 \\ &= (x^2-3x)^2+2(x^2-3x)-120 \\ &= (x^2-3x-10)(x^2-3x+12) \\ &= (x-5)(x+2)(x^2-3x+12). \end{align*} $(-3)^2-4\cdot 12 < 0$ より $x^2-3x+12 = 0$ は実数解を持たず, $x$ は正の整数だから, $$x = 5.$$ ゆえに, 当たりくじの本数は, $12-5 = 7.$

問題≪和事象の確率≫

 さいころを $n$ 回振るとき, 次の確率を求めよ:
(1)
偶数の目が少なくとも $1$ 回出て, かつ $3$ の倍数の目が少なくとも $1$ 回出る.
(2)
偶数の目が少なくとも $2$ 回出て, かつ $3$ の倍数の目が少なくとも $1$ 回出る.

解答例

 $n$ 回の目の出方は $6^n$ 通りあり, 同様に確からしい.
(1)
問題の事象の余事象は, 次の事象の和事象である.
$A$:
偶数の目が出ない. すなわち, $1,$ $3,$ $5$ のみが出る $3^n$ 通り.
$B$:
$3$ の倍数の目が出ない. すなわち, $1,$ $2,$ $4,$ $5$ のみが出る $4^n$ 通り.
$A\cap B$ が起こるのは, $1,$ $5$ のみが出る場合で, 全部で $2^n$ 通りある.
ゆえに, 求める確率は, \begin{align*} 1-P(A\cup B) &= 1-P(A)-P(B)+P(A\cap B) \\ &= 1-\frac{3^n}{6^n}-\frac{4^n}{6^n}+\frac{2^n}{6^n} \\ &= 1-\left(\frac{1}{2}\right) ^n-\left(\frac{2}{3}\right) ^n+\left(\frac{1}{3}\right) ^n. \end{align*}
(2)
問題の事象の余事象は, (1) の $A,$ $B$ と次の事象の和事象である.
$C$:
ちょうど $1$ 回偶数の目が出る. すなわち, $n$ 回中 $1$ 回だけ $2,$ $4,$ $6$ のいずれかが出て残りは $1,$ $3,$ $5$ のみが出る ${}_n\mathrm C_1\cdot 3\cdot 3^{n-1} = n3^n$ 通り.
また, $B\cap C$ が起こるのは, $n$ 回中 $1$ 回だけ $2,$ $4$ のいずれかが出て残りは $1,$ $5$ のみが出る場合で, 全部で ${}_n\mathrm C_1\cdot 2\cdot 2^{n-1} = n2^n$ 通りある.
さらに, $C$ と $A$ は同時に起こらないから, $A\cap C = \varnothing.$
ゆえに, 求める確率は, \begin{align*} &1-P(A\cup B\cup C) \\ &= 1-P(A)-P(B)-P(C) \\ &\qquad +P(A\cap B)+P(B\cap C)+P(C\cap A) \\ &= 1-\frac{3^n}{6^n}-\frac{4^n}{6^n}-\frac{n3^n}{6^n}+\frac{2^n}{6^n}+\frac{n2^n}{6^n}+0 \\ &= 1-(1+n)\left(\frac{1}{2}\right) ^n-\left(\frac{2}{3}\right) ^n+(1+n)\left(\frac{1}{3}\right) ^n \\ &= 1-\left(\frac{2}{3}\right) ^n+(1+n)\left(\left(\frac{1}{3}\right) ^n-\left(\frac{1}{2}\right) ^n\right). \end{align*}

問題≪$n$ 回目に初めて当たる確率≫

 $2$ 本の当たりを含む $100$ 本のくじを $1$ 本ずつくじがなくなるまで引き続けるとき,
(1)
$n$ 回目に初めて当たりを引く確率 $p_n$ を求めよ.
(2)
奇数回目に初めて当たりを引く確率を求めよ.
[北大 2010*]

解答例

(1)
\begin{align*} p_1 &= \frac{2}{100} = \frac{1}{50} = \frac{99}{4950}, \\ p_2 &= \frac{98}{100}\cdot\frac{2}{99} = \frac{98}{4950}, \\ p_3 &= \frac{98}{100}\cdot\frac{97}{99}\cdot\frac{2}{98} = \frac{97}{4950}, \\ p_{100} &= 0. \end{align*} $4 \leqq n \leqq 99$ のとき, \begin{align*} p_n &= \frac{98}{100}\cdot\frac{97}{99}\cdots\cdot\frac{100-n}{102-n}\cdot\frac{2}{101-n} \\ &= \frac{100-n}{4950}. \end{align*} これは $1 \leqq n \leqq 3,$ $n = 100$ のときも成り立つ. ゆえに, \[ p_n = \frac{100-n}{4950}.\]
(2)
(1) の結果から, 求める確率は  \begin{align*} p_1+p_3+\cdots +p_{99} &= \frac{99}{4950}+\frac{97}{4950}+\cdots +\frac{1}{4950} \\ &= \frac{1}{4950}\cdot\frac{50}{2}(99+1) = \frac{50}{99}. \end{align*}

注意

 くじ引きは公平であるが,「初めて当たる」などの条件をつけるといつ引くかによって当たる確率が変わる.

問題≪$n$ 回目までに連続する確率≫

 $n$ を $2$ 以上の整数とする. 最大 $n$ 回目までさいころを振って, 同じ目を $2$ 回連続して出したらさいころを振るのをやめるとき, 途中かちょうど最後に終了する確率を求めよ.
[北大 2006*]

解答例

 $n$ 回目に終了しないのは, $2$ 回目から $n$ 回目までに直前に出た目と異なる目が出るときであるから, その確率は \[\left(\frac{5}{6}\right) ^{n-1}.\] この余事象を考えると, 求める確率は \[ 1-\left(\frac{5}{6}\right) ^{n-1}.\]

問題≪順列による数の大小に関する確率≫

 袋 X, Y に数字の書かれた札が $4$ 枚ずつ入っている. A, B の $2$ 人がそれぞれ袋 X, Y から札を引くとき, $k$ 回目に引いた札の数字を $a_k,$ $b_k$ とする. 次の各設定の下で, $10a_1+a_2 < 10b_1+b_2$ となる確率を求めよ. ただし, 引いた札は元に戻さないものとする.
(a)
X にも Y にも $1,$ $2,$ $3,$ $4$ の札が入っている.
(b)
X には $1,$ $3,$ $5,$ $7$ の札, Y には $2,$ $4,$ $6,$ $8$ の札が入っている.

解答例

 $a = 10a_1+a_2,$ $b = 10b_1+b_2$ とおくと, $a,$ $b$ の作り方はそれぞれ ${}_4\mathrm P_2$ 通り.
(a)
$a > b$ となる事象を $A,$ $a < b$ となる事象を $B$ とおくと, A, B に与えられた条件は対等だから, \[P(A) = P(B).\] また, $a = b$ となる事象を $C$ とおくと, \[ P(C) = \frac{{}_4\mathrm P_2}{({}_4\mathrm P_2)^2} = \frac{1}{{}_4\mathrm P_2} = \frac{1}{12}.\] $P(A)+P(B)+P(C) = 1$ より, 求める確率は, \[\frac{1-P(C)}{2} = \left( 1-\frac{1}{12}\right)\div 2 = \frac{11}{24}.\]
(b)
X, Y に入っている数字は互いに異なるから, \begin{align*} a < b &\iff a_1 < b_1 \\ &\iff b_1 \in \left\{\begin{array}{ll} \{ 2,\ 4,\ 6,\ 8\} & (a_1 = 1), \\ \{ 4,\ 6,\ 8\} & (a_1 = 3), \\ \{ 6,\ 8\} & (a_1 = 5), \\ \{ 8\} & (a_1 = 7). \end{array}\right. \end{align*} $b_1$ の選び方に応じて $b_2$ の選び方はそれぞれ $3$ 通りある. ゆえに, 求める確率は, \begin{align*} \frac{4\cdot 3+3\cdot 3+2\cdot 3+1\cdot 3}{({}_4\mathrm P_2)^2} &= \frac{(4+3+2+1)3}{4^2\cdot 3^2} \\ &= \frac{5}{24}. \end{align*}

問題≪あいこの確率≫

 $n$ 人がじゃんけんを $1$ 回だけ行うとき, あいこになる確率を求めよ. ただし, 各人ともグー, チョキ, パーの各手を出す確率は $\dfrac{1}{3}$ であるとする.

解答例

 $n$ 人の手の出し方は, $3^n$ 通り.
勝負がつくのは, グー, チョキ, パーのうち, ちょうど $2$ 種類が出る場合である.
この $2$ 種類に限定すると, 全員が同じになる $2$ 通りを除けば, 各人の手の出し方はそれぞれ $2$ 通り, 全部で $2^n$ 通りある.
よって, 勝負がつく場合の数は, ${}_3\mathrm C_2(2^n-2) = 3(2^n-2)$ 通り.
あいこになるのは, 勝負がつく事象の余事象だから, 求める確率は \[ 1-\frac{3(2^n-2)}{3^n} = \frac{3^{n-1}-2^n+2}{3^{n-1}}.\]

問題≪非敗者が生じる確率≫

 $4$ 人がじゃんけんをするとき, 誰にも負けないような人が出る確率を求めよ. ただし, 各人ともグー, チョキ, パーの各手を出す確率は $\dfrac{1}{3}$ であるとする.
[岩手大 2009*]

解答例

 「誰にも負けないような人が出る」の余事象は,「みんな誰かに負ける」である. これは,「$3$ 種類の手が出る」ことに他ならないから, どの手が複数出るのかに着目すると, その確率は \[ 3\cdot\frac{4!/2!}{3^4} = \frac{4}{9}.\] よって, 求める確率は, \[ 1-\frac{4}{9} = \frac{5}{9}.\]

反復試行の確率

問題≪道順の確率≫

 $xy$ 平面上の点 $\mathrm P$ は原点を出発点としてコインを $1$ 回を投げるごとに, 表が出れば $x$ 軸正方向に $1,$ 裏が出れば $y$ 軸正方向に $1$ だけ動く. コインを $7$ 回投げるとき, 点 $\mathrm P$ が点 $(2,\ 1)$ または $(3,\ 2)$ を通る確率を求めよ.

解答例

 点 $\mathrm P$ の進み方は, 合計 $7$ 個の「表」と「裏」の順列で表される. 各回表か裏かを決めれば良いから, その総数は $2^7$ 通り.
また, 原点から点 $(a,\ b)$ までの進み方は, $a$ 個の「表」と $b$ 個の「裏」を並べる順列の総数 $_{a+b}\mathrm C_a = {}_{a+b}\mathrm C_b$ に等しい.
(i)
点 $\mathrm P$ が点 $(2,\ 1)$ を通るとき, $(2,\ 1)$ までの進み方が ${}_3\mathrm C_1$ 通りあり, その各々に対して $4$ 回目から $7$ 回目までの進み方が $2^4$ 通りある.
(ii)
点 $\mathrm P$ が点 $(3,\ 2)$ を通るとき, $(3,\ 2)$ までの進み方が ${}_5\mathrm C_2$ 通りあり, その各々に対して $6$ 回目と $7$ 回目の進み方が $2^2$ 通りある.
(iii)
点 $\mathrm P$ が点 $(2,\ 1)$ と $(3,\ 2)$ を通るとき, $(2,\ 1)$ までの進み方が ${}_3\mathrm C_1$ 通り, そこから $(3,\ 2)$ までの進み方が ${}_2\mathrm C_1$ 通り, $6$ 回目と $7$ 回目の進み方が $2^2$ 通りある.
よって, 求める確率は, \begin{align*} &\frac{{}_3\mathrm C_1\cdot 2^4+{}_5\mathrm C_2\cdot 2^2-{}_3\mathrm C_1\cdot {}_2\mathrm C_1\cdot 2^2}{2^7} \\ &= \frac{3\cdot 2^2+10-3\cdot 2}{2^5} = \frac{1}{2}. \end{align*}

問題≪$5$ 番勝負の確率≫

 A, B が引き分けなしの勝負を $5$ 回行い, 先に $3$ 回勝った方を優勝とする. A の B に勝つ確率が $\dfrac{2}{3}$ であるとき, 優勝の決まる確率が最も高いのは何回目か.

解答例

 各回で引き分けはないから, B の A に勝つ確率は $\dfrac{1}{3}$ であり, 優勝は $3$~$5$ 回目で決まる.
(i)
$3$ 回目で優勝が決まる確率は, \[\left(\frac{2}{3}\right) ^3+\left(\frac{1}{3}\right) ^3 = \frac{8}{27}+\frac{1}{27} = \frac{1}{3}.\]
(ii)
$4$ 回目で優勝が決まる確率は, \[ {}_3\mathrm C_2\left(\frac{2}{3}\right) ^2\frac{1}{3}\!\times\!\frac{2}{3}\! +\!{}_3\mathrm C_2\left(\frac{1}{3}\right) ^2\frac{2}{3}\!\times\!\frac{1}{3} \!=\! \frac{8}{27}\! +\!\frac{2}{27} \!=\! \frac{10}{27}.\]
(iii)
$5$ 回目で優勝が決まる確率は, \[ 1-\frac{1}{3}-\frac{10}{27} = \frac{8}{27}.\]
(i)~(iii) の確率を比較すると, 優勝の決まる確率が最も高いのは $4$ 回目であることが分かる.

解説

 A の B に対するセット奪取率が $\dfrac{2}{3}$ である場合, A と B が $5$ セットマッチでテニスの試合をしたとき, 第 $4$ セットで試合が終わる確率が一番高いが, 試合が第 $5$ セットまでもつれ込む確率と $\dfrac{2}{27}$ しか違わないのは意外な結果かもしれない. このように, 確率の問題は実際に計算してみなければ分からないこともよくあるので注意が必要である.

問題≪じゃんけんの確率≫

(a1)
$3$ 人がじゃんけんで順位を決めるとき, ちょうど $n$ 回目でその順位が確定する確率を求めよ.
(a2)
$3$ 人がじゃんけんで順位を決めるとき, $n$ 回以下で順位が確定する確率を求めよ.
(b1)
勝者が $1$ 人になるまで $3$ 人がじゃんけんを繰り返すとき, $n$ 回以下で終わる確率を求めよ.
(b2)
勝者が $1$ 人になるまで $3$ 人がじゃんけんを繰り返すとき, ちょうど $n$ 回目で終わる確率を求めよ.
ただし, $3$ 人ともグー, チョキ, パーの各手を出す確率は $\dfrac{1}{3}$ であるとする.

解答例

(a1)
ちょうど $n$ 回目に $3$ 人の順位が確定するのは, $1 \leqq k \leqq n-1$ なるある整数 $k$ に対してちょうど $k$ 回目に $3$ 人のじゃんけんで勝負がつき, $n$ 回目に $2$ 人のじゃんけんで勝負がつくときに限る.
$3$ 人がじゃんけんをしてあいこになるのは, 次の場合に限る:
(i)
$3$ 人が同じ手の場合. 全部で $3$ 通りある.
(ii)
$3$ 人が互いに異なる手を出す場合. 全部で $3!$ 通りある.
(i), (ii) は排反だから, $3$ 人があいこになる確率は \[\frac{3+3!}{3^3} = \frac{1}{3}\] である. よって, $3$ 人のじゃんけんで勝負がつく確率は \[ 1-\frac{1}{3} = \frac{2}{3}\] である. また, $2$ 人がじゃんけんをしてあいこになるのは $2$ 人が同じ手を出す場合に限るから, その確率は \[\frac{3}{3^2} = \frac{1}{3}\] である. よって, $2$ 人がじゃんけんをして勝負がつく確率は \[ 1-\frac{1}{3} = \frac{2}{3}\] である. ゆえに, 求める確率は \begin{align*} &\sum\limits_{k = 1}^{n-1}\left(\frac{1}{3}\right) ^{k-1}\frac{2}{3}\cdot\left(\frac{1}{3}\right) ^{n-k-1}\frac{2}{3} \\ &= \sum\limits_{k = 1}^{n-1}\frac{4}{3^n} = \frac{4(n-1)}{3^n} \end{align*} である.
(a2)
$n \geqq 2$ のとき, \[ S = \frac{0}{3^1}+\dfrac{4}{3^2}+\cdots +\frac{4(n-1)}{3^n}\] とおくと, \[\frac{1}{3}S = \frac{0}{3^2}+\cdots +\frac{4(n-2)}{3^n}+\frac{4(n-1)}{3^{n+1}}\] となるから, 辺々を引くと \begin{align*} \frac{2}{3}S &= \frac{4}{3^2}+\cdots +\frac{4}{3^n}-\frac{4(n-1)}{3^{n+1}} \\ &= \frac{\dfrac{4}{9}\left( 1-\dfrac{1}{3^{n-1}}\right)}{1-\dfrac{1}{3}}-\frac{n-1}{3^{n+1}} \end{align*} となり, \[ S = 1-\frac{1}{3^{n-1}}-\frac{3}{2}\cdot\frac{4(n-1)}{3^{n+1}} = \frac{3^n-2n-1}{3^n}\] となる. これは $n = 1$ のときも成り立つ. ゆえに, 求める確率は \[ S = \frac{3^n-2n-1}{3^n}\] である.
(b1)
$1$ 回の対戦で $3$ 人全員が勝ち残るのは, あいこになる場合で, $3$ 人とも同じ手であるか $3$ 人とも異なる手である場合だから, その確率は \[\frac{3+3!}{3^3} = \frac{1}{3}\] である. $1$ 回の対戦で $3$ 人中 $2$ 人だけが勝ち残るとき, 誰が勝ち残るかで ${}_3\mathrm C_2$ 通り, どの手で勝つかで $3$ 通りあるから, その確率は \[\frac{{}_3\mathrm C_2\times 3}{3^3} = \frac{1}{3}\] である. よって, $1$ 回の対戦で $3$ 人中勝者が $1$ 人である確率は \[ 1-\frac{1}{3}-\frac{1}{3} = \frac{1}{3}\] である. また, $2$ 人の対戦であいこになる確率は \[\frac{3}{3^2} = \frac{1}{3}\] である. $n$ 回以下で終わらないのは, 次の場合に限る:
(i)
$n$ 回 $3$ 人のあいこが続く場合. その確率は \[\left(\frac{1}{3}\right) ^n = \frac{1}{3^n}\] である.
(ii)
$1 \leqq k < n$ なるある整数 $k$ について, $k$ 回目まで $3$ 人のあいこが続き, $n$ 回目まで $2$ 人のあいこが続く場合. その確率は \[ (n-1)\left(\frac{1}{3}\right) ^n = \frac{n-1}{3^n}\] である.
(iii)
$n$ 回 $2$ 人のあいこが続く場合. その確率は \[\left(\frac{1}{3}\right) ^n = \frac{1}{3^n}\] である.
(i)~(iii) は互いに排反であるから, $n$ 回以下で終わらない確率は \[\frac{1}{3^n}+\frac{n-1}{3^n}+\frac{1}{3^n} = \frac{n+1}{3^n}\] である. ゆえに, $n$ 回以下で終わる確率は \[ 1-\frac{n+1}{3^n}\] である.
(b2)
準備中.

問題≪反復試行の確率の最大値≫

 $1$ の目が $3$ 回出るまでさいころを振る. ちょうど $n$ 回目で終了する確率 $p_n$ が最大となるような $n$ の値を求めよ.

解答例

 明らかに, $p_1 = p_2 = 0.$
$n \geqq 3$ のとき, ちょうど $n$ 回目で終わるには $n-1$ 回目までに $2$ 回だけ $1$ の目が出て $n$ 回目に $3$ 度目の $1$ の目が出れば良いから, $$p_n = {}_{n-1}\mathrm C_2\left(\frac{1}{6}\right)^2\left(\frac{5}{6}\right) ^{n-3}\cdot\frac{1}{6} = \frac{(n-1)(n-2)5^{n-3}}{2\cdot 6^n}.$$ よって, \begin{align*} \frac{p_n}{p_{n+1}} &= \frac{(n-1)(n-2)5^{n-3}}{2\cdot 6^n}\cdot\frac{2\cdot 6^{n+1}}{n(n-1)5^{n-2}} \\ &= \frac{6(n-2)}{5n}. \end{align*} したがって, \begin{align*} p_n \leqq p_{n+1} &\iff \frac{p_n}{p_{n+1}} \leqq 1 \iff \frac{6(n-2)}{5n} \leqq 1 \\ &\iff 6(n-2) \leqq 5n \iff n \leqq 12, \\ p_n \geqq p_{n+1} &\iff n \geqq 12. \end{align*} よって, $$p_1 = p_2 < p_3 < \cdots < p_{11} < p_{12} = p_{13} > p_{14} > \cdots$$ となるから, 求める $n$ の値は $$n = 12,\ 13.$$

条件付き確率

問題≪くじ引きの公平性≫

 $n$ 本中当たりが $r$ 本入ったくじを引く確率は, 引く順番によらず $\dfrac{r}{n}$ であることを示せ. ただし, $1$ 度引いたくじはもとに戻さないものとする.

解答例

 準備中.

問題≪さいころの条件付き確率≫

 $3$ 個のさいころを同時に振るとき, 少なくとも $1$ 個は $1$ の目が出るという事象を $A,$ すべて異なる目が出るという事象を $B$ とおく. 次の条件付き確率を求めよ. ただし, 事象 $C$ が起こったという前提の下で事象 $D$ が起こる確率を $P_C(D)$ で表す.
(a)
$P_A(B).$ 
(b)
$P_B(A).$ 

解答例

 $A$ が起こるのは $1$ 以外の目が $3$ 個出ない場合だから, その確率は \[ P(A) = \frac{6^3-5^3}{6^3} = \frac{91}{6^3}.\] $B$ が起こるのは $6$ 個の数字のうちの異なる $3$ 個がさいころの上面に並ぶ場合だから, その確率は \[ P(B) = \frac{{}_6\mathrm P_3}{6^3} = \frac{120}{6^3}.\] $A$ と $B$ が同時に起こるのは $1$ 以外の $2$ 個の数字と $1$ がさいころの上面に並ぶ場合だから, その確率は \[ P(A\cap B) = P(B\cap A) = \frac{3!{}_5\mathrm C_2}{6^3} = \frac{60}{6^3}.\]
(a)
\[ P_A(B) = \frac{P(A\cap B)}{P(A)} = \frac{60/3^3}{91/6^3} = \frac{60}{91}.\]
(b)
\[ P_B(A) = \frac{P(B\cap A)}{P(B)} = \frac{60/3^3}{120/6^3} = \frac{1}{2}.\]

問題≪検査の条件付き確率≫

 ある病気の検査において, 実際にその病気にかかっている人を検査すれば, $0.99$ の確率で陽性になり, $0.01$ の確率で陰性になる. また, かかっていない人を検査すれば, $0.89$ の確率で陰性になり, $0.11$ の確率で陽性になる. その病気にかかっている人が $0.001$ の確率で存在するとき, 検査で陽性になった人が実際に病気にかかっている確率を求めよ.

解答例

 検査で陽性になるという事象を $A,$ 病気にかかっているという事象を $B$ とおく.
$A$ が起こるのは, 実際に病気にかかっていて検査で陽性になる場合と, かかっていなくて陽性になる場合だから, その確率は \[ P(A) = 0.001\times 0.99+0.999\times 0.11.\] また, $A$ と $B$ が同時に起こる確率は, \[ P(A\cap B) = P(B\cap A) = 0.001\times 0.99.\] ゆえに, 求める確率は, \begin{align*} P_A(B) &= \frac{P(A\cap B)}{P(A)} = \frac{0.001\times 0.99}{0.001\times 0.99+0.999\times 0.11} \\ &= \frac{1\times 99}{1\times 99+999\times 11} = \frac{1}{112}. \end{align*}

解説

 病気にかかっていない人の割合が圧倒的に大きいため, 検査で陽性になっても実際に病気にかかっている可能性はかなり低い.

問題≪くじ引きと確率の乗法定理≫

 $10$ 本中当たりが $3$ 本であるくじにおいて,
(a)
$2$ 回目に当たりを引く確率を求めよ.
(b)
$3$ 回目に当たりを引く確率を求めよ.
ただし, $1$ 度引いたくじは元に戻さないものとする.

解答例

(a)
$1$ 回目に当たりを引いたとき $2$ 回目に残された当たりくじは $9$ 本中 $2$ 本, $1$ 回目にはずれを引いたとき $2$ 回目に残された当たりくじは $9$ 本中 $3$ 本だから, 求める確率は \[\frac{3}{10}\cdot\frac{2}{9}+\frac{7}{10}\cdot\frac{3}{9} = \frac{3}{10}.\]
(b)
$1$ 回目と $2$ 回目の当落について (当, 当), (当, 落), (落, 当), (落, 落) の $4$ 通りがある. (a) と同様に考えると, 求める確率は \begin{align*} &\frac{3}{10}\cdot\frac{2}{9}\cdot\frac{1}{8}+\frac{3}{10}\cdot\frac{7}{9}\cdot\frac{2}{8} \\ &\quad +\frac{7}{10}\cdot\frac{3}{9}\cdot\frac{2}{8}+\frac{7}{10}\cdot\frac{6}{9}\cdot\frac{3}{8} = \frac{3}{10}. \end{align*}

問題≪勝敗の条件付き確率≫

 勝率 $5$ 割のチーム T が $3$ チーム A, B, C と対戦して少なくとも $1$ チームに勝った. A に勝った確率を求めよ.

解答例

 チーム T が A, B, C に勝つという事象をそれぞれ $A,$ $B,$ $C$ とおく. 少なくとも $1$ チームに勝つという事象を $D$ とおくと, \[ D = A\cup B\cup C.\] T の勝率は $\dfrac{1}{2}$ だから, \begin{align*} P(D\cap A) &= P(A) = \dfrac{1}{2} \quad (\because D\cap A = A), \\ P(D) &= 1 -P(\bar D) = 1-\left(\frac{1}{2}\right) ^3 = \frac{7}{8}. \end{align*} よって, 求める確率は, \[ P_D(A) = \frac{P(D\cap A)}{P(D)} = \frac{1}{2}\div\frac{7}{8} = \frac{4}{7}.\]

問題≪検品に関する原因の確率≫

 正しく検品できる確率 $99\%$ の人 $2$ 人が良品率 $95\%$ の製品 $1$ つを検品し, $2$ 人とも良品と判断した. これが本当に良品である確率を求めよ.

解答例

 製品が良品であるという事象を $A,$ $2$ 人とも良品と判断するという事象を $B$ とおく.
製品が良品で $2$ 人とも正しく良品と判断する確率は, $$P(A\cap B) = \frac{19}{20}\left(\frac{99}{100}\right) ^2.$$ 製品が不良品で $2$ 人とも間違って良品と判断する確率は, $$P(\overline A\cap B) = \frac{1}{20}\left(\frac{1}{100}\right) ^2.$$ よって, 求める確率は, \begin{align*} P_B(A) &= \frac{P(B\cap A)}{P(B)} = \frac{P(A\cap B)}{P(A\cap B)+P(\overline A\cap B)} \\ &= \frac{\dfrac{19}{20}\left(\dfrac{99}{100}\right) ^2}{\dfrac{19}{20}\left(\dfrac{99}{100}\right) ^2+\dfrac{1}{20}\left(\dfrac{1}{100}\right) ^2} \\ &= \frac{19\cdot 99^2}{19\cdot 99^2+1\cdot 1^2} = \frac{186219}{186220}. \end{align*}

その他

問題≪ポリアの壺≫

 $a$ 個の白玉と $b$ 個の黒玉とが入った壺から $1$ 個を取り出し, その状態の壺に取り出した玉と同色の玉 $c$ 個を加える. この操作を繰り返すとき, $2$ 回目, $3$ 回目に白玉を取り出す確率を求めよ.

解答例

 $n$ 回目に白玉を取り出す確率を $p_n$ とおく.
$n+1$ 回目に取り出された球が $n$ 回目に加えられた球かどうかに着目すると, $$p_{n+1} = \frac{c}{a+b+cn}p_n+\left( 1-\frac{c}{a+b+cn}\right) p_n = p_n.$$ ゆえに, $$p_3 = p_2 = p_1 = \frac{a}{a+b}.$$

別解

 $2$ 回目に白玉を取り出す確率は, \begin{align*} &\frac{a}{a+b}\cdot\frac{a+c}{a+b+c}+\frac{b}{a+b}\cdot\frac{a}{a+b+c} \\ &= \frac{a}{a+b}\cdot\frac{a+c+b}{a+b+c} = \frac{a}{a + b}. \end{align*} $3$ 回目に白球を取り出す確率は, \begin{align*} &\frac{a}{a+b}\cdot\frac{a+c}{a+b+c}\cdot\frac{a+2c}{a+b+2c} \\ &\quad +\frac{a}{a+b}\cdot\frac{b}{a+b+c}\cdot\frac{a+c}{a+b+2c} \\ &\quad +\frac{b}{a+b}\cdot\frac{a}{a+b+c}\cdot\frac{a+c}{a+b+2c} \\ &\quad +\frac{b}{a+b}\cdot\frac{b+c}{a+b+c}\cdot\frac{a}{a+b+2c} \\ &= \frac{a(a+c)(a+2c+b)+ab(a+c+b+c)}{(a+b)(a+b+c)(a+b+2c)} \\ &= \frac{a(a+b+2c)(a+c+b)}{(a+b)(a+b+c)(a+b+2c)} \\ &= \frac{a}{a+b}. \end{align*}

解説

 $n$ 回目に白玉を取り出す確率は $\dfrac{a}{a+b}$ で, $n$ に依らず, $c$ にも依らない.

問題≪確率の比較≫

 白 $2$ 個と黒 $1$ 個の $3$ 個の玉が入った袋 A と, 白 $n$ 個と黒 $10-n$ 個の $10$ 個の玉が入った袋 B とがある. A から $2$ 個を取り出し B に入れて B から $2$ 個を引くとき, 両方とも白である確率を $p(n)$ とおく. また, A から $1$ 個を取り出し B に入れて B から $1$ 個を引くという操作を $2$ 回繰り返すとき, 両方とも白である確率を $q(n)$ とおく. 整数 $n$ を $0 \leqq n \leqq 10$ の範囲で動かすとき, $p(n)$ と $q(n)$ の大小を比較せよ. ただし, $1$ 度引いた球は元に戻さないものとする.

解答例

 前者の場合, 袋 A から B への玉の移し方は $3$ 通り, 玉の引き方は ${}_{12}\mathrm P_2$ 通りある. そのうち, 両方とも白を引くのは, 次の場合に限る.
(i)
白 $2$ 個を移して白玉 $n+2$ 個から $2$ 個を引く.
玉の移し方は $1$ 通り, 玉の引き方は ${}_{n+2}\mathrm P_2$ 通りある.
(ii)
白 $1$ 個, 黒 $1$ 個を移して白玉 $n+1$ 個から $2$ 個を引く.
玉の移し方は $2$ 通り, 玉の引き方は ${}_{n+1}\mathrm P_2$ 通りある.
(i), (ii) は排反だから, $$p(n) = \frac{1\cdot{}_{n+2}\mathrm P_2+2\cdot{}_{n+1}\mathrm P_2}{3\cdot{}_{12}\mathrm P_2}.$$ 後者の場合, 玉の移し方は ${}_3\mathrm P_2$ 通り, 玉の引き方は $11^2$ 通りある. そのうち, 両方とも白を引くのは, 次の場合に限る.
(iii)
$1$ 回目に白 $1$ 個を移して白玉 $n+1$ 個から $1$ 個を引き, $2$ 回目に白 $1$ 個を移して白玉 $n+1$ 個から $1$ 個を引く.
玉の移し方は $2$ 通り, 玉の引き方は $(n+1)^2$ 通りある.
(iv)
$1$ 回目に白 $1$ 個を移して白玉 $n+1$ 個から $1$ 個を引き, $2$ 回目に黒 $1$ 個を移して白玉 $n$ 個から $1$ 個を引く.
玉の移し方は $2$ 通り, 玉の引き方は $(n+1)n$ 通りある.
(v)
$1$ 回目に黒 $1$ 個を移して白玉 $n$ 個から $1$ 個を引き, $2$ 回目に白 $1$ 個を移して白玉 $n$ 個から $1$ 個を引く.
玉の移し方は $2$ 通り, 玉の引き方は $n^2$ 通りある.
(iii), (iv), (v) は排反だから, $$q(n) = \frac{2(n+1)^2+2(n+1)n+2n^2}{{}_3\mathrm P_2\cdot 11^2}.$$ よって, \begin{align*} &3\cdot 11^2\cdot 12\big( p(n)-q(n)\big) \\ &= 11\big( (n+2)(n+1)+2(n+1)n\big) \\ &\qquad -12\big( (n+1)^2+(n+1)n+n^2\big) \\ &= -3n^2+19n-1. \end{align*} $2$ 次不等式 $-3x^2+19x-1 > 0$ を解くと, \[\frac{19-\sqrt{359}}{6} < x < \frac{19+\sqrt{359}}{6}.\] $0 < \dfrac{19-\sqrt{359}}{6} < 1,$ $6 < \dfrac{19+\sqrt{359}}{6} < 7$ より, $1 \leqq n \leqq 6$ のとき $p(n) > q(n)$ であり, $n = 0$ または $7 \leqq n \leqq 10$ のとき $p(n) < q(n).$

問題≪実力が互角で破産する確率≫

 A, B の $2$ 人がそれぞれ $a,$ $b$ 個のあめを持っている. じゃんけんで勝った方が負けた方からあめをもらうという操作をどちらかのあめがなくなるまで行うとき, 最終的に A, B が負ける確率の比を求めよ. ただし, $2$ 人のじゃんけんの実力は互角であるとする.

解答例

 A が $n$ 個, B が $a+b-n$ 個だけあめを持っている状態から最終的に A が負ける確率を $p_n$ とおく. この状態から遡って最初に A がじゃんけんで勝ったかどうかに着目すると, $$p_n = \frac{1}{2}p_{n+1}+\frac{1}{2}p_{n-1}.$$ 変形すると, $$p_{n+1}-p_n = p_n-p_{n-1}.$$ また, $$p_0 = 1, \quad p_{a+b} = 0.$$ よって, $$p_n = 1-\frac{n}{a+b}.$$ ゆえに, 求める比は, $$p_a:(1-p_a) = \left( 1-\frac{a}{a+b}\right):\frac{a}{a+b} = b:a.$$

解説

 $\{ p_n\}_{n = 0}^{a+b}$ は初項 $p_0 = 1,$ 末項 $p_{a+b} = 0,$ 項数 $a+b+1$ の等差数列で, 公差は $-\dfrac{1}{a+b}$ である. ここで初項は $p_1$ でなく $p_0$ としていることに注意されたい.

問題≪くじ引きのサドンデスで勝敗が等確率になる条件≫

 つぼの中に $r$ 個($r \geqq 1$)の赤玉と, $s$ 個($s \geqq 0$)の白玉が入っている. A と B の $2$ 人が, 交互に玉を $1$ 個ずつ取り出し, 先に赤玉を取り出した者を勝者とするゲームを行う. ただし, 取り出した玉は, もとに戻さないものとする.
(1)
ちょうど $k$ 回目(つまり $2$ 人の取り出した玉の合計がちょうど $k$ 個になったとき)に勝者が決まる確率を $p_k$ とするとき, \[ p_k \geqq p_{k+1} \quad (k \geqq 1)\] となることを示せ.
(2)
このゲームを A から始めるとする. すべての $r,$ $s$ に対して, A が勝者となる確率は $\dfrac{1}{2}$ 以上であることを示せ. また, A が勝者となる確率が $\dfrac{1}{2}$ となるための $r,$ $s$ の条件を求めよ.
[1984 京都大]

解答例

 準備中.