COMPASS

真の理解のためのシンプルな数学のノート

数式を枠からはみ出さずに表示するためには, 画面を横に傾けてください(532 ピクセル以上推奨).

数列

理論

定義

 本稿では, 正整数全体を $\mathbb N$ で表すことにする.

定義≪数列(Progression)≫

(1)
$1$ から連続する $m$ 個の正整数から成る有限集合 $\{ n\in \mathbb N|1 \leqq n \leqq m\}$ を定義域とする関数を有限数列(finite progression, sequence of numbers)と呼び, $m$ をその項数(term number)と呼ぶ.
(2)
正整数全体 $\mathbb N$ を定義域とする関数を無限数列(infinite progression, sequence of numbers)と呼ぶ.
(3)
有限数列と無限数列を合わせて数列(progression, sequence of numbers)と呼ぶ. 正整数 $n$ に対応する値を第 $n$ 項($n$-th term), 単に(term)と呼ぶ. 特に, 第 $1$ 項を初項(first term), 項数 $m$ の有限数列の第 $m$ 項を末項(last term)と呼ぶ.
(4)
数列の第 $n$ 項が $1$ つの $n$ の式で表されるとき, これを数列の一般項(genral term)と呼ぶ.
(5)
定義域が $D,$ 第 $n$ 項が $a_n$ の数列を $\{ a_n\} _{n\in D}$ または単に $\{ a_n\}$ で表す. $D = \{ n\in \mathbb N|1 \leqq n \leqq m\}$ のとき $\{ a_n\} _{n = 1}^m,$ $D = \mathbb N$ のとき $\{ a_n\} _{n = 1}^\infty$ で表す. $a_1,$ $a_2,$ $\cdots,$ $a_m$ や $a_1,$ $a_2,$ $\cdots, $ $a_n,$ $\cdots$ のように項を列記して表すこともある.

注意≪数列の定義,記法≫

(1)
$\mathbb N$ の任意の有限部分集合はある正整数 $m$ に対して $\{ n\in \mathbb N|1 \leqq n \leqq m\}$ と, $\mathbb N$ の任意の無限部分集合は $\mathbb N$ と対等だ(一方から他方への全単射が存在する)から, $\mathbb N$ の部分集合を定義域とする任意の関数は有限数列または無限数列と同一視できる. そのため, 正整数全体 $\mathbb N$ の部分集合 $D$ を定義域とする関数を数列と定義する流儀もあるが, 本稿では上記の定義を採用する.
(2)
集合の内包的記法との混乱を避けるため, 第 $n$ 項が $a_n$ の数列は $(a_n)_{n\in D}$ で表すことが多いが, ここでは敢えて日本の高等学校学習指導要領に従うことにする.

注意≪項の列記による数列の表し方の危険性≫

 初項からいくつかの項を列記することで数列を表すことがあるが, この記法はあくまでも補助的なものとして扱われるべきである. 実際, $1,$ $2,$ $4,$ $8,$ $16,$ $\cdots$ は数列 $\{ 2^{n-1}\}$ の項を列記したもののように見える. しかし, 円周上にある $n$ 個の点を結ぶ線分すべてで分けられる円の内部の領域の個数は, 小さい方から順に $1,$ $2,$ $4,$ $8,$ $16,$ $31,$ $\cdots$ となる.

例≪数列≫

(1)
項数が $50,$ 一般項が $2n$ の有限数列を $2,$ $4,$ $6,$ $8,$ $\cdots,$ $100$ で表す. この数列の初項は $2\cdot 1 = 2,$ 末項は $2\cdot 50 = 100.$
(2)
一般項が $n^2$ の無限数列を $1,$ $4,$ $9,$ $16,$ $\cdots,$ $n^2,$ $\cdots$ で表す. この数列の初項は $1^2 = 1,$ 第 $10$ 項は $10^2 = 100.$

定義≪項の値の範囲による数列の名称≫

 各項が正整数, 整数, 有理数, 実数, 複素数である数列を, それぞれ正整数列, 整数列, 有理数列, 実数列, 複素数列と呼ぶ.

部分列

 数列の項を任意に取り出して順番に並べた数列として, 部分列が定義される. 数列を関数として捉えて合成関数の概念を用いると, これは次のように定式化できる.

定義≪部分列(Subprogression)≫

 狭義単調増加な正整数列 $f$ と数列 $\{ a_n\}$ が合成可能なとき, その合成関数 $\{ a_{f(n)}\}$ を $\{ a_n\}$ の部分列(subprogression, subsequence)と呼ぶ.

注意≪合成可能の条件≫

 狭義単調増加な正整数列 $f$ と有限数列 $\{ a_n\} _{n = 1}^m$ が合成可能であるためには $f$ が有限数列で各項が $1 \leqq f(n) \leqq m$ を満たすことが必要十分であり, 任意の狭義単調増加な無限正整数列と無限数列は合成可能であることに注意しておく.

注意≪部分列の定義≫

 正整数全体 $\mathbb N$ の部分集合を定義域とする関数を数列と定義する流儀では, 数列 $\{ a_n\} _{n\in D}$ の定義域 $D$ をその部分集合 $D'$ に制限した数列 $\{ a_n\} _{n\in D'}$ を $\{ a_n\} _{n\in D}$ の部分列と呼ぶ. これは, 包含写像 $i:D'\to D,$ $i(n) = n$ と数列 $\{ a_n\} _{n\in D}$ の合成関数 $\{ a_{i(n)}\} _{n\in D'}$ に他ならない.

例≪部分列≫

(1)
$\{ a_n\}$ は $\{ a_n\}$ の部分列である(恒等関数と $\{ a_n\}$ の合成と見なせる).
(2)
$f(n) = 3n,$ $a_n = 2n$ とおくと $a_{f(n)} = 2\cdot 3n = 6n$ となるから, $\{ 6n\}$ は $\{ 2n\}$ の部分列である.
(3)
$f(n) = n^2,$ $a_n = 2n+1$ とおくと $a_{f(n)} = 2n^2+1$ となるから, $\{ 2n^2+1\}$ は $\{ 2n+1\}$ の部分列である.

漸化式

関数の再帰的定義

 数学的帰納法を応用すると, 正整数全体 $\mathbb N$ を定義域とする関数を再帰的に定義できる.

定理≪関数の再帰的定義(Recursion)≫

 任意の正整数 $m,$ 値 $c_1,$ $\cdots,$ $c_m$ と $m$ 変数ベクトル値関数 \[ G(x_1,\cdots,x_m) = \big( g_1(x_1,\cdots,x_m),\cdots,g_m(x_1,\cdots,x_m)\big)\] に対して, 正整数全体 $\mathbb N$ を定義域とするベクトル値関数 \[ F(n) = \big( f_1(n),\ \cdots,\ f_m(n)\big)\] で関係式 \[\left\{\begin{array}{l} F(1) = (c_1,\ \cdots,\ c_m), \\ F(n+1) = G\big( F(n)\big) \end{array}\right.\] を満たすものがただ $1$ つ存在する.

証明

(i)
$n = 1$ のとき, 明らかに $F(1) = (c_1,\ \cdots,\ c_m)$ を満たすベクトル $F(1)$ がただ $1$ つ存在する.
(ii)
正整数 $n$ に対して条件を満たすベクトル $F(n)$ がただ $1$ つ存在するとすると, \[ F(n+1) = G(F(n))\] を満たすベクトル $F(n+1)$ がただ $1$ つ存在する.
(i), (ii) より, 任意の正整数 $n$ に対して条件を満たすベクトル $F(n)$ がただ $1$ つ存在するから, 条件を満たす関数 $F$ がただ $1$ つ存在する.

漸化式

定義≪漸化式(Recurrence relation)≫

(1)
$h$ を $m$ 変数関数とする. 数列 $\{ a_n\}$ が $a_1,$ $\cdots,$ $a_m$ の値と関係式 \[ a_{n+m} = h(a_n,\ \cdots,\ a_{n+m-1}) \quad \cdots [\spadesuit ]\] により定まるとき, $a_1,$ $\cdots,$ $a_m$ を $\{ a_n\}$ の初期値(initial value)と呼び, $[\spadesuit ]$ を $\{ a_n\}$ の $m+1$ 項間漸化式(recurrence relation between $m+1$ terms)と呼ぶ. $h$ の係数(一般に $n$ の関数で定数とは限らない)を $[\spadesuit ]$ の係数(coefficient)と呼び, $x$ の方程式 \[ x^m = h(1,\ \cdots,\ x^{m-1})\] を $[\spadesuit ]$ の特性方程式(characteristic equotion)と呼ぶ.
(2)
$[\spadesuit ]$ において $h$ が $1$ 次関数である, すなわち数列 $\{ a_n\}$ が$a_1,$ $\cdots,$ $a_m$ の値とある $n$ の関数 $c_n,$ $\cdots,$ $c_{n+m-1},$ $c$ に対する関係式 \[ a_{n+m} = c_na_n+\cdots +c_{n-m+1}a_{n-m+1}+c \quad \cdots [\spadesuit ]'\] により定まるとする. このとき, 漸化式 $[\spadesuit ]'$ は線型(linear)であるという. $c = 0$ のとき $[\spadesuit ]'$ は斉次(homogeneous)であるといい, $c \neq 0$ のとき非斉次(inhomogeneous)であるという. $a_{n+m}-c_na_n-\cdots -c_{n-m+1}a_{n-m+1}$ を $[\spadesuit ]'$ の斉次部分(homogeneous part), $c$ を非斉次部分(inhomogeneous part)と呼ぶ.

証明≪漸化式で定まる数列の存在と一意性≫

 上記の数列 $\{ a_n\}$ は, $m$ 変数ベクトル値関数 \[ G(x_1,\ \cdots,\ x_m) = \big( x_2,\ \cdots,\ x_{m-1},\ h(x_1,\ \cdots,\ x_m)\big)\] に対して関係式 \[ \left\{\begin{array}{l} F(1) = (a_1,\ \cdots,\ a_m), \\ f_2(n) = f_1(n+1),\ \cdots,\ f_m(n) = f_1(n+m-1), \\ F(n+1) = G\big( F(n)\big) \end{array}\right.\] を満たすベクトル値関数 \[ F(n) = \big( f_1(n),\ \cdots,\ f_m(n)\big)\] について, 各正整数 $n$ に $F(n)$ の第 $1$ 成分 $f_1(n)$ を対応させる関数としてただ $1$ つ存在する.

例≪漸化式≫

(1)
$F(1) = 2$ とし, 関数 \[ G(x) = x+2\] に対して定理を適用すると, $a_1 = 2$ と漸化式 \[ a_{n+1} = a_n+2\] を満たす数列 $\{ a_n\}$ が定まる. これは正の偶数全体を小さい順に並べた数列 $2,$ $4,$ $6,$ $8,$ $\cdots$ に他ならない.
(2)
$F(1) = (1, 1)$ とし, ベクトル値関数 \[ G(x,\ y) = (y,\ x+y)\] に対して定理を適用すると, 各正整数 $n$ に $F(n)$ の第 $1$ 成分を対応させる関数として, $a_1 = a_2 = 1$ と漸化式 \[ a_{n+2} = a_n+a_{n+1}\] を満たす数列 $\{ a_n\}$ が定まる.

連立漸化式

定義≪連立漸化式(Simultaneous recurrence relation)≫

 $G$ を $m$ 変数ベクトル値関数とする. 数列 $\{ f_1(n)\},$ $\cdots,$ $\{ f_m(n)\}$ が $f_1(1),$ $\cdots,$ $f_m(1)$ の値と関係式 \[\big( f_1(n+1),\cdots,f_m(n+1)\big) = G\big( f_1(n),\cdots,f_m(n)\big) \quad \cdots [\heartsuit ] \end{align*} により定まるとき, $f_1(1),$ $\cdots,$ $f_m(1)$ を $\{ f_1(n)\},$ $\cdots,$ $\{ f_m(n)\}$ の初期値と呼び, $[\heartsuit ]$ を $\{ f_1(n)\},$ $\cdots,$ $\{ f_m(n)\}$ の連立漸化式(simultaneous recurrence relation)と呼ぶ.

例≪連立漸化式≫

 $a,$ $b$ を非負の実数とする. $F(1) = (a,\ b)$ とし, ベクトル値関数 \[ G(x,\ y) = \left(\dfrac{x+y}{2},\ \sqrt{xy}\right)\] に対して定理を適用すると, 各正整数 $n$ に $F(n)$ の第 $1$ 成分, 第 $2$ 成分を対応させる関数として, $a_1 = a,$ $b_1 = b$ と漸化式 \[\left\{\begin{array}{l} a_{n+1} = \dfrac{a_n+b_n}{2}, \\ b_{n+1} = \sqrt{a_nb_n} \end{array}\right.\] を満たす数列 $\{ a_n\},$ $\{ b_n\}$ が定まる.

数列の和

 数列の和 $a_m+a_{m+1}+a_{m+2}+\cdots +a_n$ の項のとり方の曖昧さを解消するため, 次の記号を導入する:

定義≪数列の和≫

(1)
$m,$ $n$ を整数とする. $\{ k\in \mathbb Z|m \leqq k \leqq n\}$ を含む整数全体 $\mathbb Z$ の部分集合 $D$ を定義域とする関数 $f$ に対して, $k = m$ から $n$ までの $f(k)$ の和 $\sum _{k = m}^nf(k)$ を初期値 $\sum _{k = m}^mf(k) = f(m)$ と漸化式 \[\sum\limits_{k = m}^\ell f(k) = \sum\limits_{k = m}^{\ell -1}f(k)+f(\ell ) \quad (m < \ell \leqq n)\] により定める. この記号において文字 $k$ を $m,$ $n$ に無関係な文字に置き換えたものも同じ値を表すので, $k$ をダミー(dummy)と呼ぶ.
(2)
特に $f$ が数列 $\{ a_n\}$ のとき, $\sum _{k = m}^na_k$ を $\{ a_n\}$ の第 $m$ 項から第 $n$ 項までの和と呼ぶ.
 この記号の読み方に決まりはないが,「シグマ, $k,$ イコール $m$ から $n$ まで, $a_k$」と読む人が多い. 「シグマ」の部分は「サメーション」(summation)と読む人もいる.
 次の意味で, 総和は分割可能で, 総和をとる順番は自由で, 和・定数倍と総和をとる操作は交換可能である.

定理≪数列の和の性質≫

 $m,$ $n$ を正整数とする. 数列 $\{ a_n\},$ $\{ b_n\}$ において, $m \leqq k \leqq n$ なる各整数 $k$ に対し第 $k$ 項が定義されるとき,
(1)
結合法則: $m \leqq \ell < n$ なる任意の整数 $\ell$ に対して, \[\sum\limits_{k = m}^na_k = \sum\limits_{k = m}^\ell a_k+\sum\limits_{k = \ell +1}^na_k.\]
(2)
交換法則: $\{ m,\ \cdots,\ n\} = \{\sigma (m),\ \cdots,\ \sigma (n)\}$ のとき, \begin{align*} \sum\limits_{k = m}^na_{\sigma (k)} &= \sum\limits_{k = m}^na_k \quad \cdots (i). \\ \sum\limits_{k = m}^n(a_k+b_k) &= \sum\limits_{k = m}^na_k+\sum\limits_{k = m}^nb_k \quad \cdots (ii). \end{align*}
(3)
分配法則: 任意の定数 $\lambda$ に対して, \[\lambda\sum\limits_{k = m}^na_k = \sum\limits_{k = m}^n\lambda a_k.\]

証明

(1)
加法に関する結合法則より従う.
(2)
(i)
加法に関する交換法則より従う.
(ii)
加法に関する結合法則, 交換法則より従う.
(3)
加法・乗法に関する分配法則より従う.

多項式で表される数列の和

定理≪正整数の累乗の和≫

(1)
$\sum\limits_{k = 1}^n1 = n.$ よって, 任意の定数 $\lambda$ に対して, $\sum\limits_{k = 1}^n\lambda = n\lambda.$
(2)
$\sum\limits_{k = 1}^nk = \dfrac{1}{2}n(n+1).$
(3)
$\sum\limits_{k = 1}^nk^2 = \dfrac{1}{6}n(n+1)(2n+1).$
(4)
$\sum\limits_{k = 1}^nk^3 = \left(\dfrac{1}{2}n(n+1)\right) ^2 = \dfrac{1}{4}n^2(n+1)^2.$

証明

(1)
明らか.
(2)
$S_n = \sum _{k = 1}^nk$ とおく.
\begin{align*} 2S_n &= \sum\limits_{k = 1}^nk\!+\!\sum\limits_{k = 1}^n(n\!-\!k\!+\!1) = \sum\limits_{k = 1}^n\big( k\!+\!(n\!-\!k\!+\!1)\big) \\ &= \sum\limits_{k = 1}^n(n+1) = n(n+1) \end{align*} より, \[ S_n = \frac{1}{2}n(n+1).\]
(3)
$T_n = \sum _{k = 1}^nk^2$ とおく.
(i)
$n \geq 2$ のとき, 恒等式 \[ (k+1)^3-k^3 = 3k^2+3k+1\] に $k = 1,$ $\cdots,$ $n$ を代入して辺々を加えると \[\sum\limits_{k = 1}^n((k+1)^3-k^3) = \sum\limits_{k = 1}^n (3k^2+3k+1)\] より \[ (n+1)^3-1 = 3T_n+3S_n+n\] となるから, \begin{align*} 3T_n &= (n+1)^3-3S_n-(n+1) \\ &= (n+1)^3-3\cdot\frac{1}{2}n(n+1)-(n+1) \\ &= \frac{1}{2}(n+1)(2(n+1)^2-3n-2) \\ &= \frac{1}{2}(n\!+\!1)(2n^2\!+\!n) \!=\! \frac{1}{2}n(n\!+\!1)(2n\!+\!1). \\ \therefore T_n &= \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1). \end{align*}
(ii)
$\dfrac{1}{6}\cdot 1\cdot (1+1)\cdot (2\cdot 1+1) = 1 = 1^2$ より, これは $n = 1$ のときも成り立つ.
(4)
$U_n = \sum _{k = 1}^nk^3$ とおく.
(i)
$n \geq 2$ のとき, 恒等式 \[ (k+1)^4-k^4 = 4k^3+6k^2+4k+1\] に $k = 1,$ $\cdots,$ $n$ を代入して辺々を加えると \[\sum\limits_{k = 1}^n\big( (k+1)^4-k^4\big) = \sum\limits_{k = 1}^n (4k^3+6k^2+4k+1)\] より \[ (n+1)^4-1 = 4U_n+6T_n+4S_n+n\] となるから, \begin{align*} 4U_n &= (n+1)^4-6T_n-4S_n-(n+1) \\ &= (n\!+\!1)\big( (n\!+\!1)^3\!-\!n(2n\!+\!1)\!-\!2n\!-\!1\big) \\ &= (n+1)(n^3+n^2) = n^2(n+1)^2. \\ \therefore U_n &= \frac{1}{4}n^2(n+1)^2 = \left(\frac{1}{2}n(n+1)\right) ^2. \end{align*}
(ii)
$\left(\dfrac{1}{2}\cdot 1\cdot (1+1)\right) ^2 = 1= 1^3$ より, これは $n = 1$ のときも成り立つ.

例≪多項式で表される数列の和≫

(1)
$n$ 番目までの奇数の和を $S_n$ とおくと, \begin{align*} S_n &= \sum\limits_{k = 1}^n(2k-1) = 2\sum\limits_{k = 1}^nk-\sum\limits_{k = 1}^n1 \\ &= 2\cdot\dfrac{1}{2}n(n+1)-n = n^2. \end{align*} よって, $1 = 2\cdot 1-1$ から $99 = 2\cdot 50-1$ までの奇数の和は, $S_{50} = 50^2 = 2500.$
(2)
$n$ 番目までの奇数の平方数の和を $T_n$ とおくと, \begin{align*} T_n &= \sum\limits_{k = 1}^n(2k-1)^2 = \sum\limits_{k = 1}^n(4k^2-4k+1) \\ &= 4\sum\limits_{k = 1}^nk^2-4\sum\limits_{k = 1}^nk+\sum\limits_{k = 1}^n1 \\ &= 4\cdot\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)-4\cdot\frac{1}{2}n(n+1)+n \\ &= \frac{1}{3}n(2(n+1)(2n+1)-6(n+1)+3) \\ &= \frac{1}{3}n(4n^2-1) = \frac{1}{3}n(2n-1)(2n+1). \end{align*} よって, $1^2$ から $99^2$ までの奇数の平方数の和は, $T_{50} = \dfrac{1}{3}\cdot 50\cdot 99\cdot 101 = 166650.$

階差数列

定義

定義≪階差数列(Progression of differences)≫

 数列 $\{ a_n\}$ に対して, その隣り合う $2$ 項の差の成す数列 $\{ a_{n+1}-a_n\}$ を $\{ a_n\}$ の階差数列(progression of differences, difference sequence)と呼ぶ.

例≪階差数列≫

(1)
任意の等差数列の階差数列は, 各項が公差の定数列である.
(2)
数列 $\{ n^2\}$ の階差数列の一般項は, \[ (n+1)^2-n^2 = 2n+1.\]
(3)
数列 $\{ 2^n\}$ の階差数列の一般項は, \[ 2^{n+1}-2^n = 2^n(2-1) = 2^n.\]
(4)
数列 $\{ a_n\}$ の初項から第 $n$ 項までの和が $S_n$ であるとき, $S_{n+1}-S_n = a_{n+1}$ より, $\{ a_{n+1}\}$ は $\{ S_n\}$ の階差数列である.

階差数列と一般項

定理≪階差数列と一般項≫

 数列 $\{ a_n\}$ の階差数列が $\{ b_n\}$ であるとき, 任意の正整数 $n \geqq 2$ に対して, \[ a_n = a_1+\sum\limits_{k = 1}^{n-1}b_k.\]

証明

 $n$ に関する数学帰納法で示す.
(i)
$a_2 = a_1+b_1$ より, $n = 2$ のとき成り立つ.
(ii)
正整数 $n > 2$ に対して \[ a_n = a_1+\sum\limits_{k = 1}^{n-1}b_k \quad \cdots [\ast ]\] を仮定すると, \begin{align*} a_{n+1} &= a_n+b_n = \left( a_1+\sum\limits_{k = 1}^{n-1}b_k\right) +b_n \\ &= a_1+\left(\sum\limits_{k = 1}^{n-1}b_k+b_n\right) = a_1+\sum\limits_{k = 1}^{(n+1)-1}b_k \end{align*} となり, $n$ を $n+1$ に置き換えても $[\ast ]$ が成り立つ.
(i), (ii) より 任意の正整数 $n \geqq 2$ に対して $[\ast ]$ が成り立つ.

例≪階差数列と一般項≫

 初項が $1,$ 階差数列が $\{ 2n+1\}$ の数列 $\{ a_n\}$ の一般項は, $n \geqq 2$ のとき, \begin{align*} a_n &= 1+\sum\limits_{k = 1}^{n-1}(2k+1) = 1+2\sum\limits_{k = 1}^{n-1}k+\sum\limits_{k = 1}^{n-1}1 \\ &= 1+2\cdot\frac{1}{2}(n-1)((n-1)+1)+(n-1) \\ &= 1+(n-1)n+(n-1) = n^2. \end{align*} $a_1 = 1 = 1^2$ より, これは $n = 1$ のときも成り立つ.

数列の和と一般項

  階差数列の例 (4) に関連して, 次の定理が成り立つ:

定理≪数列の和と一般項≫

 数列 $\{ a_n\}$ の初項から第 $n$ 項までの和が $S_n$ であるとき, 任意の正整数 $n \geqq 2$ に対して, $$a_n = S_n-S_{n-1}.$$

証明

 明らか.

例≪数列の和と一般項≫

(1)
初項から第 $n$ 項までの和が $n^2$ である数列 $\{ a_n\}$ の一般項は, $n \geqq 2$ のとき, \begin{align*} a_n &= n^2-(n-1)^2 = n^2-(n^2-2n+1) \\ &= 2n-1. \end{align*} $a_1 = S_1 = 1^2 = 1 = 2\cdot 1-1$ より, これは $n = 1$ のときも成り立つ.
(2)
初項から第 $n$ 項までの和が $2^n-1$ である数列 $\{ a_n\}$ の一般項は, $n \geqq 2$ のとき, \begin{align*} a_n &= (2^n-1)-(2^{n-1}-1) = 2^n-2^{n-1} \\ &= 2^{n-1}(2-1) = 2^{n-1}. \end{align*} $a_1 = S_1 = 2^1-1 = 1 = 2^{1-1}$ より, これは $n = 1$ に対しても成り立つ.

数列の和に関する $2$ 項分離法

定理≪数列の和に関する $2$ 項分離法≫

(1)
数列 $\{ a_n\}$ が数列 $f$ の階差数列である, すなわち任意の正整数 $n$ に対して \[ a_n = f(n+1)-f(n)\] が成り立つならば, \[\sum\limits_{k = 1}^ma_k = f(m+1)-f(1).\]
(2)
数列 $\{ a_n\},\ f$ が任意の正整数 $n$ に対して \[ a_n = f(n)-f(n+1)\] を満たすならば, \[\sum\limits_{k = 1}^ma_k = f(1)-f(m+1).\]

証明

(1)
任意の正整数 $n \geqq 2$ に対して \[ f(n) = f(1)+\sum\limits_{k = 1}^{n-1}a_k\] が成り立つから, $n$ を $n+1$ に置き換えると, 任意の正整数 $n \geqq 1$ に対して \[ f(n+1) = f(1)+\sum\limits_{k = 1}^na_k\] が成り立つ.
(2)
数列 $\{ -a_n\}$ と $f$ は任意の正整数 $n$ に対して \[ -a_n = f(n+1)-f(n)\] を満たすから, (1) より, \begin{align*} -\sum\limits_{k = 1}^ma_k = \sum\limits_{k = 1}^m(-a_k) &= f(m+1)-f(1). \\ \therefore\sum\limits_{k = 1}^ma_k &= f(1)-f(m). \end{align*}

例≪数列の和に関する $2$ 項分離法≫

(1)
各正整数 $k$ に対して \begin{align*} &k(k+1)(k+2)-(k-1)k(k+1) \\ &= k(k+1)((k+2)-(k-1)) = 3k(k+1) \end{align*} より \[ k(k+1) = \dfrac{1}{3}(k(k+1)(k+2)-(k-1)k(k+1)) \] だから, \begin{align*} &\sum\limits_{k = 1}^nk(k+1) \\ &= \frac{1}{3}\sum\limits_{k = 1}^n(k(k+1)(k+2)-(k-1)k(k+1)) \\ &= \frac{1}{3}(n(n+1)(n+2)-0\cdot 1\cdot 2) \\ &= \frac{1}{3}n(n+1)(n+2). \end{align*}
(2)
各正整数 $k$ に対して \[\frac{1}{k}-\frac{1}{k+1} = \frac{(k+1)-k}{k(k+1)} = \frac{1}{k(k+1)}\] だから, \begin{align*} &\sum\limits_{k = 1}^n\frac{1}{k(k+1)} = \sum\limits_{k = 1}^n\left(\frac{1}{k}-\frac{1}{k+1}\right) \\ &= \frac{1}{1}-\frac{1}{n+1} = \frac{(n+1)-1}{n+1} = \frac{n}{n+1}. \end{align*}
(3)
各正整数 $k$ に対して, \begin{align*} &\frac{1}{\sqrt k+\sqrt{k+1}} = \frac{\sqrt {k+1}-\sqrt k}{(\sqrt{k+1}+\sqrt k)(\sqrt{k+1}-\sqrt k)} \\ &= \frac{\sqrt{k+1}-\sqrt k}{(k+1)-k} = \sqrt{k+1}-\sqrt k \end{align*} だから, \begin{align*} &\sum\limits_{k = 1}^n\frac{1}{\sqrt k+\sqrt{k+1}} = \sum\limits_{k = 1}^n(\sqrt{k+1}-\sqrt k) \\ &= \sqrt{n+1}-\sqrt 1 = \sqrt{n+1}-1. \end{align*}
 $\dfrac{1}{x(x+1)} = \dfrac{1}{x}-\dfrac{1}{x+1}$ のように, 有理式 $\dfrac{f}{g}$ ($f,$ $g$: 互いに素な多項式) を, $g$ の真の約多項式を分母とする複数の有理式の和として表すことを, 部分分数分解(partial fraction decomposition)と呼ぶ.

問題

数列の和

問題≪数列の異なる $2$ 項の積の和≫

 一般項が $a_n = 3n-2$ である数列 $\{ a_n\}$ について,
(1)
$\{ a_n\}$ の初項から第 $m$ 項までの和 $S_m$ を求めよ.
(2)
数列 $\{ a_n{}^2\}$ の初項から第 $m$ 項までの和 $T_m$ を求めよ.
(3)
$m > 1$ のとき, $a_1,$ $\cdots,$ $a_m$ から異なる $2$ 項を取り出して作った積 $a_ia_j\ (1 \leqq i < j \leqq m)$ の総和 $U_m$ を求めよ(例えば, $U_2 = a_1a_2,$ $U_3 = a_1a_2+a_1a_3+a_2a_3$).

解答例

(1)
求める和は, \begin{align*} S_m &= \sum\limits_{k = 1}^ma_k = \sum\limits_{k = 1}^m(3k-2) = 3\sum\limits_{k = 1}^mk-2\sum\limits_{k = 1}^m1 \\ &= 3\cdot\frac{1}{2}m(m+1)-2m = \frac{1}{2}m(3(m+1)-4) \\ &= \frac{1}{2}m(3m-1) \quad \cdots [1]. \end{align*}
(2)
求める和は, \begin{align*} T_m &= \sum\limits_{k = 1}^ma_k{}^2 = \sum\limits_{k = 1}^m(3k-2)^2 \\ &= \!\sum\limits_{k = 1}^m(9k^2\!-\!12k\!+\!4) = 9\!\sum\limits_{k = 1}^mk^2\!-\!12\!\sum\limits_{k = 1}^mk\!+\!4\!\sum\limits_{k = 1}^m1 \\ &= 9\cdot\frac{1}{6}m(m\!+\!1)(2m\!+\!1)\!-\!12\cdot\frac{1}{2}m(m\!+\!1)\!+\!4m \\ &= \frac{1}{2}m(3(m+1)(2m+1)-12(m+1)+8) \\ &= \frac{1}{2}m(6m^2-3m-1) \quad \cdots [2]. \end{align*}
(3)
$S_m{}^2 = T_m+2U_m$ と $[1],$ $[2]$ より, 求める和は, \begin{align*} U_m &= \frac{1}{2}(S_m{}^2-T_m) \\ &= \frac{1}{2}\left(\frac{1}{4}m^2(3m-1)^2-\frac{1}{2}m(6m^2-3m-1\right) \\ &= \frac{1}{8}m\big( m(3m-1)^2-2(6m^2-3m-1)\big) \\ &= \frac{1}{8}m(9m^3-18m^2+7m+2). \end{align*}

問題≪連続 $3$ 整数の積の和≫

 任意の正の整数 $n$ に対して, 次の等式が成り立つことを示せ. \[\sum_{k = 1}^nk(k+1)(k+2) = \frac{1}{4}n(n+1)(n+2)(n+3)\ \cdots [\ast ].\]

解答例

\begin{align*} &k(k+1)(k+2)(k+3)-(k-1)k(k+2)(k+2) \\ &= k(k+1)(k+2)\big( (k+3)-(k-1)\big) \\ &= 4k(k+1)(k+2) \end{align*} から, \begin{align*} &k(k+1)(k+2) \\ &= \frac{1}{4}\big( k(k+1)(k+2)(k+3)-(k-1)k(k+2)(k+2)\big). \end{align*} $k = 1,$ $\cdots,$ $n$ を代入して和をとると, $[\ast ]$ が得られる.

別解: 数学的帰納法による

(i)
$n = 1$ のとき, \[ 1\cdot 2\cdot 3 = \frac{1}{4}\cdot 1\cdot 2\cdot 3\cdot 4\] より, $[\ast ]$ が成り立つ.
(ii)
与えられた正の整数 $n$ に対して $[\ast ]$ が成り立つとき, $[\ast ]$ の両辺に $(n+1)(n+2)(n+3)$ を加えると \begin{align*} &\sum_{k = 1}^{n+1}k(k+1)(k+2) \\ &= \frac{1}{4}n(n\!+\!1)(n\!+\!2)(n\!+\!3)\!+\!(n\!+\!1)(n\!+\!2)(n\!+\!3) \\ &= \frac{1}{4}(n+1)(n+2)(n+3)(n+4) \end{align*} となって, $[\ast ]$ において $n$ を $n+1$ に置き換えた等式が成り立つ.
(i), (ii) から, 任意の正の整数 $n$ に対して $[\ast ]$ が成り立つ.

補足

 一般に, 正の整数 $m,$ $n$ に対して, 次の等式が成り立つ. \[\sum_{k = 1}^nk(k\!+\!1)\cdots (k\!+\!m\!-\!1) = \frac{1}{m\!+\!1}n(n\!+\!1)\cdots (n\!+\!m).\]

問題≪連続 $3$ 整数の積の逆数の和≫

 $x$ を変数, $m$ を正整数とする.
(1)
$\dfrac{1}{(x-1)x(x+1)} = \dfrac{p}{(x-1)x}+\dfrac{q}{x(x+1)}$ を満たす定数 $p,$ $q$ の値を求めよ.
(2)
$S_m = \sum\limits_{k = 1}^m\dfrac{1}{k(k+1)(k+2)}$ を $m$ で表せ.

解答例

(1)
与式を変形すると, \begin{align*} &\frac{1}{(x-1)x(x+1)} = \frac{p}{(x-1)x}+\frac{q}{x(x+1)} \\ &= \frac{p(x+1)+q(x-1)}{(x-1)x(x+1)} = \frac{(p+q)x+(p-q)}{(x-1)x(x+1)}. \end{align*} よって, $(p+q)x+(p-q) = 1$ より, \begin{align*} p+q &= 0, & p-q &= 1. \\ \therefore p &= \frac{1}{2}, & q &= -\frac{1}{2}. \end{align*}
(2)
(1) より, \[\frac{1}{(x-1)x(x+1)} = \frac{1}{2}\left(\frac{1}{(x-1)x}-\frac{1}{x(x+1)}\right).\] 正整数 $k$ に対して $x = k+1$ を代入すると \[\frac{1}{k(k+1)(k+2)} = \frac{1}{2}\left(\frac{1}{k(k+1)}-\frac{1}{(k+1)(k+2)}\right)\] となるから, \begin{align*} S_m &= \frac{1}{2}\sum\limits_{k = 1}^m\left(\frac{1}{k(k+1)}-\frac{1}{(k+1)(k+2)}\right) \\ &= \frac{1}{2}\left(\frac{1}{1\cdot 2}-\frac{1}{(m+1)(m+2)}\right) \\ &= \frac{1}{2}\cdot\frac{(m+1)(m+2)-2}{2(m+1)(m+2)} \\ &= \frac{m(m+2)}{4(m+1)(m+2)} = \frac{m}{4(m+1)}. \end{align*}

問題≪数列の和の関係式≫

 各項が正である数列 $\{ a_n\}$ が \[\left(\sum\limits_{k = 1}^na_k\right) ^2 = \sum\limits_{k = 1}^na_k{}^3\] を満たすとき,
(1)
$a_1,$ $a_2,$ $a_3$ を求め, 一般項 $a_n$ を推定せよ.
(2)
(1) の推定が正しいことを示せ.

解答例

(1)
  • $a_1{}^2 = a_1{}^3$ より $a_1{}^2(a_1-1) = 0$ だから, $a_1 > 0$ に注意すると, $a_1 = 1.$
  • $(a_1+a_2)^2 = a_1{}^3+a_2{}^3$ より $(1+a_2)^2 = 1^3+a_2{}^3,$ すなわち $a_2(a_2+1)(a_2-2) = 0$ だから, $a_2 > 0$ に注意すると, $a_2 = 2.$
  • $(a_1+a_2+a_3)^2 = a_1{}^3+a_2{}^3+a_3{}^3$ より $(1+2+a_3)^2 = 1^3+2^3+a_2{}^3,$ すなわち $a_3(a_3+2)(a_2-3) = 0$ だから, $a_3 > 0$ に注意すると, $a_3 = 3.$
よって, $a_n = n$ と推定できる.
(2)
$S_n = \sum _{k = 1}^na_n,$ $T_n = \sum _{k = 1}^na_k{}^3$ とおく.
(i)
$n = 1$ のとき, $a_n = n$ の成立は (1) で確認した.
(ii)
$n$ を与えられた正整数とし, $1 \leqq k \leqq n$ なる任意の整数 $k$ に対して $a_k = k$ を仮定する. このとき, $S_n = \dfrac{1}{2}n(n+1),$ $S_n{}^2 = T_n$ だから, \begin{align*} S_{n+1}{}^2 &= (S_n+a_{n+1})^2 \\ &= S_n{}^2+2S_na_{n+1}+a_{n+1}{}^2 \\ &= T_n+n(n+1)a_{n+1}+a_{n+1}{}^2 \quad \cdots [1]. \end{align*} 一方, $[\ast ]$ より, \[ S_{n+1}{}^2 = T_{n+1} = T_n+a_{n+1}{}^3 \quad \cdots [2].\] $[1],$ $[2]$ の右辺を比較すると, \[ n(n+1)a_{n+1}+a_{n+1}{}^2 = a_{n+1}{}^3\] すなわち \[ a_{n+1}(a_{n+1}+n)\big( a_{n+1}-(n+1)\big) = 0\] となるから, $a_{n+1} > 0$ に注意すると, \[ a_{n+1} = n+1.\]
(i), (ii) より, 任意の正整数 $n$ に対して $a_n = n$ が成り立つ.

解説・方針

  • 等式を満たす数列の一般項を推定し, それを帰納法で示す問題.
  • 与式に $a_1,$ $\cdots,$ $a_n$ がすべて現れるため, 証明の第 $2$ 段階では $n$ 番目までの結果を総動員しないと $a_{n+1}$ を決定できない. そこで, 帰納法の仮定を $n$ 以下の任意の正整数に対して立てる.