COMPASS

真の理解のためのシンプルな数学のノート

数式を枠からはみ出さずに表示するためには, 画面を横に傾けてください(532 ピクセル以上推奨).

接線(数学 III)

接線

定理≪関数のグラフの接線≫

 $x = \alpha$ において微分可能な関数 $f(x)$ のグラフ $y = f(x)$ の点 $(\alpha ,f(\alpha ))$ における接線の方程式は \[ y = f'(\alpha )(x-\alpha )+f(\alpha )\] である.

問題≪座標軸が切り取る星芒形の接線の長さ≫

 媒介変数表示された曲線 \[ C:\begin{cases} x = \cos ^3t, & {} \\ y = \sin ^3t & {} \end{cases}\] の $t$ ($\neq \dfrac{n\pi}{2},$ $n$: 整数)に対応する点での接線が座標軸によって切り取られてできる線分の長さは, $t$ の値によらず一定であることを示せ.

解答例

 $t \neq \dfrac{n\pi}{2}$ ($n$: 整数)とする. このとき, \[\frac{dy}{dx} = \frac{\dfrac{dy}{dt}}{\dfrac{dx}{dt}} = \frac{3\sin ^2t\cos t}{-3\cos ^2t\sin t} = -\tan t\] であるから, 点 $(\cos ^3t,\sin ^3t)$ における $C$ の接線の方程式は \[ y = -\tan t(x-\cos ^3t)+\sin ^3t\] である. この $x$ 切片は \begin{align*} 0 &= -\tan t(x-\cos ^3t)+\sin ^3t \\ \tan t(x-\cos ^3t) &= \sin ^3t \\ x-\cos ^3t &= \frac{\sin ^3t}{\tan t} = \cos t\sin ^2t \end{align*} から \[ x = \cos ^3t+\cos t\sin ^2t = \cos t(\cos ^2t+\sin ^2t) = \cos t\] であり, $y$ 切片は \begin{align*} y &= -\tan t(-\cos ^3t)+\sin ^3t = \sin t\cos ^2t+\sin ^3t \\ &= \sin t(\cos ^2t+\sin ^2t) = \sin t \end{align*} である. ゆえに, $C$ の接線が座標軸によって切り取られてできる線分の長さは \[\sqrt{(0-\cos t)^2+(\sin t-0)^2} = 1\] で, $t$ の値によらず一定である.

背景

  • $x^{\frac{2}{3}}+y^{\frac{2}{3}} \leqq a^{\frac{2}{3}}$ で表される領域, または曲線 $x^{\frac{2}{3}}+y^{\frac{2}{3}} = a^{\frac{2}{3}}$ $(a > 0)$ を「星芒形」または「アステロイド」(asteroid)と呼ぶ.
  • 領域 $x^{\frac{2}{3}}+y^{\frac{2}{3}} \leqq a^{\frac{2}{3}}$ は, $x$ 軸と $y$ 軸の両方に接する長さ $a$ の線分の通過範囲として定まる(こちらも参照).
  • 曲線 $x^{\frac{2}{3}}+y^{\frac{2}{3}} = a^{\frac{2}{3}}$ は, 半径 $a$ の定円の中をその周に沿って半径 $\dfrac{a}{4}$ の円がすべることなく転がるとき, 動円の周上の $1$ 点の軌跡としても定まる.