COMPASS

真の理解のためのシンプルな数学のノート

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接線(数学 III)

問題

接線

問題≪接線の本数≫

 $a$ を定数とする. $xy$ 平面において, 点 $(a,\ 0)$ から曲線 $y = e^{-x^2}$ に引ける接線の本数を求めよ. ただし, $y = e^{-x^2}$ の接線が唯 $1$ つの接点を持つことは証明なしに用いて良い.

解答例

 $f(x) = e^{-x^2}$ とおく. このとき, $$f'(x) = -2xe^{-x^2}.$$ よって, 曲線 $y = e^{-x^2}$ の点 $(t,\ e^{-t^2})$ における接線の方程式は, $$y-e^{-t^2} = -2te^{-t^2}(x-t).$$ これが点 $(a,\ 0)$ を通るとき, $$-e^{-t^2} = -2te^{-t^2}(a-t).$$ 両辺を $e^{-t^2} > 0$ で割って整理すると, $$2t^2-2at+1 = 0 \cdots [1].$$ $y = e^{-x^2}$ の接線は唯 $1$ つの接点を持つから, 点 $(a,\ 0)$ から $y = e^{-x^2}$ に引ける接線の本数は $2$ 次方程式 $[1]$ の実数解の個数に等しい. $[1]$ の判別式を $D$ とおくと, $$\frac{D}{4} = a^2-2.$$ よって, $$D \geqq 0 \iff a \leqq -\sqrt 2,\ \sqrt 2 \leqq a.$$ ゆえに, 点 $(a,\ 0)$ から曲線 $y = e^{-x^2}$ に引ける接線の本数は, $a < -\sqrt 2,$ $\sqrt 2 < a$ のとき $2$ 本, $a = \pm\sqrt 2$ のとき $1$ 本, $-\sqrt 2 < a < \sqrt 2$ のとき $0$ 本.

問題≪$2$ 曲線の共有点における共通接線≫

 曲線 $y = x^2+a,$ $y = \sqrt x\ (x \geqq 0)$ が共有点 $\mathrm P$ を持ち, 点 $\mathrm P$ において共通の接線を持つとき, 点 $\mathrm P$ の座標, 定数 $a$ の値と接線の方程式を求めよ.

解答例

 $f(x) = x^2+a,$ $g(x) = \sqrt x$ とおき, 点 $\mathrm P$ の $x$ 座標を $t$ とおく. このとき, $$f(t) = g(t), \quad f'(t) = g'(t)$$ より, $$t^2+a = \sqrt t \cdots [1], \quad 2t = \frac{1}{2\sqrt t} \cdots [2].$$ $[2]$ より $4t\sqrt t = 1$ だから, 両辺を $2$ 乗すると $16t^3 = 1$ となるが, $t$ は実数だから $$t = \frac{1}{\sqrt[3]{16}} = \frac{1}{\sqrt[3]{4^2}} = 2^{-\frac{4}{3}}.$$ よって, 点 $\mathrm P$ の座標は $\left(\dfrac{1}{\sqrt[3]{16}},\ \dfrac{1}{\sqrt[3]{4}}\right)$ であり, $[1]$ より $$a = \sqrt t-t^2 = \frac{1}{\sqrt[3]{4}}-\frac{1}{4\sqrt[3]{4}} = \frac{3}{4\sqrt[3]{4}}$$ だから, 接線の方程式は \begin{align*} y &= 2t(x-t)+t^2+a = 2tx-t^2+a \\ &= 2\cdot 2^{-\frac{4}{3}}x-\frac{1}{4\sqrt[3]{4}}+\frac{3}{4\sqrt[3]{4}} = 2^{-\frac{1}{3}}x+\frac{2}{4\sqrt[3]{4}}. \\ \therefore y &= \frac{1}{\sqrt[3]{2}}x+\frac{1}{2\sqrt[3]{4}}. \end{align*}

問題≪媒介変数表示された曲線の接線≫

 $t$ を媒介変数として $$\left\{\begin{array}{l} x = e^t\cos\pi t, \\ y = e^t\sin\pi t \end{array}\right.$$ で定まる $xy$ 平面上の曲線の $t = 1$ に対応する点における接線の方程式を求めよ.

解答例

\begin{align*} \frac{dx}{dt} &= e^t(\cos\pi t-\pi\sin\pi t), \\ \frac{dy}{dt} &= e^t(\sin\pi t+\pi\cos\pi t). \\ \therefore\frac{dy}{dx} &= \frac{dy}{dt}\bigg/\frac{dx}{dt} = \frac{\sin\pi t+\pi\cos\pi t}{\cos\pi t-\pi\sin\pi t}. \end{align*} よって, $t = 1$ に対応する点 $(e\cos\pi,\ e\sin\pi )$ すなわち $(-e,\ 0)$ における接線の傾きは $$\left.\frac{dy}{dx}\right|_{t = 1} = \frac{\sin\pi +\pi\cos\pi}{\cos\pi -\pi\sin\pi} = \frac{-\pi}{-1} = \pi$$ だから, 求める接線の方程式は $$y = \pi (x+e).$$

問題≪陰関数表示された曲線の接線の定量問題≫

 曲線 $x^\frac{2}{3}+y^\frac{2}{3} = 1$ の $pq \neq 0$ を満たす点 $\mathrm P(p,\ q)$ における接線 $\ell$ の $x$ 切片, $y$ 切片をそれぞれ $\mathrm A,$ $\mathrm B$ とおく. 線分 $\mathrm{AB}$ の長さは点 $\mathrm P$ の座標によらず一定であることを示せ.

解答例

 $x^\frac{2}{3}+y^\frac{2}{3} = 1$ の両辺を $x$ で微分すると, \begin{align*} &\frac{2}{3}x^{-\frac{1}{3}}+\frac{2}{3}y^{-\frac{1}{3}}\frac{dy}{dx} = 0. \\ \therefore&\frac{dy}{dx} = -\left(\frac{x}{y}\right) ^{-\frac{1}{3}} = -\left(\frac{y}{x}\right) ^\frac{1}{3}. \end{align*} よって, 点 $\mathrm P(p,\ q)$ における接線 $\ell$ の方程式は, $$y-q = -\left(\frac{q}{p}\right) ^\frac{1}{3}(x-p).$$ $\ell$ の $x$ 切片 $\mathrm A$ の $x$ 座標は $$-q = -\left(\frac{q}{p}\right) ^\frac{1}{3}(x-p)$$ を満たすから, $$x = p+q\left(\frac{p}{q}\right) ^\frac{1}{3} = p^\frac{1}{3}(p^\frac{2}{3}+q^\frac{2}{3}) = p^\frac{1}{3}.$$ 同様に, $\ell$ の $y$ 切片 $\mathrm B$ の $y$ 座標は, $q^\frac{1}{3}.$
よって, $\mathrm A(p^\frac{2}{3},\ 0),$ $\mathrm B(0,\ q^\frac{2}{3})$ より, $$\mathrm{AB} = \sqrt{p^\frac{2}{3}+q^\frac{2}{3}} = \sqrt 1 = 1.$$ ゆえに, 線分 $\mathrm{AB}$ の長さは点 $\mathrm P$ の座標によらず一定である.

問題≪$3$ 次関数のグラフの接線に関する対称性≫

 $3$ 次関数 $f(x) = ax^3+bx^2+cx+d$ のグラフ $y = f(x)$ とその点 $\mathrm A(\alpha,\ f(\alpha ))$ における接線の交点が $\mathrm B(\beta,\ f(\beta ))$ で $\alpha \neq \beta$ であるとき,
(1)
$b$ を $a,$ $\alpha,$ $\beta$ で表せ.
(2)
$y = f(x)$ の変曲点を $\mathrm C(\gamma,\ f(\gamma ))$ とおくとき, $\alpha < \gamma < \beta$ または $\beta < \gamma < \alpha$ であること, $\mathrm{AC}:\mathrm{CB} = 1:2$ であることを示せ.
(3)
$f(x)$ が $x = \alpha$ において極値をとるとき, $f(x) = f(\alpha ),$ $x \neq \alpha$ を満たす $x$ の値を $\alpha,$ $\gamma$ で表せ.

解答例

(1)
$f(x) = ax^3+bx^2+cx+d$ より, \begin{align*} f'(x) &= 3ax^2+2bx+c, \\ f''(x) &= 6ax+2b. \end{align*} 曲線 $y = f(x)$ の点 $\mathrm A(\alpha,\ f(\alpha ))$ における接線の方程式を $y = g(x)$ とおき, $h(x) = f(x)-g(x)$ とおく.
$h(x)$ は $3$ 次式で $h(\alpha ) = h(\beta ) = 0,$ $\alpha \neq \beta$ だから, 因数定理より, $$h(x) = a(x-\alpha )(x-\beta )(x-\varepsilon )$$ と書ける. \begin{align*} &h'(x) = f'(x)-g'(x) \\ & = a\big( (x\! -\!\beta )(x\! -\!\varepsilon )\!\! +\!\! (x\! -\!\alpha )(x\! -\!\varepsilon )\!\! +\!\! (x\! -\!\alpha )(x\! -\!\beta )\big) \end{align*} であり, $f'(\alpha ) = g'(\alpha )$ だから, $$h'(\alpha ) = 0 = a(\alpha -\beta )(\alpha -\varepsilon ).$$ $\alpha \neq \beta$ より, $\varepsilon = \alpha$ だから, \begin{align*} h(x) &= a(x-\alpha )^2(x-\beta ). \\ \therefore f(x) &= a(x-\alpha )^2(x-\beta )+g(x). \end{align*} 両辺の $x^2$ の係数を比較すると, $$b = -a(2\alpha +\beta ) \cdots [1].$$
(2)
$f''(\gamma ) = 0$ より, $$6a\gamma +2b = 0 \cdots [2].$$ $[2]$ に $[1]$ を代入して整理すると, \begin{align*} 3\gamma &= 2\alpha +\beta \cdots [3]. \\ \therefore 2(\alpha -\gamma ) &= \gamma -\beta. \end{align*} よって, $\alpha -\gamma,$ $\gamma -\beta$ の符号は一致して, $2\mathrm{AC} = \mathrm{CB}$ すなわち $\mathrm{AC}:\mathrm{CB} = 1:2$ となる.
$[3]$ より $\alpha \neq \gamma,$ $\beta \neq \gamma$ でなければならないことに注意すると, $\alpha < \gamma < \beta$ または $\beta < \gamma < \alpha.$
(3)
$f(x)$ が $x = \alpha$ において極値をとるとき, $y = f(x)$ の点 $\mathrm A$ における接線の方程式は, $y = f(\alpha ).$
$a > 0$ で $f(\alpha )$ が極大値の場合. $x = \alpha$ の十分近くで $f(x)-f(\alpha ) < 0$ だが, $\lim\limits_{x \to \infty}(f(x)-f(\alpha )) = \infty$ だから, 中間値の定理より, $f(x) = f(\alpha ),$ $x \neq \alpha$ を満たす実数 $x = \beta$ が存在する.
他の場合も同様にして $\beta$ の存在が示せる.
この $\beta$ について $[3]$ が成り立つから, 求める $x$ の値は, $$x = \beta = 3\gamma -2\alpha.$$

解説

(1)
$f(x)-g(x) = a(x-\alpha )^2(x-\beta )$ の証明は求められないこともあるが, 因数定理と $f'(\alpha ) = g'(\alpha )$ から導けることは押さえておきたい.
(3)
$\beta$ の存在は図を見れば明らかであるが, その理由を突き詰めると, 上記のように説明できる.