COMPASS

真の理解のためのシンプルな数学のノート

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三角形

問題

三角形の成立条件

問題≪凸四角形の周と対角線の長さの和の大小≫

 すべての角が $180^\circ$ 未満である四角形 $\mathrm{ABCD}$ において, \[\mathrm{AB}+\mathrm{BC}+\mathrm{CD}+\mathrm{DA} > \mathrm{AC}+\mathrm{BD}\] が成り立つことを示せ.

解答例

 $\triangle\mathrm{ABC},$ $\triangle\mathrm{BCD},$ $\triangle\mathrm{CDA},$ $\triangle\mathrm{DAB}$ の成立条件から, \begin{align*} \mathrm{AB}+\mathrm{BC} &> \mathrm{AC}, & \mathrm{BC}+\mathrm{CD} &> \mathrm{BD}, \\ \mathrm{CD}+\mathrm{DA} &> \mathrm{AC}, & \mathrm{DA}+\mathrm{AB} &> \mathrm{BD} \end{align*} が成り立つ. 辺々を加えて $2$ で割ると, 求める不等式が得られる.

問題≪すべての辺長が整数である三角形の個数≫

(1)
周の長さが $12d$ であり, 辺の長さが長い方から $a,$ $b,$ $c$ である三角形において, $a,$ $b,$ $c,$ $d$ がすべて整数であるとする. $a$ のとり得る値の範囲を求めよ.
(2)
(1) の条件を満たす三角形の個数 $N$ を求めよ.

解答例

(1)
$a \geqq b \geqq c$ から, \[ 12d = a+b+c \leqq 3a.\] 三角形の成立条件から, \[ a < b+c = b+(12d-a-b).\] よって, \[ 4d \leqq a < 6d \quad \cdots [1].\]
(2)
$a$ を固定する. $b \geqq c$ から \[ 12d-a = b+c \leqq 2b\] となるので, \[ 6d-\frac{a}{2} \leqq b \leqq a.\] $b$ が決まれば $c$ の値も決まるから, $b$ と $c$ の値の決め方は, $a$ が偶数のとき \[ a-\left( 6d-\frac{a}{2}\right) +1 = \frac{3a}{2}-6d+1,\] 通り, $a$ が奇数のとき \[ a-\left( 6d-\frac{a}{2}+\frac{1}{2}\right) +1 = \left(\frac{3a}{2}-6d+1\right) -\frac{1}{2}\] 通りある. これらを $[1]$ の範囲で足し合わせると, \begin{align*} N &=\sum_{a = 4d}^{6d-1}\left(\frac{3a}{2}-6d+1\right) +d\times \left( -\frac{1}{2}\right) \\ &= \frac{3}{2}\sum_{a = 4d}^{6d-1}a-2d\times (6d-1)-\frac{d}{2} \quad \cdots [2]. \end{align*} ここで, \begin{align*} &\sum_{a = 4d}^{6d-1}a = \sum_{a = 1}^{6d-1}a-\sum_{a = 1}^{4d-1}a \\ &= \frac{(6d-1)6d}{2}-\frac{(4d-1)4d}{2} \\ &= 3d(6d-1)-2d(4d-1) \\ &= 10d^2-d \quad \cdots [3]. \end{align*} $[2]$ に $[3]$ を代入して展開し, 整理すると, \[ N = 3d^2.\]

三角形の形状

問題≪等差数列を成す鈍角三角形の辺長≫

 $d$ を正の数とする. 鈍角三角形の $3$ 辺の長さが $x,$ $x+d,$ $x+2d$ であるとき, $x$ の取り得る値の範囲を $d$ で表せ.

解答例

 $d >0$ より, $x,$ $x+d,$ $x+2d$ のうち $x$ が最小, $x+2d$ が最大である.
よって, この $3$ 数を辺長とする三角形が存在するための条件は \[ x > 0, \quad x+(x+d) > x+2d\] だから, \[ x > d \quad \cdots [1].\] さらに, その三角形が鈍角三角形であるための条件は, \[ x^2+(x+d)^2 < (x+2d)^2.\] この不等式は $x^2-2dx-3d^2 < 0$ すなわち $(x+d)(x-3d) < 0$ と同値だから, \[ -d < x < 3d \quad \cdots [2].\] $[1],$ $[2]$ より, \[ d < x < 3d.\]

その他

問題≪正三角形上の $5$ 点間の距離≫

 $1$ 辺の長さが $2$ の正三角形の周または内部に $5$ 点をとる. そのうちの $2$ 点を結ぶ線分の距離の最小値は $1$ 以下であることを示せ.

解答例

 正三角形の各中点を結んで $4$ つの小正三角形に分割する. ただし, 中央の三角形は境界線上の点を含まないとする.
このとき, 鳩の巣原理により, 与えられた $5$ 点のうち少なくとも $2$ 点は同じ正三角形上にある.
よって, これらの $2$ 点間の距離は $1$ 以下であるから, 題意が示された.

問題≪ピタゴラス三角形の辺の和と積の整除関係≫

 $3$ 辺の長さがすべて整数である直角三角形において, 次のことを示せ.
(1)
内接円の半径は整数である.
(2)
$3$ 辺の長さの積は $3$ 辺の長さの和で割り切れる.

解答例

 $\angle\mathrm C = 90^\circ$ なる直角三角形 $\mathrm{ABC}$ において, $a = \mathrm{BC},$ $b = \mathrm{CA},$ $c = \mathrm{AB}$ が整数であるとする. また, $\triangle\mathrm{ABC}$ の内接円の半径を $r$ とおく.
(1)
$\triangle\mathrm{ABC}$ の内心 $\mathrm I$ から辺 $\mathrm{BC},$ $\mathrm{CA},$ $\mathrm{AB}$ に下した垂線の足をそれぞれ $\mathrm D,$ $\mathrm E,$ $\mathrm F$ とおくと, \[\triangle\mathrm{AFI} \equiv \triangle\mathrm{AEI}, \quad \triangle\mathrm{BFI} \equiv \triangle\mathrm{BEI}\] となるから, \[\mathrm{AF} = \mathrm{AE} = b-r, \quad \mathrm{BF} = \mathrm {BE} = a-r\] となり, \[ c = \mathrm{AF}+\mathrm{FB} = a+b-2r\] となる. よって, \[ r = \frac{a+b-c}{2}.\]
(i)
$a,$ $b$ の偶奇が一致するとき. $a^2+b^2 = c^2$ は偶数だから, $c$ も偶数である. よって, $a+b-c$ は偶数だから, $r$ は整数である.
(ii)
$a,$ $b$ の偶奇が一致しないとき. $a^2+b^2 = c^2$ は奇数だから, $c$ も奇数である. よって, $a+b-c$ は偶数だから, $r$ は整数である.
(i), (ii) から, 内接円の半径は整数である.
(2)
$\triangle\mathrm{ABC}$ の面積は \[\frac{1}{2}ab = \frac{1}{2}(a+b+c)r.\] と $2$ 通りに表される. よって, \[ r = \frac{ab}{a+b+c}.\] (1) からこれは整数であるので, $ab$ は $a+b+c$ で割り切れる. ゆえに, $abc$ は $a+b+c$ で割り切れる.

問題≪各辺までの距離の和が最大となる三角形上の点≫

 $\mathrm{AB} = 4,$ $\mathrm{BC} = 5,$ $\mathrm{CA} = 3$ を満たす直角三角形 $\mathrm{ABC}$ の内部または周上に点 $\mathrm P$ をとる. $\mathrm P$ と $\mathrm{CA},$ $\mathrm P$ と $\mathrm{AB},$ $\mathrm P$ と $\mathrm{BC}$ の距離をそれぞれ $x,$ $y,$ $z$ とおき, $L = x+y+z$ とおく.
(1)
$x,$ $y,$ $z$ の関係を式で表せ.
(2)
$L$ を $x$ と $y$ で表せ.
(3)
$L$ の最大値, 最小値とそれを実現する $x,$ $y$ の値を求めよ.
[中央大 2012]

(1)
$3x+4y+5z= 12.$ 
(2)
$L = \dfrac{2}{5}x+\dfrac{1}{5}y+\dfrac{12}{5}.$ 
(3)
$x = 4,$ $y = 0$ のとき最大値 $4,$ $x = y = 0$ のとき最小値 $\dfrac{12}{5}.$