COMPASS

真の理解のためのシンプルな数学のノート

数式を枠からはみ出さずに表示するためには, 画面を横に傾けてください(532 ピクセル以上推奨).

円と直線

接弦定理

問題≪三角形のブロカール点の存在≫

 $\triangle\mathrm{ABC}$ の内部に \[\angle\mathrm{PAB} = \angle\mathrm{PBC} = \angle\mathrm{PCA}\] を満たす点 $\mathrm P$ がただ $1$ つ存在することを示せ.

解答例

 $2$ 点 $\mathrm A,$ $\mathrm B$ を通って点 $\mathrm B$ で辺 $\mathrm{BC}$ に接する円 $C_1,$ $2$ 点 $\mathrm B,$ $\mathrm C$ を通って点 $\mathrm C$ で辺 $\mathrm{CA}$ に接する円 $C_2$ の交点のうち, $\mathrm B$ でない方を $\mathrm P$ とおく.
 この点は, 接弦定理により, \[\angle\mathrm{PAB} = \angle\mathrm{PBC} = \angle\mathrm{PCA}\] を満たす.
 さらに, $\angle\mathrm{PCA} = \angle\mathrm{PAB}$ であるから, 接弦定理の逆により, この点 $\mathrm P$ は $2$ 点 $\mathrm C,$ $\mathrm A$ を通って点 $\mathrm A$ で辺 $\mathrm{AB}$ に接する円 $C_3$ の上にある. よって, 題意の点 $\mathrm P$ は $3$ つの円 $C_1,$ $C_2,$ $C_3$ の交点としてただ $1$ 通りに定まる.
 点 $\mathrm P$ は $\angle\mathrm A,$ $\angle\mathrm B$ $\angle\mathrm C$ の内側にあるから, $\triangle\mathrm{ABC}$ の内部にある.

背景

 $\triangle\mathrm{ABC}$ の内部にあり, $\angle\mathrm{PAB} = \angle\mathrm{PBC} = \angle\mathrm{PCA} = \theta,$ $\angle\mathrm P'\mathrm{AC} = \angle\mathrm P'\mathrm{CB} = \angle\mathrm P'\mathrm{BA} = \theta$ を満たす点 $\mathrm P,$ $\mathrm P'$ をそれぞれ「第 $1$ ブロカール点」(first Brocard point),「第 $2$ ブロカール点」(second Brocard point), $\theta$ を「ブロカール角」(Brocard angle)と呼ぶ.

方べきの定理

問題≪レギオモンタヌスの問題≫

 水平面上の点 $\mathrm O$ の真上に相異なる $2$ 点 $\mathrm A,$ $\mathrm B$ をとる. $\angle\mathrm{APB}$ が最大となるような水平面上の点 $\mathrm P$ に対して, $a = \mathrm{OA},$ $b = \mathrm{OB}$ を用いて距離 $\mathrm{OP}$ を表せ.

解答例

 $2$ 点 $\mathrm A,$ $\mathrm B$ を通り, 直線 $\mathrm{OP}$ に点 $\mathrm T$ で接する円 $C$ を考える.
$\mathrm P \neq \mathrm T$ のときは線分 $\mathrm{BP}$ と $C$ の交点を $\mathrm Q$ とおくと \[\angle\mathrm{APB} < \angle\mathrm{AQB} = \angle\mathrm{ATB}\] となってしまうから, $\mathrm P = \mathrm T$ である. よって, 方べきの定理により \[\mathrm{OP}^2 = \mathrm{OA}\cdot\mathrm{OB} = ab\] であるから, $\mathrm{OP} = \sqrt{ab}$ である.

背景

 本問は, 中世ドイツの天文学者・数学者のレギオモンタヌス(Regiomontanus)によって考え出された(1471 年). 本問に結果から, 高い建物の窓や, 高い位置に掲げられた絵画を見上げるとき, どの位置に立つのが最も好ましいのかが分かる.
 三角関数の加法定理を使った別解については, こちらを参照されたい.