COMPASS

真の理解のためのシンプルな数学のノート

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体積

非回転体の体積

問題≪$2$ 本の円柱の共通部分の体積≫

 $2$ 本の円柱 \[ y^2+z^2 \leqq 1, \quad x^2+z^2 \leqq 1\] の共通部分の体積 $V$ を求めよ.

解答例

 $|x| \leqq 1,$ $|y| \leqq 1$ の範囲で考えれば十分である. $|t| < 1$ のとき, 平面 $z = t$ による各円柱の切り口は, 図のように長方形
$\left\{\begin{array}{l} |x| \leqq 1, \\ |y| \leqq \sqrt{1-t^2} \end{array}\right.$ と $\left\{\begin{array}{l} |y| \leqq 1, \\ |x| \leqq \sqrt{1-t^2} \end{array}\right.$
になるから, 平面 $z = t$ による円柱の共通部分の切り口は正方形 \[\left\{\begin{array}{l} |x| \leqq \sqrt{1-t^2}, \\ |y| \leqq \sqrt{1-t^2} \end{array}\right.\] になる.
この面積を $S(t)$ とおくと \[ S(t) = (2\sqrt{1-t^2})^2 = 4(1-t^2)\] となるから, 求める体積は \begin{align*} V &= \int_{-1}^1S(t)dt = 4\int_{-1}^1(1-t^2)dt = 8\int_0^1(1-t^2)dt \\ &= 8\left[ t-\frac{t^3}{3}\right]_0^1 = 8\left( 1-\frac{1}{3}\right) = \frac{16}{3} \end{align*} である.

問題≪$3$ 次元アステロイドの体積≫

(1)
曲線 $C:\left\{\begin{array}{l} x = \cos ^3\theta, \\ y = \sin ^3\theta \end{array}\right.\ (-\pi \leqq \theta \leqq \pi)$ で囲まれた領域の面積 $A$ を求めよ.
(2)
曲面 $S:x^{\frac{2}{3}}+y^{\frac{2}{3}}+z^{\frac{2}{3}} = 1$ で囲まれた図形の体積 $V$ を求めよ.

解答例

(1)
\begin{align*} (\cos ^3\theta )^{\frac{2}{3}}+(\sin ^3\theta )^{\frac{2}{3}} = \cos ^2\theta +\sin ^2\theta = 1 \end{align*} から $C$ は $x,$ $y$ の方程式 \[ x^{\frac{2}{3}}+y^{\frac{2}{3}} = 1\] で表されるので, $C$ は $x$ 軸, $y$ 軸に関して対称であって, $C$ の概形は次のようになる.
よって, $C$ で囲まれた図形の面積は \begin{align*} A &= 4\int_0^1ydx = 4\int_{\frac{\pi}{2}}^0y\frac{dx}{d\theta}d\theta \\ &= 4\int_{\frac{\pi}{2}}^0\sin ^3\theta (-3\cos ^2\theta\sin \theta )d\theta \\ &= 12\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin ^4\theta\cos ^2\theta d\theta \\ &= 12\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin ^4\theta (1-\sin ^2\theta )d\theta \\ &= 12\int_0^{\frac{\pi}{2}}(\sin ^4\theta -\sin ^6\theta )d\theta \\ &= 12\left(\frac{3}{4}\cdot\frac{1}{2}\cdot\frac{\pi}{2}-\frac{5}{6}\cdot\frac{3}{4}\cdot\frac{1}{2}\cdot\frac{\pi}{2}\right) \\ &= \frac{3\pi}{8} \end{align*} である.
(2)
平面 $z = t$ $(-1 \leqq t \leqq 1)$ による $S$ の断面積, すなわち曲線 $x^{\frac{2}{3}}+y^{\frac{2}{3}} = 1-t^{\frac{2}{3}},$ $z = t$ で囲まれた図形の面積を $A(t)$ とおく. このとき, $C$ と曲線 $x^{\frac{2}{3}}+y^{\frac{2}{3}} = a^{\frac{2}{3}}$ の相似比が $1:a$ であることと (1) の結果から \[ A(t) = \frac{3\pi}{8}\left\{ (1-t^{\frac{2}{3}})^{\frac{3}{2}}\right\} ^2 = \frac{3\pi}{8}(1-t^{\frac{2}{3}}) ^3\] となる. $A(t)$ を $t = -1$ から $1$ まで積分すると, $A(t)$ は偶関数であるから, \begin{align*} V &= \int_{-1}^1A(t)dt = 2\int_0^1A(t)dt \\ &= 2\cdot\frac{3\pi}{8}\int_0^1(1-t^{\frac{2}{3}}) ^3dt \\ &= \frac{3\pi}{4}\int_0^1(1-3t^{\frac{2}{3}}+3t^{\frac{4}{3}}-t^2)dt \\ &= \frac{3\pi}{4}\left[ t-\frac{9}{5}t^{\frac{5}{3}}+\frac{9}{7}t^{\frac{7}{3}}-\frac{1}{3}t^3\right] _0^1 \\ &= \frac{3\pi}{4}\left( 1-\frac{9}{5}+\frac{9}{7}-\frac{1}{3}\right) \\ &= \frac{4\pi}{35} \end{align*} となる.

回転体の体積

問題≪トーラスの体積≫

 $0 < r < R$ とする. 円 $x^2+(y-R)^2 \leqq r^2$ を $x$ 軸の周りに $1$ 回転させてできる立体の体積 $V$ を求めよ.

解答例

 $x^2+(y-R)^2 = r^2$ を $y$ について解くと, \[ y = R\pm\sqrt{r^2-x^2}\] となる. 円周の半分 $y = R\pm\sqrt{r^2-x^2}$ と $x$ 軸, 直線 $x = -r,$ $x = r$ で囲まれた図形を $x$ 軸の周りに $1$ 回転させてできる立体の体積を $V_\pm$ (複号同順)とおくと, 求める体積は \begin{align*} V &= V_+-V_- \\ &= \pi\int_{-r}^r(R\!+\!\sqrt{r^2\!-\!x^2})^2dx\!-\!\pi\int_{-r}^r(R\!-\!\sqrt{r^2\!-\!x^2})^2dx \\ &= 4\pi R\int_{-r}^r\sqrt{r^2-x^2}dx = 8\pi R\int_0^r\sqrt{r^2-x^2}dx \\ &= 8\pi R\cdot\frac{\pi r^2}{4} = 2\pi ^2r^2R \end{align*} である.

問題≪バウムクーヘン分割の公式≫

(1)
$f(x)$ を $f(x) \geqq 0$ なる連続関数とし, $a,$ $b$ を $0 \leqq a < b$ なる実数とする. このとき, $f(x)$ の定義域を単調増加の部分と単調減少の部分に分けることによって, 曲線 $y = f(x),$ $x$ 軸, 直線 $x = a,$ $x = b$ で囲まれた図形を $y$ 軸のまわりに $1$ 回転させてできる立体の体積 $V$ は \[ V = 2\pi\int_a^bxf(x)dx\] と表されることを示せ.
(2)
$r,$ $R$ を $0 < r < R$ なる実数とする. 円 $(x-R)^2+y^2 \leqq r^2$ を $y$ 軸のまわりに $1$ 回転させてできる立体の体積を (1) の結果を使って求めよ.

解答例

(1)
定積分の区間加法性 $\displaystyle\sum_{k = 1}^n\int_{a_{k-1}}^{a_k}\varphi (x)dx = \int_{a_0}^{a_n}\varphi (x)dx$ により, $f(x)$ が単調増加の場合, 単調減少の場合に示せば十分である. $f(x)$ が単調増加または単調減少であるとして, その逆関数を $f^{-1}(x)$ とおく. このとき, 題意の回転体と, 曲線 $x = f^{-1}(y),$ $y$ 軸, 直線 $y = f(a),$ $y = f(b)$ で囲まれた図形を $y$ 軸のまわりに $1$ 回転させてできる立体の体積の関係から, $f(x)$ が単調増加のとき \[\pi a^2f(a)+V+\pi\int_{f(a)}^{f(b)}f^{-1}(y)^2dy = \pi b^2f(b)\] となり, $f(x)$ が単調減少のとき \[\pi a^2f(a)+V = \pi b^2f(b)+\pi\int_{f(b)}^{f(a)}f^{-1}(y)^2dy\] となる. よって, いずれの場合にも \begin{align*} &\pi b^2f(b)-\pi a^2f(a)-V \\ &= \pi\int_{f(a)}^{f(b)}f^{-1}(y)^2dy \\ &= \pi\int_a^bx^2f'(x)dx \quad (x = f^{-1}(y)) \\ &= \pi\left\{ [x^2f(x)]_a^b-\int_a^b2xf(x)dx\right\} \\ &= \pi b^2f(b)-\pi a^2f(a)-2\pi\int_a^bxf(x)dx \end{align*} となるので, \[ V = 2\pi\int_a^bxf(x)dx\] である.
(2)
円 $(x-R)^2+y^2 \leqq r^2$ は $x$ 軸に関して対称であるから, 求める体積 $V$ は, 半円 $0 \leqq y \leqq \sqrt{r^2-(x-R)^2}$ を $y$ 軸のまわりに $1$ 回転させてできる立体の体積の $2$ 倍である. よって, (1) の結果により, \begin{align*} V &= 2\cdot 2\pi\int_{R-r}^{R+r}x\sqrt{r^2-(x-R)^2}dx \\ &= 4\pi\int_{R-r}^{R+r}(x-R)\sqrt{r^2-(x-R)^2}dx \\ &\qquad +4\pi R\int_{R-r}^{R+r}\sqrt{r^2-(x-R)^2}dx \\ &= 4\pi\int_{-r}^rx\sqrt{r^2-x^2}dx+4\pi R\cdot\frac{\pi r^2}{2} \\ &= 2\pi ^2r^2R \end{align*} である.

背景

  • (1) で示した等式は「バウムクーヘン分割の公式」(shell integration)として知られている.
  • $S = \displaystyle\int_a^bf(x)dx$ とおき, 重心の $x$ 座標 $g_x$ を $g_x = S^{-1}\displaystyle\int_a^bxf(x)dx$ で定めると, \[ V = 2\pi\cdot S^{-1}\int_a^bxf(x)dx\cdot S = 2\pi g_xS\] が成り立つ. この等式は「パップス=ギュルダンの定理」(Pappus–Guldinus theorem)として知られている.