COMPASS

真の理解のためのシンプルな数学のノート

数式を枠からはみ出さずに表示するためには, 画面を横に傾けてください(532 ピクセル以上推奨).

直線

直線の方程式

定理≪直線の方程式≫

 $xy$ 平面上の相異なる $2$ 点 $(x_1,y_1),$ $(x_2,y_2)$ を通る直線の方程式は,
(i)
$x_1 \neq x_2$ のとき $y-y_1 = \dfrac{y_2-y_1}{x_2-x_1}(x-x_1)$
(ii)
$x_1 = x_2$ のとき $x = x_1$
である.

直線の平行条件

定理≪直線の平行条件≫

(1)
$2$ 直線 $l_1:y = m_1x+n_1,$ $l_2:y = m_2x+n_2$ ($m_k,$ $n_k$: 定数)に対して, \[ l_1 \,/\!/\, l_2 \iff m_1 = m_2\] が成り立つ.
(2)
$2$ 直線 $l_1:a_1x+b_1y+c_1 = 0,$ $l_2:a_2x+b_2y+c_2 = 0$ ($a_k,$ $b_k,$ $c_k$: 定数)に対して, \[ l_1 \,/\!/\, l_2 \iff a_1b_2-b_1a_2 = 0\] が成り立つ.

問題≪$3$ 円の根心≫

 $a_k,$ $b_k,$ $c_k$ $(k = 1,\ 2,\ 3)$ を実数として, $x,$ $y$ の多項式 \begin{align*} f_1(x,y) &= x^2+y^2+a_1x+b_1y+c_1, \\ f_2(x,y) &= x^2+y^2+a_2x+b_2y+c_2, \\ f_3(x,y) &= x^2+y^2+a_3x+b_3y+c_3 \end{align*} を考える. 方程式 $f_1(x,y)-f_2(x,y) = 0,$ $f_2(x,y)-f_3(x,y) = 0,$ $f_3(x,y)-f_1(x,y) = 0$ がそれぞれ直線 $l_{12},$ $l_{23},$ $l_{31}$ を表すとする. 次のことを示せ.
(1)
$l_{12},$ $l_{23}$ が点 $\mathrm A$ で交わるとき, $l_{12},$ $l_{23},$ $l_{31}$ は $1$ 点 $\mathrm A$ で交わる.
(2)
$l_{12},$ $l_{23}$ が平行なとき, $l_{12},$ $l_{23},$ $l_{31}$ は互いに平行である.

解答例

(1)
$l_{12},$ $l_{23}$ が点 $\mathrm A(x,y)$ で交わるとする.
このとき, $f_1(x,y)-f_2(x,y) = 0,$ $f_2(x,y)-f_3(x,y) = 0$ であるから, \begin{align*} &f_1(x,y)-f_3(x,y) \\ &= \{ f_1(x,y)-f_2(x,y)\} +\{ f_2(x,y)-f_3(x,y)\} = 0 \end{align*} が成り立つ. よって, $f_3(x,y)-f_1(x,y) = 0$ であるから, $\mathrm A$ は $l_{31}$ 上にある.
ゆえに, $l_{12},$ $l_{23},$ $l_{31}$ は $1$ 点 $\mathrm A$ で交わる.
(2)
$l_{12},$ $l_{23},$ $l_{31}$ の方程式はそれぞれ \begin{align*} (a_1-a_2)x+(b_1-b_2)y+c_1-c_2 &= 0, \\ (a_2-a_3)x+(b_2-b_3)y+c_2-c_3 &= 0, \\ (a_3-a_1)x+(b_3-b_1)y+c_3-c_1 &= 0 \end{align*} であるから, \begin{align*} &l_{12} \,/\!/\,l_{23} \\ \iff &(a_1-a_2)(b_2-b_3)-(b_1-b_2)(a_2-a_3) = 0 \\ \iff &a_1b_2-a_1b_3+a_2b_3-a_2b_1+a_3b_1-a_3b_2 = 0 \\ \iff &a_1b_3-a_1b_2+a_2b_1-a_2b_3+a_3b_2-a_3b_1 = 0 \\ \iff &(a_1-a_2)(b_3-b_1)-(b_1-b_2)(a_3-a_1) = 0 \\ \iff &l_{12} \,/\!/\, l_{31} \end{align*} が成り立つ. ゆえに, $l_{12},$ $l_{23}$ が平行なとき, $l_{12},$ $l_{23},$ $l_{31}$ は互いに平行である.

背景

 方程式 $f_1(x,y) = 0,$ $f_2(x,y) = 0,$ $f_3(x,y) = 0$ がそれぞれ円周 $C_1,$ $C_2,$ $C_3$ を表すとする.
  • $l_{12}$ は $C_1,$ $C_2$ の交点, 共通接線, または $C_1,$ $C_2$ に引いた接線の長さが等しい点の軌跡であり, $C_1,$ $C_2$ の「根軸」(radical axis)と呼ばれる(こちらを参照).
  • $3$ 本の「根軸」$l_{12},$ $l_{23},$ $l_{31}$ が $1$ 点で交わるとき, その交点を $C_1,$ $C_2,$ $C_3$ の「根心」(radical center)と呼ぶ.

直線の垂直条件

定理≪直線の垂直条件≫

(1)
$2$ 直線 $l_1:y = m_1x+n_1,$ $l_2:y = m_2x+n_2$ ($m_k,$ $n_k$: 定数)に対して, \[ l_1 \perp l_2 \iff m_1m_2 = -1\] が成り立つ.
(2)
$2$ 直線 $l_1:a_1x+b_1y+c_1 = 0,$ $l_2:a_2x+b_2y+c_2 = 0$ ($a_k,$ $b_k,$ $c_k$: 定数)に対して, \[ l_1 \perp l_2 \iff a_1a_2+b_1b_2 = 0\] が成り立つ.

問題≪三角形の垂心≫

 $\triangle\mathrm{ABC}$ の $3$ つの頂点から, それぞれの対辺に下ろした $3$ 本の垂線は $1$ 点で交わることを示せ.

解答例

 直線 $\mathrm{BC}$ 上に $x$ 軸を引き, 頂点 $\mathrm A$ から下した垂線上に $y$ 軸を引いて, 座標軸を定める. このとき, $\triangle\mathrm{ABC}$ の各頂点の座標は $\mathrm A(0,a),$ $\mathrm B(b,0),$ $\mathrm C(c,0)$ $(a \neq 0,\ b \neq c)$ と表せる.
(i)
$b = 0$ または $c = 0$ のとき. $\triangle\mathrm{ABC}$ は直角三角形となるから, $3$ 本の垂線は原点で交わる.
(ii)
$b \neq 0,$ $c \neq 0$ のとき. 直線 $\mathrm{AB}$ の傾きは $-\dfrac{a}{b}$ であるから, 頂点 $\mathrm C$ から下ろした垂線の方程式は
$y = \dfrac{b}{a}(x-c)$ つまり $y = \dfrac{b}{a}x-\dfrac{bc}{a}\ \cdots [1]$
である. また, 直線 $\mathrm{AC}$ の傾きは $-\dfrac{a}{c}$ であるから, 頂点 $\mathrm B$ から下ろした垂線の方程式は
$y = \dfrac{c}{a}(x-b)$ つまり $y = \dfrac{c}{a}x-\dfrac{bc}{a}\ \cdots [2]$
である. $[1],$ $[2]$ の $y$ 切片はともに $\left( 0,-\dfrac{bc}{a}\right)$ であり, 頂点 $\mathrm A$ から下ろした垂線は $y$ 軸上にあるから, $3$ 本の垂線は $1$ 点 $\left( 0,-\dfrac{bc}{a}\right)$ で交わる.
(i), (ii) から, 題意が示された.