COMPASS

真の理解のためのシンプルな数学のノート

数式を枠からはみ出さずに表示するためには, 画面を横に傾けてください(532 ピクセル以上推奨).

点と直線の距離

点と直線の距離

定理≪点と直線の距離≫

 点 $(x_0,y_0)$ と直線 $ax+by+c = 0$ の距離 $d$ は \[ d = \frac{|ax_0+by_0+c|}{\sqrt{a^2+b^2}}\] である.

問題≪三角形の面積の公式とその応用≫

 次のことを示せ.
(1)
原点 $\mathrm O$ と点 $\mathrm P(a,b),$ $\mathrm Q(c,d)$ を頂点とする三角形 $\mathrm{OPQ}$ の面積は \[\triangle\mathrm{OPQ} = \frac{1}{2}|ad-bc|\] である.
(2)
頂点の各座標が整数であるような正三角形は存在しない.
 ただし, $\sqrt 3$ が無理数であることは, 証明なしに用いてよい.

解答例

(1)
辺 $\mathrm{OP}$ の長さは $\sqrt{a^2+b^2}$ である.
また, 直線 $\mathrm{OP}:bx-ay = 0$ と点 $\mathrm Q(c,d)$ の距離 $d$ は \[ d = \frac{|bc-ad|}{\sqrt{b^2+(-a)^2}} = \frac{|ad-bc|}{\sqrt{a^2+b^2}}\] であるから, \begin{align*} \triangle\mathrm{OPQ} &= \frac{1}{2}\mathrm{OP}\cdot d \\ &= \frac{1}{2}\sqrt{a^2+b^2}\cdot\frac{|ad-bc|}{\sqrt{a^2+b^2}} \\ &= \frac{1}{2}|ad-bc| \end{align*} が成り立つ.
(2)
すべての頂点の各座標が整数であるような正三角形 $\mathrm{OPQ}$ の存在を仮定する. 平行移動で面積は変わらないから, $\mathrm O$ が原点である場合を考えれば十分である. その場合に $\mathrm P(a,b),$ $\mathrm Q(c,d)$ とおく. このとき, $[1]$ が成り立つ. また, $\triangle\mathrm{OPQ}$ が正三角形であることから, \[\triangle\mathrm{OPQ} = \frac{1}{2}\mathrm{OP}^2\sin 60^\circ = \frac{\sqrt 3}{4}(a^2+b^2) \quad \cdots [2]\] が得られる. よって, $[1],$ $[2]$ から, \[\sqrt 3 = \frac{2|ad-bc|}{a^2+b^2}\] が成り立つ. $a,$ $b,$ $c,$ $d$ は整数であることから右辺は有理数であるが, これは $\sqrt 3$ が無理数であることに反する.
ゆえに, 頂点の各座標が整数であるような正三角形は存在しない.

背景

  • 座標平面上の各座標が整数である点を「格子点」(lattice point)と呼び, すべての頂点が格子点であるような多角形を「格子多角形」(lattice polygon)と呼ぶ.
  • 「格子正多角形」は正方形に限ることが知られている.
 (1) の別解についてはこちらを, (2) の別解についてはこちらを参照されたい.